漢字の成り立ちと由来:漢字「桃」はなぜ木と兆から成る?
3月3日はひな祭り・桃の節句、桃の節句の起源と漢字「桃」の成り立ちの陰には何があった?
桃は邪気を払う呪力がある縁起のいい「仙木」とも呼ばれていました。
3月3日は「ひな祭り」またの名を「桃の節句」といい、女の子の健やかな成長を願うお祭りとして定着しています。なぜ3月3日ということについては、古代中国の陰陽道では、1・3・5・7・9の奇数が重なる日に、お供えやお祓いをする風習があったことに端を発しています。3月3日の上巳(じょうし)がそれに当たります。
これとは別に、日本の公家社会には「ひいな(ひな)遊び」という幼い女の子の遊びがありました。平安時代の事です。この遊びが江戸時代になって武家社会の中で広まり、「ひな祭り」として定着したといわれています。
そしてこの旧暦の3月3日といえば、丁度桃の花が咲くころで、桃の厄除けに対する信仰が、女の子の健やかな成長を願う安全祈願と結びついて、「桃の節句・ひな祭り」が結合したものといわれています。
引用:「汉字密码」(Page、唐漢著,学林出版社)
桃の実は胡桃の種のように真っ二つに割れることからきている。
字統の解釈
形声。声符は兆(チョウ)。《説文》に「果なり」とあり、桃をいう。説文からの引用で、果実を主とする木の意である。中国の古典には、桃には祓うという呪能があるとされ、松や橘が吉祥とされるように、桃も呪能の強い木とされた。
桃には鬼神の祭祀には、その例を驚かせる怖れがあるとされた。
また、「桃には鬼の畏るるところなり」という記述もあり、桃の呪的な性質はのち多くの民俗の中に伝えられている。
漢字源の解釈
会意兼形声。「桃」は「木」+音符「兆」で、その実が二つに割れる桃の木。
桃の実の効能
桃の種は昔から漢方薬として重宝されていた。宋の時代の医学書「傷寒論」にも、桃仁(桃の実の堅い核の種)は婦人の病気に効能ありとされている。現在も、桃仁を使った桃核承気湯という漢方薬がツムラ漢方から発売されており、女性の血行を促進する薬として知られている。
参考ページ :中国人に最も好まれる木「桃」の起源と由来
「漢字の起源と成り立ち 『甲骨文字の秘密』」のホームページに戻ります。
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