2021年1月18日月曜日

漢字「間」の由来:古代の「間」の字は「門」の中に月であった。門の中に月(肉を意味する)を置いて祈祷した名残りだろう


漢字「間」の由来:古代の「間」の字は「門」の中に月であった。門の中に月(肉を意味する)を置いて祈祷した名残りだろう

引用:「汉字密码」(P261、唐汉著,学林出版社)
 间は間の簡体字であり、会意文字である。金文の間の月が門の上にあり下は門である。月光が2枚の開き扉の間から差し込んできている様を表示している。本義は隙間ということだ。小篆は将に月が門の上から、中に移っている。楷書では簡単化の過程でJianと読み、间と書く。説文は解釈して隙なりとする。





漢字「間」の字統の解釈
 正字は門構えに月に作り、門と月に従う。「説文」に「隙なり。門と月に従う」とする。この字(古文)は仆に従う形で、卜の字形を含んでいる。この古文の字は、門中に肉をおいて祀り、安静を祈願するいみ。

ただし何れの解釈でも、月が日にどうして変わったのかの説明に乏しい。


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2021年1月17日日曜日

「震」の起源:雨と辰からなる。辰は蜃(ハマグリ)の初文で、ハマグリの挙動が地震の予兆に用いられた?


「震」の起源:雨と辰からなる。辰は蜃(ハマグリ)の初文で、ハマグリの挙動で予兆に用いられた
 1月17日は阪神淡路大震災のあった日だ。私もそのとき神戸にいたが、その強烈な揺れに恐れおののいたものだ。

 地震の震は漢字で雨+辰とかく。雨は気象現象を表す一種の記号だが、その下の「辰」は蜃の象形であり、且つ初文である。
 蜃はハマグリの意味で、昔はその動きを占いに使ったという。地震の予兆に蛤が使われたな残りが漢字として残っているのだろうか。


引用:「字統」(P477、白川静著,平凡社)
字統の解釈
形声 声符は辰。辰に振動の意味あり。辰は蜃の象形で、蜃の状態によって卜う方法があり、振動・震驚のことをも蜃が予兆した。《説文》に「霹靂、物を振はすものなり」とあり、霹靂とは擬声語で雷鳴をいう。
ここでいう蜃はハマグリのことを言う。声符は辰。辰は象形で蜃の初文。その肉は呪的な意味を持つものとして、祭儀や予兆のことに用いられた。


まとめ
 「震」の起源:雨と辰からなる。辰は蜃(ハマグリ)の初文で、ハマグリの挙動で予兆に用いられた。古代人はハマグリの動きで地震の予兆を占っていたのだろうか。近代になっても、鯰が暴れたら地震が起こるという予兆現象が語り継がれているが、3500年前と大して代わりのないことをやっているものだ。人間の進歩はあまりないのだろうか。


参考ページ
 地震は単に東北地方だけではなく、日本のすべてを揺り動かした:震の語源と由来


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