ラベル の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2021年10月4日月曜日

漢字「裔」の由来:衣+冏から成る。冏は衣立てという説あり。 先祖の衣を衣立てに立てた子孫・末裔を意味す


漢字「裔」の由来:先祖の衣を衣立てに立てた子孫・末裔を意味す


漢字「裔」の楷書で、常用漢字です。
 上部は「衣」で語義は、衣そのものです。

 裔」は血統や血筋を表す言葉でありますが、この漢字そのものは金文の時代に始めて現れたようです。たしかに着物を代々引き継で行くという発想は、生活が世代を越えて安定して営まれる社会でないと生まれないと考えられます。
  1. 社会が世代を超えてなんていしていること。
  2. 物質的にもゆとりのある社会であることである


 右の文字は、金文の「嬴」です。なんと難しい漢字ですが、裔と同じ読みであることから遊び心で列記してみました。因みにこの意味は、余る、集まるという意味だそうです。
    
裔・楷書嬴・金文



 上部は[衣]で、まぎれもなく衣装を表している。古代の着物はどの様に着られて居たのか、漢字からでも推量することができます。この「裔」という漢字は衣立てに立てた着物を表すというが、この「衣」という字をよく眺めてみると、右前に書かれています。太古の昔、左前は夷狄の風俗とされ、蔑まれていたとのことです。それと区別するために右前に着るようになったという説もあります。このように、漢字は昔の人々の生活様式を知る重要な手段でもあるのです。
裔・金文
衣と冏(光、明亮)から成る
裔・小篆
金文が、文字として整えられた。





「裔」漢字データ
 

漢字の読み
  • 音読み   エイ
  • もすそ

意味
     
  • 血筋の末。子孫。後裔。
  •  
  • 着物のすそ。もすそ。
  •  
  • 木の枝などの先端。末端。

漢字「裔」の同義語     後胤:数代の後の子。子孫。後裔
漢字「裔」を持つ熟語    末裔、四裔、後裔、苗裔、




引用:「汉字密码」(P698、唐汉著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
  裔  会意文字である。 金文の裔の字の上部は「衣」で、下部は「同」の字である。両形の会意で おしりを覆う一種のロングドレスを示している。
小篆の「裔」の字は下部は「同」の字と少し離れ、楷書ではこの縁で「冏」で、裔とかく。

 


漢字「裔」の字統(P45)の解釈
 会意文字である。 衣を衣かけの上にかけた形。 下部の経路 説文では 声符とするが、音が合わない 。 また冏は 商、橘 などの字形からも知られるように、その上に物をたてあるいは載せるための台座であって声符とすべきものではない。裔においては それを衣桁に立てる台である。

 筆者にはこの説明が一番まともに見える


まとめ
 会意文字であるようだが、漢字は昔の人々の生活様式を知る重要な手段でもあるのです。



「漢字の起源と成り立ち 『甲骨文字の秘密』」のホームページに戻ります。