2021年2月28日日曜日

漢字「御」に込められた祖先の切なる想いとは何? 漢字の成り立ちと由来を見れば謎が解ける!


漢字の成り立ちと由来:漢字「御」に込められた祖先の切なる想いとは何? それは子宝と成長だった!



漢字「御」の読み方、呼び方

  • 訓読み  おん 例)御中   お 例)御前   み 例)お御籤  
  • 音読み  ぎょ 例)御意   ご 例)御飯
  • 使い方 ①敬意やていねいさを表す語。「御挨拶」「御覧」
        ②皇室に対する敬語 「御物」
        ③あやつる。「御者(馭者)」「制御」
        ④おさめる。支配する。つかさどる。 「統御」
        ⑤ふせぐ。まもる。 「防御」


漢字「御」の解釈

漢字「御」唐漢氏の解釈

引用:「汉字密码」(824、唐漢著,学林出版社)
「御」この字には上古先民の子孫繁栄の切なる願いが込められている

唐漢氏の解釈

 "御"の本の字は"禦"です。これは会意文字です。甲骨文字の「禦」の字は右側には跪いている男の人が見えます。左辺は「示」の献卓があります。真ん中には臍の緒を示す記号があります。会意文字で子供を授かることおw願う祭祀を指しています。金文の「禦」の字の形象は特にはっきりしています。小篆は禦の字の形態は整合がとれていて、併せてギョウニンベンの旁が滑らかに表示されている。楷書はこの縁で禦とかく。簡体化で御の字が禦の簡体字となりました。

 "禦"は《説文》では「祀なり」としています。上古時代は高出生率、高死亡率で、極端に低い生育率が基本的特性でした。統計に基づけば有史以前は、嬰児の死亡率は高く、0.5以上にも達した。旧石器時代の世界人口の増加率は100年で1.5%を超えなかった。新石器時代でも4%を超えなかった。この為氏族と部落の生存は出生率と成活率にかかっていた。その意義はことのほか尋常ではなかった。人類の有史以前の生殖崇拝と育産祭祀は非常に旺盛であった。

 漢字「御」の由来と成り立ち:
子宝を願う神へ強いの祈りを体現

 "御"はこの歴史の産物である。春秋以降は人口の数量は大きく増加し、血族群団は地域社会に取って代わられ、人口の多寡は、再び氏族の存否の主要な要件になることはなかった。このために人口の繁衍を希求する禦祭は消滅することになった。


漢字「御」の字統の解釈

字統の解釈

 声符は卸。卸は御の初文。
 漢字「御」は「禦」の初文という。唐漢氏とは全く逆の解釈となる。たしかに「禦」をよく見てみると、金文までは字形の下に祭卓を表す「示」が出ていない。ということは金文までは「御」も「禦」も全く同じ字形であったとなるか、そもそも禦という語は金文の時代までは存在せず、「御」という言葉しかなかったといえるのかも知れない。




漢字源の解釈

 会意兼形声。原字は「午(きね)+卩(ひと)」の会意文字で、堅いものを杵でついて柔らかくするさま。御は「馬を穏やかにならして行かせることを示す。


 

中国・清朝皇帝乾隆帝が自分の舟遊びために造営した船着き場皇帝の船着き場に立つ石碑「御馬頭」
「御」の使い方は日本と全く同じ

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2021年2月27日土曜日

漢字の成り立ちと由来:漢字「碍」は一体どういう意味?「碍」は「障碍」の「碍」たり得るのか?


碍
碍 楷書

漢字の成り立ちと由来:漢字「碍」は一体どういう意味?
 21年2月27日毎日新聞の報道によると、『文化審議会国語分科会の小委員会で26日「障碍」の「碍」の字について、常用漢字表への追加を見送るべきだとの見解をまとめた、常用漢字表への「碍」追加見送り』と報道されている。
「碍」は「礙」の簡体字であり、「礙」は一般漢字レベルにあるとされているが、今は、「碍」の方が多用されているようである。

 読み     音読み ガイ ギ ゲ     訓読み さまた(げる)
 意味    ささえる/さまたげる/邪魔をする
 使い方: よく見かける言葉は 碍子、障碍


引用:「字統」(P103、白川静著,平凡社)
「石」金文「疑」
字統の解釈
 漢字「碍」 声符は疑。《説文》に「止るなり」という。疑は凝然として人の立ち尽くす形であるから、止まって進退しないの意がある。それで、石によってさえぎられること、障碍の意を示したものであろう。字はまた碍に作ることがある。



「石」金文「㝵」

漢字源の解釈
 会意文字。「石」+「㝵」(=得。みつかる)」で、行く手を遮るように見える石をあらわす。
 「碍」は「礙」の簡体字としているが、藤堂博士は原本が「碍」であるかのような説明をしている。






むすび
 この漢字「碍」を甲骨文字から、小篆まで一貫してみると、旁の「㝵」は富を表す「貝」を手でつかむ形になっており、この会意文字が表す意味が、「行く手を遮る」とか「さまたげる/邪魔をする」となるのか理解しがたい。私には字統の解釈の方が腑に落ちる。「礙」は簡体化の過程の中で「碍」となったとのことだが、それであれば簡体化が間違っていることにならないだろうか。

 今の私の浅薄な学ではどうしようもない。どなたか明確にお答えを出していただけないだろうか?




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2021年2月26日金曜日

漢字の成り立ちと由来:漢字「示」の成り立ちは? 何で「示す偏(ネ偏)」は神様と関係があるの?

漢字の成り立ちと由来:漢字「示」の成り立ちは? 何で「示す偏(ネ偏)」は神様と関係があるの?

甲骨文字の「示」
示ス偏と衣偏
 何で「示す偏(ネ偏)」は神様と関係があるの?
 漢字で紛らわしいものに、示す偏と衣偏があります。示す偏は、私達はカタカナで「ネ」という字で表し、「ネ偏」という言い方で呼ぶこともあります。一方の衣偏の方は「衤」と書き、衣偏と呼びます。この二つの部位は少し紛らわしいのですが、ここにあるように、由来が全く違うのです。見ていただければ、なーんだこんなことかを直感的に分かっていただけるでしょう。  
甲骨文字の「衣」

漢字「示」の読みと成り立ちと使い方:神と祭りの間には

漢字「示」の読み方、呼び方
音読み:① ジ:呉音  例語:指示、示談、公示、告示    ② シ:漢音 例語: 示唆、黙示
訓読み:① しめす ② つげる



漢字「示」が要素となっている漢字
神社、祠、禍、祈、禍、祗、祉、祖、祝、祷

禦、祭、票、宗、祟


漢字「示」の由来と成り立ち
 非常にシンプルな字で、明らかに祭壇を表す、象形文字です。このことから拡張され、「神」を表すようになり、「神」に関係する漢字にはこれが「偏」として付くようになった。


引用:「汉字密码」(P822、唐漢著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
 「示」は甲骨文の中で「干、T」」の形をしている。上古時代の供卓のようで、木の表や石柱で祖先の位牌の形をしている。傍と上辺には小さな小点が出ているが、祭祀の際の上下左右のお供え物を表している。金文と小篆の「示」は甲骨文字を受け継ぎ楷書はこの脈で「示」と書く。

 「示」のイメージは将に祭の時に位牌の前に並べられたお供えからきています。又物品であったり、人の生贄であったり、動物の肉体であったりしたものが祖先の神霊に喜ばせるためにお供えされました。甲骨文の中の『示』が語気限られたものに用いられただったのが、大多数に均しくその意義を拡張され、即先公、先王、天神、地抵等"神主"まで祭祀の对象を指すようになった。古文中、祭祀に関係のある文字は「祖、神、祭、祀、祝、祠、社、祈等」であるが、みな「示偏」を持っており、後の人はそれを祭祀の文字とみていたことを示している。


字統の解釈
 神を祭るときの祭卓の形。字形が簡単であるため従来その解釈について諸説がある。「示」は祭卓の形で、その上に祭肉を備える字は「祭」という。 



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漢字「怒」の成り立ちと由来:漢字「奴」と「心」の意味するものは


漢字「怒」の成り立ちと由来:漢字「奴」と「心」の意味するものは
 日本語は漢字の使い方によって、発声が異なることがあり、日本語が難しいといわれる所以でもあります。ここで取り上げる、「怒」にしても、下記のように「ド」と「ヌ」という読み方があり、読み方により、微妙に異なる響きを持つことができます。

漢字「怒」の読み方、呼び方
音読み:① ド 漢音 例:怒髪天を衝く・・ドと濁ることにより、感情が強く押し出される感じがします。
      ② ヌ 呉音 例:憤怒・・フンヌという発声は、いかにも怒りが内に籠った感じを与える響きになります。
訓読み:① いかる ② おこる


引用:「汉字密码」(P499、唐漢著,学林出版社)
漢字の成り立ちの解釈
 「怒」の字は左上部は女で、右上部は手に点を2点追加した形を示している。下辺は心の象形字である。3形の会意で、女の人が手で掻いて心に怒りが生まれていることを示している。 
 白川氏は形声文字とみて、声符は奴。奴に努など、激しく勢いを加えてことをなす意があり、怒もそのような心意の状態をいう。
 これに対し、藤堂氏も会意兼形声であり『奴は力をこめて働く女の奴隷のこと。「怒」は「心+音符・奴」で強く心を緊張させること。』としている。

 3氏の見解は全て、セクハラに対する怒りを表現したものということで一致している。

そこでここで、文字の構成要素を分解し、もう各要素ごとにもう少し細かく分析してみよう。


漢字の解体分析(ターヘルアナトミア)
左の画像が甲骨文字の「怒」の構成要素です。
  1. 「女」+「手」⇒「奴」:奴は奴婢のこと。当時は奴婢は戦利品という立場にありました。戦争捕虜などは男を処刑した後、捕らえた女性を奴隷にしたこともあったようです。殷商時代は、5%ぐらいの奴隷が存在したといわれています。この場合の発声は「ヌ」になると思います。
  2. 「奴」+「心」⇒「怒」:漢字を作る側の人間が奴婢の心に思いを寄せていたとは考えにくいのですが・・。
    従って、白川氏の考察が最も当を得ているのかも知れません。
甲骨文字:女甲骨文字:手(又)甲骨文字:心



漢字「怒」の構成要素は?

 漢字「怒」の構成要素は、「女」、「手」、「心」の3要素が挙げられますが、「怒」という漢字を決定づける要素は、「奴」と「心」の2つの要素と考えるべきだと思います。その理由は一つに、「怒」の発声が「ヌ」、「ド」であり、これらの音を持つ構成単位は「奴」という漢字です。意味的にも奴をひと固まりで考えた漢字が多数を占めているという理由によります。


関連記事:漢字「怒」の成り立ちと由来:手を付けられた女の気持ちは怒りとなってほとばしる
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2021年2月23日火曜日

漢字「飯」の由来と成り立ち:漢字から当時の食糧事情が分かる?


漢字「飯」の由来と成り立ち
 ヴィキペディアによると、『日本語の「めし」は、「食ふ(食う)」の敬語のうち尊敬語である。「召す」に由来する。現在はややぞんざいな表現になった。』とある。

穀物の生産は、中国では5000年前の遺跡から各種農機具と共に、粟、黍、稲、麦、豆、麻など主要糧食作物が栽培されていたことが分かっている。日本では3500年前には朝鮮半島に先駆けて稲作が行われていたことが判明している。漢字「飯」もそのころからの付き合いになるだろうと予測される。



引用:「汉字密码」(P661、唐漢著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
 "飯"、これは一種の会意・形声文字です。金文の「飯」という言葉は左右の結びついた構造です。左側は食べ物を表す「食べ物」、右側は「反」文字を表します。つまり、手の甲は体の後ろにあり、食べないという意思です。 小篆の「飯という言葉は、金文を受け継いで「食と反の音声」からなる形声字に進化します。楷書はこの縁から「飯」と書く。簡体化から「饭」と書く。 「飯」の本来の意味は、外出時に食べられる食べ物です。 仕事の終了後または一段階後の食事のことで、拡張して「朝食、昼食」などの毎日の決まった食事のことをいう。

 古代の人々が、外出時に食べられる食事のために、特別な言葉を使っていたとは考えられないので、この説明には少し疑問が残る。


字統の解釈
 漢字「飯」のなり立ち、由来:声符は反。説文に「食らうなり」とあり、黍稷の類を食べることを飯という。この類の飯は箸を用いず指で摘まんで食べた。この時親指を主として用いるので、親指の根元を販という。ここで、字統の解釈が少し気になる。なぜ箸を使わなかったのか。ご飯がパラパラで箸を使うのに向いていなかったのか。古代の中国で特に北方では水稲が行き渡っていなかったため、稗、粟、コーリャンが主食だったのかも知れない。



漢字源の解釈
 会意兼形声。「食+音符反(バラバラになる ふやける)」で、粒がふやけてばらばらに煮えた玄米の飯。

 

まとめ
 唐漢氏の解釈と字統の解釈は真逆のものであった。ただ、当時の糧食が、ぱさぱさで指でなければ食べにくいものであったのは共通して言えるのかも知れない。

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2021年2月20日土曜日

漢字の成り立ちと由来:漢字「離」は何から離れることを示しているの?


漢字の成り立ちと由来:漢字「離」は何から離れることを示しているの? 鳥の巣立ちのこと?
 3月は人々が離れ行く季節です。卒業で学校を離れ、人事異動で職場を離れます。

 甲骨文字や金文などの古代文字が何とも面白い。漢字の元となるこういった文字は、直感的に、見たまま、感じたまま捉え表現している。人間の認識というものは、本来こういうものではなかったろうか。なぜ漢字以外文字が発展しなかったのか考えて見る価値はありそうだ。



引用:「汉字密码」(P121、唐漢著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
 「離」は会意文字です。甲骨文の離の字はまさに長い柄のついた捕獲用の網にまさに一匹の鳥を入れた状態を示している。金文の離の文字は捕獲用の長い網の下に一つの手を加え、上部には、「森」のシンボルが使用して鳥が隠れている草むらを示しています。
 小篆は甲骨と金文に基づき組み合わせを整合して、鳥が草の中の巣から離れることを明確に示しています。楷書はこの関係から「離」と書きます。簡体化の時に半分を取り除き「离」と書きます。

 離の字は一匹の鳥が網にかかり、永遠に自分の巣に別れを告げる様を示しており、この為「離」の本義は災難が降りかかり、災難にあうという意味を示している。


字統の解釈
 「離」とは、鳥もちにかかった隹(鳥)の意味で、之を離去することを「離」という



漢字源の解釈
 会意文字。 「隹」と「离(大蛇)」で、もと蛇と鳥が組みつ離れつ争うことを示す。
 甲骨文字を見る限り、この解釈は少し違うように思えるのだが…。

 

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2021年2月16日火曜日

漢字の由来と成り立ち:漢字・族が分かれば、今の世界が見えてくる



 漢字の由来と成り立ち:族が自らの存在を際立たせた秘密が漢字・族 の中に含まれている?

  「族」:人間社会を構成し始めたその時点から存在し、社会のあらゆる局面で陰に陽に絶大な影響及ぼした力

 
19世紀は民族は統一を志向する勢力となっていたが、今日は排外主義的側面が強くなっているのは何故!?

問題提起: 人間は族という呪縛から自らを解放できるのか!!

 漢字・族 の由来と成り立ち:集団の力を誇示する象徴であり、かつ旗幟の下集団を通して自己発現を訴える象徴でもあった

 日本では、「族議員」といい、国会議員で、明確な組織を持つわけではないが、同じ官僚組織や共通の利益意識を持つ議員の集団が問題となっている。彼らは国家の利益や国民の利益よりも、帰属するグループの利益に重きを置いて行動するため、ともすれば国民や国会との意識の乖離がみられ、ある種の弊害にもなり得る存在となっている。 例として厚労族、道路族(建設族)、郵政族、農林族、国防族、文教族等が話題になっている。

 族とは、なかま/同じ血や祖先をもつ集団/一門/身内などの意味をもつ。社会学的には、漠然とした、共通の利益や意識を持つ集合体である。人間は、かならすしも、明確な集合体でなくとも、何らかの共通点を有するものを「族」という括りで分類することもある。

 人間社会の属性とも考えられ、社会のあらゆる階層で、共通の利益を目指し陰に陽に行動することもある。最小単位は「家族」ではないかとみなされる。大きなものは民族といえよう。

 ここで改めて、人間の「業」の表れともいえ、社会のあらゆる局面で見られるグループ集団である「族」について、漢字「族」の由来と成り立ちから調べなおしてみよう



引用 「汉字密码」(P609, 唐汉,学林出版社)
唐漢氏の解釈
 「族」これは会意文字です。甲骨文字の上方は長い竿の翩翻と翻る旗幟を持っている。上古時代の旗幟は5、6色の動物の毛皮を割り裂いてひも状に作っていた。このためにさらに風に従って翻るたれ飾りは甲骨文の族の字の上部の象形にもなった。族の字の右下には矢がある。まるで上部に向かって矢立に突っ立てている。小篆と楷書の族の字は皆金文の変化からきている。しかし字形の出入りは大変大きい。しかし、字の構成と意味は一転も変わっていない。





旗幟は大衆に号令する標識で、箭は発射され到来したという意味だ。兵器の収集は旗幟の下に人が携えてきた。このため族の本義は集合してきた軍隊という意味だ。

 多くの男子で構成された武装集団もまた、華夏の歴史上の記載のある常備軍だ。即ち、征服作戦に専念する武装グループがあった。



字統の解釈
  会意文字:旗幟を示す記号と箭に従う。氏族軍の象徴たる旗の下で、矢は矢誓を意味する字である。氏族旗の下に誓約を行うものは士族の構成員である軍士でありその族人たるものである。族の初義は氏族軍のことを言い、その字は結盟の儀礼を示すとある。


現代の「族」

 日本では、ひところ太陽族というのが問題になった。、また近頃では暴走族、社用族など新たな社会問題が出てきている。

 このことはお隣の中国でも同様の社会現象が取りざたされている。
  • 啃老族(親のすねかじり)
  • 隠婚族(結婚しているにもかかわらず,結婚の事実を隠し続け,独身として活動する人々のこと)、
  • 混章族(いい加減な取り組みでインターンシップの証明を取得しようとする学生) ”
  • 月光族(まったく貯金をせず,その月の給料を全部使い果たすその日暮らしを続けるひと)、
  • 撞牟族(相手の運転ミスをねらって,わざと相手の車に接触し,高額の修理費用や慰謝料を恐喝する無法者たちのこと)
  • 考碗族(安定的な生活を求めて公務員試験を受ける人々のこと)
  • 蚊族(大学を卒業したばかりの低所得者を指している。“蚊”は「蟻」の略字である。大学を卒業したばかりの低所得者はアリのように,朝から晩までせわしく立ち働いていることからそのように呼ばれているのだろう。)
  • 鼠族(“鼠族”はモグラのように暗くて乱雑なところに住んでいる人々のことを指しているが,狭義的に解釈すれば.主に北京で地下の施設を借りて暮らす貧困層を指すのである。)

  • (以上、「国際文化学部論集第14巻第4号(2014年3月) 接尾語の“族”を通じて中国社会の現状をみる 戦慶勝」より)
 以上に述べた人々は、アタリヤを除き好き好んでこのような生活を送っている人はそういるものではないと思うが、甘えやそれでも許してもらえる世間の風潮がこのような「族」人類を産んでいることを問題にせねばならないだろう。


まとめ
  「族」という言葉は、今から4000年前に発生し、現代まで生き続けてきている。族はある意味利権集団ともいえるが、人間の歴史の中では否定的な役割ばかりを果たしてきたわけではない。このような人間の行動が社会発展の原動力となって、社会を動かしてきたことは認められる。しかも何よりも忘れてはならないのは、この、「族」に属するという行動は、人間の業ともいうべきもので、否定してしまえるものではない。しかし、このようなグループが肥大化し、社会に蔓延してしまうならば、社会はおそらく窒息してしまうだろう。社会の窒息を防ぐには、古人の欲望と社会との間に折り合いをつけねばならない。個人の欲望をその当人の時勢に任せることは不可能であると考える。とすれば、社会が個人の欲望に枠をはめるある意味で制約をしなければならない。

 このことは資本主義社会のど真ん中にあって私達が直面している問題と全く同じである。資本主義の直面する問題は人間の「業」との闘いでもある。
 
人間は自らかけた呪縛から自らを解放できるのか!!

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2021年2月14日日曜日

漢字「情」と「愛」の由来と成り立ちは? 「情」は「愛」ではないの? これが分かれば、人間が分かる?


漢字「情」と「愛」の起源と由来:「情」は「愛」ではないの?これが分かれば、人間を深く理解できる
 2月14日はバレンタインデーだ。日本語で言うとさしずめ「恋人の日」とでもいうのか、中国語で、「情人節」という。日本語の感覚から言うと、随分生々しい感覚を受ける。
 恋人は中国語で情人、日本語で愛人は中郷語で情婦というらしい。(googe翻訳による)この翻訳が正しいのかどうかもわからないが、日本語と中国語では同じ漢字を使うとしてもずいぶん異なる。

 日本語の中でも、愛情と情愛の違いが分からなければ、人の機微を理解したとは言えない。

そこでこの際以前投稿した記事を見直し、愛と情について見直しをしたい。

引用:「汉字密码」(P885、唐汉著,学林出版社)
「字統」の解釈
 白川博士は「字統」の中で、「愛」について、「後ろを顧みて立つ人の形を表わす字形と「心」の会意文字である。
 後ろに心を残しながら立ち去ろうとする人の姿を写したものであろうとしている。確かにこちらの方が私たちの感覚にはよく合う。
 説文では、「恵」の古代文字を出して「恵」なりとしているということだが、これは、「愛」と同字異文であるとしている。白川氏は、この字を評して、「人の真意を字形に写して巧妙を極めている」といっている。

 小篆の字形の形態は美しいが、却って象形の趣を失っている。楷書は隷書を経て「愛」に変化した。

 漢字の簡単化の中で、心は省略されて現在に至っている。  現代中国語の「爱」はもともとの漢字の持つ意味や情感が失われてしまっている。少し皮肉っぽくいえば、現代中国の簡体字の「爱」では、「心」が失われてしまっているように思うのだが・・。愛には心が必要だ!!



「情」の字の成り立ちと漢字の持つ意味を字統より
 漢字「情」の成り立ち:声符は青。《説文》に「人の陰気にして欲あるもの也」という。性を陽、情を陰とする考えは漢代性情論に一般的なものであった。後に性は「体」,情は本能的なものとしている。即ち本能的な欲望を[情]としている。

 因みにここでいう「青」は古くから丹朱、丹青として鉱物質のもので変色せず腐敗を防ぐ力があると珍重された鉱物質を取り出すために深く井戸型に掘り下げていくものを丹井といった。その井戸の中にある石が丹青であることを示したことからこの字が使われた


「愛」と「情」の狭間で
 「愛」は心を後ろに残しながら、決めかねて揺れ動く気持ちを表現したものである。一方「情」は情念といわれる如く、もっと本能的な人間の欲を表現したものである。やはり「情」は「愛」は似て非なるものなのかな?  


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2021年2月13日土曜日

漢字「櫻」の成り立ちと由来 なぜ女の子を意味する「嬰」と木偏なのかの謎に迫る

 この2、3年は桜で振り回された感じがする。元凶は「桜を見る会]である。国民の疑惑はいまだに払拭されていない。安倍首相のごまかし答弁は首相が代わってからでも、菅首相に引き継がれさらに深化しているような気がする。これは首相個人の問題ではなく、日本の政権与党の体質の問題のようだ。

 この記事は、2012年にアップした投稿をかなり全面的に書き換えたものである。

 桜を見る会とか、コロナ、コロナといっている内に、街路樹の桜の蕾は赤みをさし、確実に春が近づいていることを感じさせている。

  昔学生の頃、コンパで歌った歌の一説に「櫻という字はやっこらやのや、二階の女が気(木)にかかる気にかかる」というのがあった。桜の旧字は木偏と二つの貝を並べてその下に女と書くという綴りを謳ったものだが、この歌も最近では聞けなくなった。さて、桜の字はどこから来たのだろう. 桜の旧字体は「櫻」だ。そしてまたこの旧字体の「櫻」は甲骨文字は見出させなかった。初めからないのかもしれない。唐漢先生に尋ねてみることとしよう。


唐漢氏の解釈
 「櫻」は「木」と「嬰」からなる。この「嬰」は年端も行かない女の子を指す。上古先民は貝の首飾りで女の子を飾って喜んだという。因みに女の子は幼児期のころ小さな装飾品を集めるのが好きである。砂浜の上の美しい貝殻に穴をあけひもで結んで首にかけるのは非常にいい装飾品だ。上古の時代女の子たちは、この種の装飾品で身を飾るのに夢中になった。貝殻の装飾品で身を飾った女の子は「婴」(yingと発音する。桜の旧字の旁の部分)と云った。因みに男の子は儿子といった。(この男の子の話は、最近のものかもしれない)


  桜の種類には2種類がある。一つはサクランボの木だ。春には花が咲き、花は五弁で色は薄紅、清らかで優雅で美しい。果実は紫紅色で、甘い味がする。俗称桜桃といわれる。これは果実を収穫するための桃の木である。また別のサクラは即ち桜花の木である。この種類は花の鑑賞の為の植物で日本の国花でもある。
以上のことから櫻の原義は貝殻で出来た装飾品(桜貝?)で飾った女の子のような美しい花の木ということらしい。


字統の解釈
形声文字。旧字は「櫻」と書き、嬰声。
 《説文》に「果なりとあり、果樹のゆすらうめをいう。また含桃・桜桃で、わが国ではいわゆる櫻ではないが、わが国ではさくらの字とする。中国の詩文に見る桜花・桜樹は全てこのゆすらうめの事で、わが国には江戸初期に渡来し庭園などに植樹された。

字統の「嬰」の解釈
嬰はみどりごのこと。貝を綴った首飾りの呪具。これを新生の女の子の首飾りとして加えるので、また嬰児の意となる。
 







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2021年2月11日木曜日

漢字「休」の由来と成り立ち:人と木の会意文字で、意味することは休息ではなく、立ち止まっているという意味です


漢字「休」の由来と成り立ち:人と木の会意文字で、原義は休息ではなく、立ち止まっているという意味です
 漢字「休」は今では休息するという意味にとらえられる傾向が強いですが、古代文字を見ると、人が木に寄りかかって休んでいるわけでもなく、木の下で横になって休んでいるわけでもありません。
 したがって、原義は休息するとか休むというより、停止することと解釈されるべきです。

しかし、「休」を動詞的に使う時と、副詞的に使う時がそれぞれありますので注意が必要です。
動詞的な使い方(止めるの意味): 休職、休業、休戦、休演、休刊
副詞的・形容詞的な使い方(休むの意味):休暇、休日、休止、休息、休養、休眠


引用:「汉字密码」(P356、唐汉著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
 「休」は会意文字です。古文中の休の字は右は木で、左は歩いていく人の象形文字です。両形の会意で、人と樹木がどこかに立っている意味で、先民が文字を作る時人が木に寄りかかって休んでいるのではなく、又人が木の下で臥せって休んでいるわけではありません。

 造字方法から述べると人が木の側を歩いていることであると考える方が自然でしょう。本義は停止するあるいは何かの行動を止めるという意味です。

まとめ
 漢字「休」は今では休息するという意味にとらえられる傾向が強いですが、原義は休息というより、停止すると解釈されるべきです。

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2021年2月10日水曜日

漢字「滅」の由来と成り立ち 原字「烕」は戉と火からなり鉞(まさかり)で火を消すこと。後にサンズイ偏がついて水で火を消すことを表している


漢字「滅ぶ」には二つの字体がある。「烕」が原字であるが、戉でもって火を消すという一種の呪術的な意味合いがある。
「鬼滅の刃」というアニメがある。 今一世を風靡しているが。さてこの「滅」という字は、原字は「烕」と書き、サンズイがない。この「烕」という字は、古代中国の聖器の武器「戉」と「火」の会意文字であり、火を戉で消すという呪術的な意味を持っている。、

 同じような意味合いで、「鬼殺の刃」としても、意味は通じるが、ここはやはり古風な響きのある「鬼滅の刃」というのがしっくりくる。なかなかいいネーミングだ。


滅の字の付く熟語・・使い方の異なるいくつかのグループに分かれます。考えて見ましょう
滅亡、消滅、死滅、絶滅、壊滅、自滅、点滅、幻滅、必滅、滅私、滅却、滅法 滅相、撲滅、殲滅、毀滅、鬼烕、滅裂



引用:「汉字密码」(P582、唐汉著,学林出版社)
字統の解釈
 滅 形声 声符は烕(べつ)、烕は戉を火に加えて、火を沈めるの意であるが、呪的な意味を持つ方法であろう。《説文》に「盡るなり」とあって、絶滅する意。

烕を《説文》に「滅ぶるなり」と訓し、その義を五行説を持って解しているが、戉は聖器、これを持って火を鎮圧する呪儀があったのであろう。


漢字源の解釈
 烕  会意兼形声。烕とは「戉+火」の会意文字で、刃物で火だねを切って火を消すことを示す。

滅 「水+音符・烕」で水をかけて火を消し、又は見えなくすること。


まとめ
  漢字「滅」の由来と成り立ち 原字「烕」は戉と火からなり鉞(まさかり)で火を消すこと。後にサンズイ偏がついて水で火を消すことを表している


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2021年2月9日火曜日

漢字「鉞(まさかり)」の由来と成り立ち:大きな斧の象形文字。太古の昔は権威の象徴として儀丈にも用いられた


漢字「鉞」の由来と成り立ち:大きなまさかりの象形文字。太古の昔は権威の象徴として儀丈にも用いられた
 昔の小学校唱歌にあったが、今では知っている人も数少なくなっている。
 歌い出しは「まさかりかついで きんたろう   くまにまたがり おうまのけいこ」というものであった。
 ここに出てくるまさかり(鉞)を知っている人ももう少ないだろう。50年ほど前には少し田舎に行けば、わりに見ることができた大きな斧である。時代は変わったものである。

 

引用:「汉字密码」(P587、唐汉著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
 「鉞」は古代の斧の頭が生まれ変わった兵器である。この種のたたき切る兵器は形状は美しい。刃はアーク状を成し刀身は薄く幅広い。刃の部分は鋳込んで十分美しい文様になっている。刃の後方は曲線になっている。鉞は殺伐の象徴的な儀仗兵器で、通常は王と首領が所持している。このため古代兵器の中で独特の地位を占めている。

 甲骨文では、線状は簡潔で無駄がなく、まさに鋭い象形のデッサンである。金文の鉞の字はデッサンの持ち味を失って、比較的抽象的な文字になっている。小篆の鉞の字は完全に変わってしまっていて、文字の符号になって、象形の図案の図案からはかけ離れてしまっている。楷書では「戉」と書く。金偏が付いて、鉞とかき、ついに形声文字になった。

 全商代を通じて、鉞は多機能な兵器であった。


漢字源の解釈
 象形。まさかりのような形をした古代の武器を描いたもので、丸くえぐった形をしている。


字統の解釈
 象形: 鉞の形。説文に「大斧なり」という。戉は「鉞」の初文。


まとめ
戉は「鉞」の初文。「鉞」は古代の斧の頭が生まれ変わった兵器である。 
  1. 先ずそれは征伐用の武器であった。 
  2. 第二に一種の刑具であった。青銅の銘文には鉞を用いて殺人の図がある。
  3. 第3に一種の権力の象徴であった。
  4. 常に典礼や出陣の時の儀仗用具であった。常に高い社会的等級を備えているばかりでなく社会の権力の象徴でもあった

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2021年2月8日月曜日

漢字の成り立ちの意味するもの:漢字「朱」は朱砂から朱を取り出す技術を感じしている?


漢字「朱」の成り立ちと由来:幹の真ん中に瘤のある木とあるが、「朱」の採取に何らかの関係のあることかもしれません

 「青は藍より出でて藍より青し」ということわざがありますが、ここでは「赤は朱より出でて朱よりも赤し」ということができるかもしれません。赤い色を示す言葉には、「赤、紅、朱、緋、赫」という言葉があり、それぞれニュアンスが違います。この中で「赤」は赤い色の総称です。この5つの中で最も古い漢字は「朱」だと考えれらられます。漢字「朱」の成り立ちは木の真ん中に瘤のある木とありますが、この瘤が、当時すでに発見されていただろう朱砂から「朱」の燻蒸・採取に何らかの関係のあることかもしれません。また少なくとも朱砂の燻蒸を思い起こさせる言葉でもあり、朱という色そのものに直接迫るのではないかという点で、私は最も評価できる説でもあります。


引用:「汉字密码」(P149、唐汉著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
「朱」これは指事字である。主体の形状は樹木を示している。中間の一点或いは短い横棒は指示符号であり、樹木の幹の中心の所在の位置を示している。またそこから幹を裁断したことを示している。
 「朱」の本義は裁断後の木の杭である。《正字通·木部》は「朱」で以て幹を数える、他の株を作るとしている。これは朱の字に木偏を加えて株である。朱の本義は即ち木の杭である。この意味は専ら株が受け持つことになった。   


 


漢字「朱」の漢字源の解釈
 指事。「木+一」で、木の地の原形のの中央を一線で断ち切ることを示す。つまり切り株を示す。株の原字だが、切り株の木質部のあかい色というのに転用された。


漢字「朱」の字統の解釈
 漢字「朱」の成り立ちは木の真ん中に瘤のある木とあるが、この瘤が何を意味するかわ分からない。ただ「朱」の採取に何らかの関係のあることかもしれません。ただ遺跡から朱砂の燻蒸がなされていたのではないかといわれており、この瘤もそれに関係することかも知れません。
白川博士は金文の第3款に重きをおいて、朱砂からの朱色の抽出、燻蒸に用いられたのであろうと思いを走らせた。

「朱」とは濃いあか色。また、黄色がかったあか色だといわれています。


まとめ
 「朱」の原字である木の幹の部分にある瘤の解釈で判断が分かれた。当時発見されていた朱砂から如何に色を取り出していたか、又その時にいかなる装置が使われたかの解明にロマンがある。



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