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2018年10月5日金曜日

漢字「牙」の起源と成り立ち:犬歯からとった象形文字


漢字「牙」の起源と由来

引用:「汉字密码」(P421、唐汉著,学林出版社)

「牙」の字の成り立ち」
「牙」は即ち牙歯である。金文の字は、まるで上下に交錯し、突出した犬歯の形をしている。人の犬歯は門歯と臼歯の間にあって、尖った円錐形の形状をしている。俗称「虎の牙」という。このために漢字の縦長で横幅の狭い特徴に適応されている。金文の第2款は将にその縦置きになっている。小篆はこの縁から「」と書かれる。金文と比べ字の形は均整が整えられ形からの意味は既に不明瞭になっている。

漢字「牙」の使われ方
 古文中の「牙」は、多くの象牙やその工作物を指している。「牙尺、 牙板、牙管」の如く。人の歯に用いる時は、「爪牙、牙口」のように、もっと曖昧なことが多い。昔売買の双方が利益を取り合う人に、「牙子(仲買人)、牙俭」のように用いられた。現在ではブローカーや仲介といわれる。
 草木は発芽する「芽」には草かんむりを加えて、草木の芽の形が犬歯と同じ様な状態であることを示している。 


後書き
 昔、中国では仲買人のことを「牙子」と言ったそうだ。双方利害関係が食い違う中に入って、犬歯をむき出しにして激しくやりあう様を、この「牙子」という言葉はひったりと表現している。すばらしい表現力ではないだろうか。そのれ引き換え「仲買人」と言う言葉は一見上品になっているが、活写されていないという点で、曖昧になっていると言えるだろう。日常普段に使う言葉にもこのような類のものが数多くあり、知らず知らずに為政者に慣らされてしまっていることも多いことに気をつけるべきだろう。
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2018年10月4日木曜日

漢字「芽」の起源と成り立ち:芽は牙のようであることから来ているのか


漢字「芽」の起源と由来

引用:「汉字密码」(P134、唐汉著,学林出版社)

「芽」の字の成り立ち」
 芽は植物の種子の新芽を指す。または植物の葉や花が蕾を含みほころびを待つ最初の状態を指している。小篆の芽の字は草冠の字の頭と牙が組み合わさった字で明らかに形声字である。
 芽の字にどうして「牙」が用いて、その声符となしたのだろう。小篆、楷書の「芽」の字は構造は「互」によく似ているしLと¬が交錯した構造になっている。
 双葉がかみ合っていることから、草かんむりに音符の「牙」をとったという。因みのこの説明は「漢字源」、「字統」でも同じで、会意+形声文字という。


古人は「芽」と「牙」に何を見たか
 「芽」の字の声符は動物の牙をとっており、双葉の柔らかい新芽を表している。花の蕾もいわゆる固い形状も一緒に芽という。人々は常に芽胞というがこれは最初に出てくる葉や花の芽が牙のような形状をしていることからそういう。芽は通常植物の種子、葉、花の蕾の最初の状態を言う。また拡張して、事物のはじめの状態を「萌芽」という。

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