2019年1月26日土曜日

大阪は元々「大坂」だった。では大阪という漢字はいつから?


漢字「坂・阪」の起源と由来
 大阪は江戸時代以前には、「大坂」と書いていた。大坂の「坂」の字を分解すると「土に反る」と読めてしまい縁起が悪いということから、江戸時代のころから「大阪」とも書くようになったということです。

 ところで、大坂選手は全くすごい人です。まだ若いにも係わらず、テニスの世界のトップに上り詰めました。心から祝福したいと思います。彼女の試合を見ていると、あまり「やったる」という気負いが見出されません。実際はものすごいプレッシャーと戦っているのでしょうが、それをあまり感じさせないというのは、大きく成長した結果でしょう。 
 彼女の姓の中の「坂」という字には、這い上がるとか、手で反らせるという意味があります。どんな状況でも、条件をはねのけ、這い上がるという今の彼女がまさに名前の中にDNAのように刷り込まれているのかも知れません。


テニス界の快挙、大坂選手、全豪オープン優勝。錦織も奮闘!!
 甲骨文字の時代は、「阪・坂」という文字はなかったのかも知れない。
 大阪は江戸時代以前は、テニスの大坂選手の「坂」という字を使っていた。
 今日の毎日新聞の「余録」の記事だ。それによると、昔は大阪と言わず大坂が一般的だったという。小堀遠州も、「大坂時代」するよう、進言をしていたという話。

「思いつき雑記帳」というブログによると、

漢字の表記は当初「大坂」が一般的でしたが、大坂の「坂」の字を分解すると「土に反る」と読めてしまい縁起が悪いということから、江戸時代のころから「大阪」とも書くようになり、明治時代には大阪の字が定着しました。
とのことです。これで納得です。

引用:「汉字密码」(P315、唐漢著,学林出版社)
「坂・阪」の字の成り立ち」
 「坂・阪」という字は、昔は「坡」と書いていたのかも知れない。説文の時代になって、以降「坂」と書くようになったのだろうか。  坡は一般に地勢が傾いた場所を指す。明代の詩人施武《相见坡》で「上坡面在山 , 下坡山在面, 相见令人愁, 何如不相见。」その中の坡は山の傾斜するところを指している。「山坡、坡道、一面坡」の言葉もある。
 《说文》では解釈して、「坡乃ち阪なり」としている。土と「皮」の発声からなる。
このような文字を分解して解釈する手法は難しい部分がある。宋の時代の中国の有名な二人の問答が面白い。
 王安石の《字説》の中で、波は水の皮と解釈している。たまたま訪れた蘇東坡が冷やかして曰く。もしそうなら、「坡」は土の皮かと。



引用:「字統」(P698、白川 静著,平凡社)
「坂・阪」の字の成り立ち」
 「坂」:声符は「反」。「反」には、攀援、よじ登るの意がある。「説文」では、「坡なるものを、阪といふ。」と説明しています。因みに、この阜偏は「阜」と書き、階段を意味するものでした。







漢字源の解釈
 漢字源では:阪という漢字は「会意文字兼形声文字」であるとしています。「反は反り返って弓形に傾斜する意味を含むとしています。「坂」は「土+音符反(そりかえる、傾斜する)」
 また「反」の項目では、会意。「厂+又(て)」で、「布または薄い板を、手で押して反らせた姿。」と解説しています。

 

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2019年1月22日火曜日

火器管制レーダーの照射の「照」という漢字に隠された本来の意味は何??


漢字「照」の起源と由来
 元々「照」という字は、お招きした客人を玄関で、トーチを手に持ってお迎えする云わば「接待」の意味を持つ言葉であった。
 それが、昨今新聞を賑わしている「火器管制レーダの照射」では、ずいぶん荒っぽい「御もてなし」をされたものだ。
 相手が誰であろうと、その人にいきなりライトを浴びせたことが本当だとしたら、それが火器でなくとも、失礼この上ないことで、理由のいかんを問わず謝ることが先決だと思うが・・。
 双方の言い分はあるだろうが、誰にとっても理解できる議論で、ここはオモテナシが殴り合いの喧嘩にならないように願いたいものだ。

引用:「汉字密码」(P325、唐汉著,学林出版社)
「照」の字の成り立ち」
 「照」、 "説文"は「語意は火、発声は昭だ」という。また、実際上金文の「照」の字は、左上の部分は火であり、下の部分は枝であり、トーチを握っている形です。右側は「召」の字で、もともと他の人たちを呼ぶことです。「呼びかけ」の言葉があります。二つの形会意で、玄関で招いた客を、トーチを持って、案内する情景です。表現は非常に適切です。


  小篆の言葉「照」は、変化して、トーチが輝いていることを示すために、「火の上に日があって」発光している火を表現しています。楷書から隷書への変容の過程で、左下部分の「火」を4つの点火に変化させ、併せて下部に移動し、「照」と書くようになったということです。


「照」は派生し、現代どんな使い方をされるか
 「照」の本義は火を使って照明することです。後日拡張され、日光が照射することに使います。
 現代の中国語では「日照、輝き、照明」という言葉があります。また様々に拡張され、「鏡や他の物の反射」させてできる像の意味や『对照、比照、心照不宣』の如く、「明察、洞察」の意味にも用いたりします。
 『照应、照顾』の如く、介護したり看護する意味にも使います。


 
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