2012年4月23日月曜日

漢字「皿」の起源と由来:上古の器皿の象形

甲骨文字は象形文字、金文では金偏がつき
材質を表す。
 「皿」は象形文字である。甲骨文字中の皿の字は将に上古の器皿の形である。金文の更に字には左に金偏が加わり、皿の材質を表示して、会意形声文字である。更に金へんには蛇足が付け加えられている。しかし古代の器皿は全てが金属製というわけではない。この辺りは少し疑問が残るところである。「皿は金属製より、陶器がずっと多かったのではと思うのだが・・。

小篆の形体は甲骨文字に戻っているため、金の字の旁はなくなっている。楷書では隷書化の後「皿」と書く。皿の字の本義は物を多く盛り付けた(液体であることもある)器具で、‘明"、"碟"、"杯"、"盘"の総称である。一種の総称で大体盛り付けの器具一切を指す。  

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2012年4月21日土曜日

「豆」の起源と由来:元々は脚の高い食器であった

 前回「食」の字の中に食器を表す「豆」が含まれていることを紹介した。今回はこの「豆」についてもう少し触れてみよう。
 今では日本でも中国でも「豆」と言えば、食べる豆のことを指す。しかし古代ではこれは、食べる豆ではなく、豆などを盛り付けた脚の高い食器を指していた。
「豆」元々は食べる豆ではなく
豆を入れる食器を現わしていた
 「豆」これは象形文字である。甲骨の文字の形体から見ると、「豆」は高い脚の皿である。中にこの高脚皿の中に付けられた物が表されている。金文と甲骨文字は相似である。ただ上部の横一線があるだけで、この一時期の銅豆或いは蓋を表示している。小篆と金文は相似であるが、真ん中の食物を表示していた横線が取り消され、楷書では「豆」と書くようになっている。
 「陶豆」は最初は新石器時代にみられた。商周の時代にはこの種は主食の盛り付けに用いられ、既に日常で常に見られる陶器になっている。1987年安陽の殷墓から出土した銅豆の中にも鳥の骨が発見されていることから、豆も肉を盛り付ける器であったとみられる。「豆」が日常食器となったことから黍の主食の盛り付けに用いられている。また「器皿」などの容量単位として用いられている。単位としては四升は一豆に等しい。
  豆類の植物の総称を豆とするようになったのは、一種の仮借の問題である。上古の豆類はと「菽」と書いた。豆は常々豆類が豆の上に盛り付けられた為に、人々は豆類を豆と称するようになった。

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