漢字・降の成り立ちから何が分かる:単に上下を表しているのではなく、本来は天や神など人間を超越した事象を表現しようとしたのではと思われる
現代では「降」は昇降のように昇と共に使われることが多いように見え受けられる。しかし漢字の成り立ちの観点でいえば降に対応する漢字でいえば、登において他はないと思っている。それは甲骨文字などの古文字にはっきりと示されている。
しかし、文化は絶えず変化し発展する。いつまでも甲骨文字や古文字ではあるまい。しかし人間の認識を変える「何時か」があったはずだ。漢字考古学の使命は、その謎を解明することだと思う。
「降」の漢字データ
引用:「汉字密码」(Page、唐汉著,学林出版社)
現代では「降」は昇降のように昇と共に使われることが多いように見え受けられる。しかし漢字の成り立ちの観点でいえば降に対応する漢字でいえば、登において他はないと思っている。それは甲骨文字などの古文字にはっきりと示されている。
しかし、文化は絶えず変化し発展する。いつまでも甲骨文字や古文字ではあるまい。しかし人間の認識を変える「何時か」があったはずだ。漢字考古学の使命は、その謎を解明することだと思う。
漢字「降」の楷書で、常用漢字です。右には「登」の金文を参考のために表示しておきました。現代の漢字では、一見何の関係もないような「降」と「登」。古文字の成り立ちを見ると「降」と「登」の文字の構造は非常によく似ているのが分かります。 降の甲骨文字では、左側に神梯が書かれており、その神梯を降りる(逆向きの足跡が二つ書かれています。これは神梯を降りることを表したものにまぎれもないことと思います。 | |
降・楷書 |
「降」・甲骨文字 左の神梯に二つの逆向きに足跡が付けられている |
「降」・金文 甲骨文を引き継いで、少し洗練されたものとなっている。 |
「降」・小篆 甲骨も金文のいずれの要素も文字らしく形が整えられている |
「降」の漢字データ
漢字の読み
意味
漢字「降」を持つ熟語 降格、降雨、降下、降雪、降服
- 音読み コウ
- 訓読み お(りる)、お(ろす)、ふ(る)
意味
- おりる、高いところから低いところへ移る ・・自動詞
- おろす、高いところから低いところへ移す・・・他動詞
- 主に自然現象で、ふる、上から落ちてくる・・雨や雪、もの がふる。
- あと ・・・以降
漢字「降」を持つ熟語 降格、降雨、降下、降雪、降服
引用:「汉字密码」(Page、唐汉著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
「降」、これは会意文字です。甲骨文の「降」という言葉の左辺は、小さなはしごの素描です。古代のはしごは一本の木材に切り込みを入れ、人々はそれを使って上下に登りました。右側には足が逆さまに書かれています。それははしごに沿って降りることを意味します。金文の「降」という言葉は甲骨を受け継いでいます。社会の発展により、はしごの形が良くなり、シンプルなはしごの形が「阜」に進化し、言葉の意味が一歩に広がりました。 小篆から隷書への変化の後、楷書は「降」と書かれています。 「降」という文字は、下降と落下、つまり「上昇」とは逆に、人や物が高い位置から低い位置に移動することを意味します。
「降」、これは会意文字です。甲骨文の「降」という言葉の左辺は、小さなはしごの素描です。古代のはしごは一本の木材に切り込みを入れ、人々はそれを使って上下に登りました。右側には足が逆さまに書かれています。それははしごに沿って降りることを意味します。金文の「降」という言葉は甲骨を受け継いでいます。社会の発展により、はしごの形が良くなり、シンプルなはしごの形が「阜」に進化し、言葉の意味が一歩に広がりました。 小篆から隷書への変化の後、楷書は「降」と書かれています。 「降」という文字は、下降と落下、つまり「上昇」とは逆に、人や物が高い位置から低い位置に移動することを意味します。
漢字「降」の字統の解釈
会意文字:阜とコウに従う。阜は神の上り下りする神梯の形。コウは歩の倒文で、こうは下るときの足跡。
会意文字:阜とコウに従う。阜は神の上り下りする神梯の形。コウは歩の倒文で、こうは下るときの足跡。
まとめ
会意文字であるようだが、甲骨文字にせよ、金文にせよ、まるで象形文字であるかのように生き生きとした人々の姿が描写されている。文字の形に簡略化し、無駄を省いたデッサンとなっており、実に素晴らしい記号化、抽象化がなされていると思う。
会意文字であるようだが、甲骨文字にせよ、金文にせよ、まるで象形文字であるかのように生き生きとした人々の姿が描写されている。文字の形に簡略化し、無駄を省いたデッサンとなっており、実に素晴らしい記号化、抽象化がなされていると思う。
「漢字の起源と成り立ち 『甲骨文字の秘密』」のホームページに戻ります。
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