2021年10月11日月曜日

漢字・好が生成された時代は社会が母系制にあった時代? 男社会からは「好」=好き・美くしいなどという発想は出て来ないのでは


漢字・好の成り立ちと由来:「女+子」から成り立つことに異論はない。しかしその漢字の生成過程は時代背景が母斑のように色濃く残されている!
婦好墓
河南省・安陽の殷墟跡に建つ
婦好像
 社会が母系制であったことの名残りか。母は子供を育て、母をアイデンティティーとして成り立っていた、社会が成立していた。近年、殷墟で「婦好墓」が発掘され、多数の遺品が出土している。殷は「子姓」の国とされ、好はその子姓を示す字と考えられている。殷自体は既に家父長制に移行して長い時間がたっていたであろう、この婦好墓は移り行く変遷の名残りかも知れない。

 この婦好遠い鵜女性は伝承によると、ジャンヌダルクのような女性で、多くの兵士を従え、遠征に出かけていたという」。


漢字「好」の楷書で、常用漢字です。
 右側は「卩」で語義は、跪くひとを表すということです。
好・楷書


  
好・甲骨文字
「女+子」
好・金文
女の字は変化し、手を前で合わせ、裾を抑えた様子をしめす
好・小篆
文字として形が整えられている。


    


「好」の漢字データ
 

漢字の読み
  • 音読み   コウ
  • 訓読み   この(み)、す(き)

意味
     
  • よい(感じがいい、立派な
  •  
  • 好き・すく  ①人や物事に心が引きつけられる」、②魅力を感じる
  •  
  • 好む

漢字「好」を持つ熟語    美好、好色




引用:「汉字密码」(P553、唐汉著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
 「好」、これは会意文字です。 甲骨と金文のスクリプトは、「女性と子」という2つの絵文字で構成されています。 ここで「女性」とは女性、「子」とは子供を意味します。
  古代の祖先の目には、子供を持つことができた女性は一族の人口を繁栄させ、母性の血統を代々伝えましたが、「優秀で美しい」女性でした。

 たとえば、甲骨文字の「婦好」という名前には、多産の意味が含まれており、特に優れた子供を出産した母親を指します。

 王権の家父長制が確立された後、「好」の意味は転移し美しさを指すことになった。「善」の意味が変わった。 《方言•卷二》は「自ずと西に関し、秦、晋まで、凡そ美しいことは好という」と書いてあります。
 漢楽府の《陌上桑》:"秦氏有好女,自名为罗敷。“その中の「好」は「美」と解釈されます。 好人好事,好事多磨の中の「好」は即ちこれ「美」の意味の拡張で、その中には「善」という意味を含んでいます。善人、善物、善物は「善」を意味し、これは「美」の意味を拡張したものであり、「善」の意味を含み、坏、歹とは対照的です。不识好歹,不知好坏(良いか悪いかわからない、良いか悪いかわからない)など。



漢字「好」の漢字源の解釈
 会意文字:「女+子」、女性が子供を大切にかばってかわいがる様を示す。大事にしてかわいがる意を含む。


漢字「好」の字統の解釈 290ページ
女と子との会意文字: 説文に「美なり」とあり 美好の意とする。卜文に女を母の形に作り、あるいは子を抱く形に作るものがあって 婦人がその子女を愛好することを示す字である。


まとめ
 「好」という字の持つ優しさ、美しさはいかにも女性的発想と考えるが、如何なものだろう



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2021年10月4日月曜日

漢字「裔」の由来:衣+冏から成る。冏は衣立てという説あり。 先祖の衣を衣立てに立てた子孫・末裔を意味す


漢字「裔」の由来:先祖の衣を衣立てに立てた子孫・末裔を意味す


漢字「裔」の楷書で、常用漢字です。
 上部は「衣」で語義は、衣そのものです。

 裔」は血統や血筋を表す言葉でありますが、この漢字そのものは金文の時代に始めて現れたようです。たしかに着物を代々引き継で行くという発想は、生活が世代を越えて安定して営まれる社会でないと生まれないと考えられます。
  1. 社会が世代を超えてなんていしていること。
  2. 物質的にもゆとりのある社会であることである


 右の文字は、金文の「嬴」です。なんと難しい漢字ですが、裔と同じ読みであることから遊び心で列記してみました。因みにこの意味は、余る、集まるという意味だそうです。
    
裔・楷書嬴・金文



 上部は[衣]で、まぎれもなく衣装を表している。古代の着物はどの様に着られて居たのか、漢字からでも推量することができます。この「裔」という漢字は衣立てに立てた着物を表すというが、この「衣」という字をよく眺めてみると、右前に書かれています。太古の昔、左前は夷狄の風俗とされ、蔑まれていたとのことです。それと区別するために右前に着るようになったという説もあります。このように、漢字は昔の人々の生活様式を知る重要な手段でもあるのです。
裔・金文
衣と冏(光、明亮)から成る
裔・小篆
金文が、文字として整えられた。





「裔」漢字データ
 

漢字の読み
  • 音読み   エイ
  • もすそ

意味
     
  • 血筋の末。子孫。後裔。
  •  
  • 着物のすそ。もすそ。
  •  
  • 木の枝などの先端。末端。

漢字「裔」の同義語     後胤:数代の後の子。子孫。後裔
漢字「裔」を持つ熟語    末裔、四裔、後裔、苗裔、




引用:「汉字密码」(P698、唐汉著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
  裔  会意文字である。 金文の裔の字の上部は「衣」で、下部は「同」の字である。両形の会意で おしりを覆う一種のロングドレスを示している。
小篆の「裔」の字は下部は「同」の字と少し離れ、楷書ではこの縁で「冏」で、裔とかく。

 


漢字「裔」の字統(P45)の解釈
 会意文字である。 衣を衣かけの上にかけた形。 下部の経路 説文では 声符とするが、音が合わない 。 また冏は 商、橘 などの字形からも知られるように、その上に物をたてあるいは載せるための台座であって声符とすべきものではない。裔においては それを衣桁に立てる台である。

 筆者にはこの説明が一番まともに見える


まとめ
 会意文字であるようだが、漢字は昔の人々の生活様式を知る重要な手段でもあるのです。



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