2011年11月7日月曜日

漢字「姓」の起源と由来:古代が母系制社会で、女性を始祖とする社会を示している。

会意文字であり、母系制氏族社会で、一人の女性を始祖とし後代まで広がる社会を示している。

「姓」という漢字は古代が
母系制社会であった証左
 甲骨文字の「姓」の字の左辺は女という字で、旁は草木の発芽成長の記号から出来ている。両形とも会意文字であり、母系制氏族社会で、一人の女性を始祖とし後代まで広がる社会を示している。

 金文の「姓」という字では、右辺の字の符号の中の短い横棒と左辺の女偏が人偏に代わっている。このことは、この時期に社会が既に男性の権力の時代に入り、母系制氏族制度が転覆していたことを表明している。小篆の「姓」という字は女と生に回復しているが、これは社会が母系制に回帰したことを示すものではない。

  古代社会では平民と奴隷は皆姓を持ってなかった。ただ貴族のみが姓を持っており、姓の権利が独占されていた。この為にこの時代、「百姓」という言葉は百官を指していたが【即ち百(多く)の姓で代表される貴族という意味】、平民でも姓氏を持つ様になって、「百姓」という言葉は一般庶民を表示するのに用いられるように変化した。
 

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2011年11月5日土曜日

「妻」という漢字 婚姻という甘い言葉の陰に女性の厳しい現実

漢字[妻]の起源と由来:甲骨文字では、女の傍に手を付け加えている。
「妻」の字の変遷
女性がセックスの後髪の乱れを整える様
 妻は婦人と夫が一緒に住む者をいう。甲骨文字では、女の傍に手を付け加えている。これはセックスの後女性が乱れた髪を整える様を表し、男女がセックスをすませた後、女が髪を直す有り様を表現している。

 これは余りに世俗的な解釈で、もう少し帰納的な検討が望まれる。


金文と小篆では「又で示される手」を女子の髪の中に差し入れている状態を示し、後に配偶者を示すようになった。

 本来妻は女性が性交後、男との関係が実質上変わることをいう。
 後に王権父系制が徹底的に実現され、婚姻の形態が変わり、妻の語義が変化し、性の関係の意味が女子の人の妻としての意味に変わって、女性が関係を持った男子と終生随伴するという意味を持つようになった。このように漢字の変化は、社会の役割と身分の変化を示している。
 
「妻」という漢字に込められた女の厳しい現実と更なる考察


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