2011年11月5日土曜日

「妻」という漢字 婚姻という甘い言葉の陰に女性の厳しい現実

漢字[妻]の起源と由来:甲骨文字では、女の傍に手を付け加えている。
「妻」の字の変遷
女性がセックスの後髪の乱れを整える様
 妻は婦人と夫が一緒に住む者をいう。甲骨文字では、女の傍に手を付け加えている。これはセックスの後女性が乱れた髪を整える様を表し、男女がセックスをすませた後、女が髪を直す有り様を表現している。

 これは余りに世俗的な解釈で、もう少し帰納的な検討が望まれる。


金文と小篆では「又で示される手」を女子の髪の中に差し入れている状態を示し、後に配偶者を示すようになった。

 本来妻は女性が性交後、男との関係が実質上変わることをいう。
 後に王権父系制が徹底的に実現され、婚姻の形態が変わり、妻の語義が変化し、性の関係の意味が女子の人の妻としての意味に変わって、女性が関係を持った男子と終生随伴するという意味を持つようになった。このように漢字の変化は、社会の役割と身分の変化を示している。
 
「妻」という漢字に込められた女の厳しい現実と更なる考察


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2011年11月4日金曜日

漢字「魚」の起源と由来:象形文字、魚そのもの

秋は何と言っても秋刀魚の季節。秋刀魚の塩焼きは素朴ながらも絶品だ。日本の落語でも、「サンマは目黒」という御題でおなじみである。

 さてサンマは中国語で秋刀鱼と書く。因みに我々におなじみの魚は下のようになる。日本語のように一字でその名前を表すものは少ないようで、大体が鯛、竹荚、金枪のような修飾語が付き、全体で魚の名前を表すようである。その点獣の名前には牛、猪など一字でその動物を表すものが多いようで、その点からいっても中国では魚文化は日本ほど発達していない証拠かも知れない。

秋刀魚    秋刀鱼
鯛        鱼
鯵       竹荚鱼
鮪       金枪鱼

さて魚の漢字はどのようにしてできたのか。その由来を探ってみよう。


「魚」の変遷
甲骨文字の魚はちょうど絵の中の大きな魚である。頭と尾と背部にひれを持っている。小篆の尾鰭のわきの二つの点は水滴を表す。よく魚の形を表している。楷書は完全に4つの点になっている。簡体字ではこの4点は横棒一になっている。 

金文中の魚を表す味のある文字    "魚”の字は部首で漢字の中では「魚」と組み合わせて、全て魚と関係を持っている物を表す。



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