2021年1月24日日曜日

地に堕ちたアメリカ! アメリカは合衆国、合州国のどちらの国名がお似合い? 


地に堕ちたアメリカ! アメリカは合衆国、合州国のどちらの国名がお似合い? 
アメリカは合衆国、合州国のどちら?
アメリカの新大統領はバイデンはようやく政権の座につくことができた。特に移行期間中トランプ支持者が議会に乱入・占拠した有様を見て、世界中の人びとが驚愕したことだろう。私もその一人だ。

 「なんだ!この有様は?目を疑い、失望し、実に情けなく感じた。世界の自由と民主主義を標榜した国が・・。こんなどうしようもない国だったのか?こんなどうしようもない国に振り回されてきたのかと思うと、自分たちの不甲斐なさに情けなくなった。殆どの責任はトランプが負わねばならないとしても、アメリカの少なくとも7100万人の人びとがトランプに追随し、彼の撒き散らすデマと口車に乗っかり、彼を支えてきたのも事実だ。

 そのアメリカでは、銃を撃つ自由を叫び、ある口実が付けば、いともたやすく殺人すら可能だ。マスクをしない自由は、他人に病原ウイルスをばら撒く自由にも繋がっている。自由を守れと、他国に侵略する自由を叫ぶ。核兵器から自国民を守ることを口実に、世界中に核兵器でにらみを利かせる自由を主張する。これが『もう一つの真実だ!』

実態から見て、アメリカの国名は「合衆国」と「合州国」のどちらが相応しい?
  アメリカの国名は「United States of America]だ。その政治機構は独立性の高い48の州から成り立った連合国家だ。従ってこの日本語の呼び名は「アメリカ合州国」の方が正確ではないかと思っていた。しかし特に大統領選挙の中で見せたトランプの挙動とトランプ支持者の妄動を見て、今のアメリカは日本の呼び名の「アメリカ合衆国」が最もふさわしいと感じた。ここでいう「合衆国」の「衆」は烏合の衆の「衆」だ。
 なぜ合衆国となったかについては、以下の論文に考証されています。これによると、清朝とアメリカの条約締結時に「合衆国」と定められたとある。
「なぜ United States を合衆国と訳したのか」(高原正之、大正大学研究紀要104号)


引用:「汉字密码」(P352+P293、唐汉著,学林出版社)
漢字「衆」の起源と成り立ち
 衆は会意文字である。甲骨文字の形は上下結びついた構造をしている。上半分は「白」の形で目標あるいは目的地を示している。下半分は三個の人が組み合わさった形である。両形の合意で多くの人が同一の目標に向かって行進していることを表示している。衆の形は歴史上大変大きな変化をしている。
  金文では甲骨文字の白が眼に変わっている。小篆では上半分はさらに横に書いた「目」に変化している。 楷書の繁体字の字形は上半分の横目はもう一歩変化し皿になっている。下半分の3人の人は字形とは見分けが難しく変化している。簡体字になって众と書き、3人の人を表し、簡潔明瞭になった。「衆」の字のの本義は多くの人が同一目標に向かって進むことである。3人が一つの目標を見つめるということでも問題はない。それとも3人が敢えて地の同盟を結ぶということでもある。すべて衆人の意味である。「大衆、群衆、聴衆、観衆」などの言葉の中の「衆」の字の髯は皆多くの人を示している。

漢字「州」の起源と成り立ち
州は象形文字である。甲骨文字の州の字の上に小さな丸い点が加えられている。これは泥や砂が堆積し小さな陸地になっていることを示したものだ。このことより州の本義は水中の陸地のことだ。説文は州とは水中で人がすむことのできるもので、周りは水だ。その説と甲骨文は完全に符合している。

 行政区画と水中の陸地の両種の区別のために、後の人は州にサンズイを加え、「洲」を亚洲、美洲、欧洲、北美洲、南美洲、大洋洲、南极洲 "のように水中の陸地とし、大陸と付近の諸島と区別した。周囲は皆大海で、洲を表示させた。

 一方「州」は行政区分をチベット自治州や揚州のように表示するのに用いた。



まとめ
  「アメリカ合衆国」と国際的に定式化されたのは清朝の末期のアヘン戦争のあったころだ。
 今更呼称を変えようもないが、残念ながら今のアメリカには自由と民主主義を主張する権利も資格もない様に思ってしまう。資本主義の終焉が叫ばれている中、アメリカが以前の力を取り戻し、国際的な威信を取り戻す日が来るのだろうか。

 そんな日が来るか来ないかにかかわらず、これからの世界は大変な時代に突入したような気がしている。

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2021年1月23日土曜日

漢字「喜」の成り立ち:鼓を打って神を喜ばせる意。神を喜ばせることが、ごちそうを供え、音楽を奏して大衆自身が喜ぶようになった


漢字「喜」の成り立ちと由来:「壴」は台の付いた器にうずたかく食物を盛って飾りつけた様
 昔から大衆的に喜びを表現するのには、太鼓を打ち鳴らし、ごちそうを食べ、踊るのが定番であった。
 しかし、それは最初の形態は神に祈り、神に対する感謝であったはず。それが、自分の喜びでもあったろう。いつしか神の感謝と大衆の喜びが分離し今日の形となったのは自然の成り行きであろう。神の存在が人々の心から消え去るとき、漢字はどんな変化を遂げるであろうか。



引用:「汉字密码」(P807、唐汉著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
「喜」、これは会意文字です。甲骨の碑文「喜」は上下の構造が結びついており、上部は「壴」(太鼓をまっすぐに立てた形)、つまり「太鼓」の絵文字であり、下部は口です。つまり、口はドラムの音に倣っています。古代文献《礼记•乐记》曰く、凡そ音が発するところ、人の心が生まれるもの。心が動いて、物を然るべくする。物に惑い動くので、声が形づくられる。」


漢字源の解釈
  会意文字:「喜」は「壴+口」からなる。「壴」は台の付いた器にうずたかく食物を盛って飾りつけた様。または鼓の左側と同じと考え、飾りつきの太鼓を立てた様とも解する。「喜」は「壴+口」。ごちそうを供えまたは音楽を奏してよろこぶことを示す


字統の解釈
 会意文字「喜」は「壴」と口に従う。壴は鼓、口はサイで、祝禱を収める器。神に祈り、鼓を打って神意を喜ばせる(楽しませる)意である。神に祈ることが原義。すなわち神楽であって、人が喜笑する字ではない。


まとめ
 「喜」の原義は、鼓を打って神意を楽しませる意である。最初は神に祈り神を喜ばせることが目的だったかも知れない。しかし、殆どすべての祭祀の例に漏れず、神に感謝したり神を喜ばせることがやがて、民衆の楽しみと宗教的な色彩が分離し、ごちそうを供えまたは音楽を奏して自分自身の喜びを示すようになったものであろう。

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