2012年1月12日木曜日

漢字「子」の起源と由来:上古先人は年代を数えることを人間の一生に込めた

十二支:上古古代先人は年代を数えることを人間の一生に込めて考えた
 「子」は十二支の中でも、最初に現れる干支である。唐漢氏はこの理由を「上古古代先人は年代を数えることを人間の一生に込めて考えた」と説明している。「子」に今日でいう「ネズミ」という意味がどこから出てくるのか、唐漢氏の説明の中にもない。今後の研究課題ともいえよう。

十二支の最初の「子」には、人間が
初めて生まれる姿を見た
「子」:象形文字だ
  「子」これは象形文字だ。甲骨文字の「子」は二つの書き方がある。 第一の文字は胎児が正に母体から生まれ出る時を表したものである。

  甲骨文字の第二の「子」の字は、会意文字である。甲骨文字中で肛門の象形文字である。これは借用で産門を表したものだ。上辺の短い縦線は胎児の産出を表す。

 金文の「子」字には2つの書き方がある。その一つは甲骨文字を受け継いでおり胎児の象形で、他のは胎児の振り回した両手と大きな脳みそを示している。既に胎嚢の中の胎児の形である。金文の構形はよく似ているが、但し降りてくるの意味は却って失われているが後の時代の人が上古の先民作字の意図が分からないままの一種の模写かもしれない。小篆の「子」は甲骨文字の第2の書き方を受け継いでおり、楷書ではこの関係から「子」と書く。

「子」の本義は子を産むこと
 「子」の本義は子を産む、即ち嬰児が産道から出生することだ。上古の先民は生れた子供に対し、十分観察し、当時の育産習俗に端を発し、男女が分け隔てなく等しく助け合える。そこで人の初めは、仮借を用いて、干支の第一番目で、上古の先民の育産生殖崇拝に対し顕示するばかりではなく、明らかに育産はこの過程は上古先民の心の投影である。その中で畏敬や切望の情は乏しくはなかった。


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2012年1月9日月曜日

女の漢字シリーズ:妾

  「妾」 これは今風にいえば差別用語かもしれない。確かに漢字の起源をひも解いてみるとこの漢字の発生そのものが女性にとっておよそ面白くない歴史過程を経ている。しかし、あえて言えば、このような歴史過程をきちんと検証せず、現在の価値判断の基準だけで物事を見ることは、歴史の背後のすざましい闘いを無視することになり、甚だしい歴史の誤認を生ずることになるだろう。
「妾」は部族間の争いで捕獲された女性や
金で買われた女性を押し並べて「妾」と呼んだ。
  「妾」この字は会意文字である。甲骨文字と金文の「妾」の字は、下の部分は皆ひざまずいた女人の形をしている。女性の頭の上には「辛」 の字がある。上古社会では部族間では常に戦いがあった。領土の争い以外は皆多くは略奪であった。相手方の氏族の女性を捕獲するのは、常に戦争の目的の一つであった。
 「辛」は捕虜を取り押さえておく刑具であった。「女」の上に「辛」を加えて、略奪してきた捕虜の女であることを示している。 
  例えば殷商の民族の先王と呼ばれる人の母親は「妾」であった。この上古社会では「母は子供で貴し」という鮮明な実例である。当然この類の女性もまた男子の性欲のはけ口の対象となった。文明が発展するにつれ女性の社会的地位が逐次低くなった。捕虜で連れて来られ、身分が低くなった女性を、正妻のある男が娶った女子や或いはお金を出して買ってきた女性や罪や罰で没収された女性たちを押し並べて「妾」と称した。 

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