漢字考古学の道:漢字の起源と人間の歴史を突き動かす源流を探る
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漢字「金」の歴史と未来への目に訴える問い
2011年11月21日月曜日
漢字「包」の語源と由来:胎児が胎嚢に包まれている状態を著す
漢字「包」の語源と由来:まさに生まれてくる胎児が胎嚢に包まれている状態を著す
「包」と「孕」の漢字はいわば兄弟。
「包」これは象形文字の甲骨文字と金文の字形は同じように、まさに生まれてくる胎児が胎嚢に包まれている状態である。小篆の字形の口は人の形の勺にかわり、中の「子」は「己」に変化して、勺と己の会意文字になった。しかし、依然として包嚢に包まれた胎児を表す。「包」は「胞」の初めの文字である。
これは「包」の字の左辺に「肉」を加えたもので(現代漢字では肉月偏である)、もっぱら「包」の字の本意を表す。即ち胞衣の中で既に形の出来た胎児で、まとめてこの構成で「同胞」とか双子などの意味の「双胞胎」等の言葉がある。
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2011年11月10日木曜日
漢字「若」の起源と由来:女が髪の毛を解くときを表す
一人の膝まづいた女性が髪の毛を直している様を表す
「若」:女が男と愛を交わす時、
自分の髪の結えを解いている様
甲骨文字の「若」は象形文字だ。まるで一人の膝まづいた女性が髪の毛を直しているようだ。金文の「若」は甲骨文を引き継いでいる。小篆の「若」の字は、草かんむりと右から出来ている会意文字である。楷書は之によって「若」と書く。
古語の中で「女は己を喜ばせるものの為に受け入れ、士は己を知る者の為に死ぬ」という格言がある。これは女は自分を好いてくれる人の為に装うということだ。しかし女性はどんなときにも、自分を好いてくれる人の為に装うのだろうか。 明らかに男と会うことを承諾した時、このように工夫を凝らして装うものだ。角度を変えていうと、女性はどんな時に頭の上に一杯挿した飾りを抜くのだろうか。明らかにただ愛をかわすために寝る時だけだ。
だから、「若」という字の起源は、承諾した後の髪の結えをぬき解き、頭髪をばらすことである。その本意は「承諾、応諾」ということである。発音は「うんうんはいはい」から来ている。
小林朝夫氏の「本当は恐ろしい漢字」(2007年、彩図社)の説明によると、「若」という漢字は、「神の真意を聞くべく、髪をふり乱して狂ったように踊りながら祈る巫女の姿」と解説されている。氏は日本の故事からこの話を引いて来ているのだが、この漢字が日本で出来たものなら、この解釈も当てはまるのだろうが・・。私には人の話を断定する立場にない。しかし、少し疑問を呈しているだけである。この話は白川氏の「字統」にそのまま見られることから、「字統」の孫引きかも知れない。
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