2012年4月17日火曜日

食文化の曙

  世界の料理と言えば、フランス料理、中国料理、日本料理と3つが並び称されるが、この中で歴史の最も古いものと言えば、言わずと知れた中華料理である。その最初の担い手は、漢字の生れるはるか前の新石器時代に既に火を使い陶器の調理器具まで作り出した華夏民族であろう。 
 「民食を以て天を為す」人類と飲食は共にあり、飲食は人類の創造、また人類の第一の生活要件である。

 「礼記・礼運」曰く、昔未だ火がなかったころ。草や木の食事、鳥獣の肉、その血を飲む。以降火を治めて利用した。

華夏民族の飲食文化は火に炙って焼き肉を食べ始めたが、飲食の本当の過程は調理器具と皿の発展が相まって成り立つものである。
   考古学の資料は新石器時代の早くから早くも我々の祖先は調理皿を作り、形状は乳房のごとき三本脚の一般的な高温陶器の出現があった。飢えれば食べる、多ければ捨てるという食事が変わった。更に重要なことは調理方法の改善を促進し、人々の飲食の内容が大きく豊富なものになった。殷商に至ると即ち漢字が作られる頃には調理器具のセットまで出来た。既に世界民族の林から独立を為し、華夏民族の飲食文化はすでに食べて飽き足らずの味を持っていた。  
 古代の漢字には、食器、酒器など非常に多くの漢字が残されている。今後食器や酒器についても振り返ってみたい。
 この点近代にいたっても、南太平洋諸島の民族の様に味に関する語彙が非常に貧しい文化と著しい対照をなしている。

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