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2010年6月8日火曜日

漢字「合」の由来と起源

  近頃、ニュースなどでよく聞く言葉は「日米合意」である。合意というのは双方がお互いの利益を認め合う成文もしくは不文の了解事項である。そこでは条約と違って、お互いの平等互恵という側面が重視されるのかもしれない。「不平等条約」はあっても、「不平等合意」というのは聞いたことがない。どんな国でも、不平等なことをわざわざ「合意」しない。

 さて、前置きが長くなったが、今回は合意の「合」の漢字に焦点を当ててみたい。
 これは会意文字である。甲骨文字、金文、小篆でも、構造的には同じで、上部の「A」の形は男性の生殖器の省略形であり、下部は女性生殖器▽の異形の口である。

両形の意味が合わさって、男女の性のつながりを表し、性交、合歓を表す。

それから拡張され、一般事物の符合、集合、会合など物体間のくっつき合うことを表すように用いられて来た。
唐漢氏によれば、「合」のもともとの意味は性交そのものであることになる。

これに対し、日本の白川静先生などは「合」の下部の口の記号は「サイ」を意味し、神のお告げを入れる入れ物だと解釈されているので、「合」全体の解釈も自ずと変わってくるだろう。

  ここで映画「ダビンチ・コード」を見られた方は思い出すだろうが、主人公が聖杯の秘密を解明するくだりで、「山の形は男を現し、V字形のものは女性を表すのが世の中の一般的な表記法だ」という箇所がある。この解釈は万国共通のようにも思えるが・・。文字や符号が生活実態を反映したものか、抽象的な概念である「宗教・神」を反映したものか、さらなる議論が必要だろう。

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