漢字「福」は、酒を神に捧げ祈り幸せを願うことです
日本では古来より、酒を神聖なものとして捉え、神事を執り行うときには酒をお神酒として捧げ祈ることが行われてきました。中国にも同じような考え方があり、昔から豊穣のしるしとして、酒を飲んで神に感謝することがあったようです。
漢字「福」は、酒を神に捧げ祈り幸せを願う行為の一環として酒は親しまれてきたのですが、この世の中のには、酒におぼれ暴走する人びとが跡を絶ちません。
それはさておき、漢字というものは生まれてから時が経つにつれ、概念が次第に乖離し新しいものに変質するものであることを示す証拠がこの「福」という感じのような気がします。
引用:「汉字密码」(P824、唐汉著,学林出版社)
漢字「福」は、酒を神に捧げ祈ることです
「福」は会意文字です。甲骨の言葉「福」は左右の構造から成り立っている。左側は神のメインシンボル的なものを表す「示」、右側は酒器を表す「酉」です。
酒は豊かな生活を象徴しています 完全に、狂気の状態で人々を熱狂させる一種の幸福な感覚にさせることができるので、ワインで祖先と神霊を祀ることは、福を乞い神に報いるという福の二重の意味を持っています。
金文の「福」という言葉は、甲骨文字に似ており、小篆は将に酒器を縦に割った形です、楷書はこの関係で福と書きます。
漢字源の解釈
会意兼形声。神の恵みが豊かなこと。ネ偏+畐(酒を徳利に豊かに満たした様)の会意文字で神に酒を満たし感謝し恵みを願うことを言う。結び
漢字「福」は、酒を神に捧げ祈り幸せを願うことです。漢字というものは生まれてから時が経つにつれ、概念が次第に乖離し新しいものに変質するものであることを示す証拠の一つがこの「福」という感じのような気がします。 これ以外に「宴」という漢字などのように原義と乖離した使い方がされているのも少なくありませんし、漢字の面白いところは将にそこにあると思います。
漢字「柳」と楊:柳行李は楊行李とは書かない。それは「柳」と「楊」は違うからだ
柳行李は楊行李とは書かない。それは「柳」と「楊」は違うからだ。では漢字の「柳」と「楊」はどう違う?
今ではほとんど見かけなくなった柳行李ですが、コリヤナギというヤナギ科の落葉低木の皮で編んだ衣装ケースのことです。ほんの50年間には日本のどこの家にも見られたものです。
比較的安価で通気性にも優れ、軽いので運搬するのにも適していたために、日本では長く用いられてきました。
歴史は古く、奈良時代にまで遡るそうです。
背がそれほど高くないために、川べりや街路樹として用いられました。また、諺として「柳の下に泥鰌は居ない」などがあり、一度うまくいったからといって、再びうまくいくとは限らない」という意味に使われます。
上の画像は、ウィキペディアからのものです。
引用:「汉字密码」(P160、唐汉著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
「柳」は「卵、木」から構成された字です。 「卵」は、象形文字で、胎盤からの胎児の分離を意味しており、オブジェクトのさまざまな部分の動作を指します。 柳の木の枝は柔らかく、きれいに整えられて垂れ下がっていますが、それぞれが風に揺れます。 したがって、人々は「木」と「卵」を使用して「柳」という言葉を作成しました。
「柳」(Goo国語辞書参照
ヤナギ科ヤナギ属の落葉樹の総称。一般に湿地に多く、低木または高木で、葉はふつう互生する。雌雄異株。主に早春、花が穂状か尾状につき、種子は白毛があって風で飛び、柳絮 (りゅうじょ) という。街路樹や庭園樹などにされ、材は器具・薪炭用。コリヤナギ・ネコヤナギなど多くの種があるが、葉の細長いシダレヤナギをさすことが多い。
唐漢氏の解釈
「杨ヤン」の繁体字は「楊」です。
「楊」(ヴィキペディア参照)
枝が立ち上がる種類(ネコヤナギやイヌコリヤナギなど)のことをいう。落葉性の木本であり、高木から低木、ごく背が低く、這うものまである。
葉は互生、まれに対生。托葉を持ち、葉柄は短い。葉身は単葉で線形、披針形、卵形など変化が多い。
雌雄異株で、花は尾状花序、つまり、小さい花が集まった穂になり、枯れるときには花序全体がぽろりと落ちる。ただし、外見的には雄花の花序も雌花の花序もさほど変わらない。雄花は雄しべが数本、雌花は雌しべがあるだけで、花弁はない。
結び
以上「柳」と「楊」の違いを見てきたが、感じは確かに違うが、実際には、かなり混同して使われてきたようだ。漢字には生まれは違っても、使われていくうちに、混同されたり、あるいはまったく別のものになったり、漢字がまるで生き物のように見えることがある。
柳と楊、赤と紅など感じは違うが同じような意味を持つ漢字がいくつかあります。今後少しずつ違いをはっきりしていきたいと思います。