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2015年5月15日金曜日

漢字:「郭」の起源と由来 城邑に立つ高い建物とその影の合わせた字形

 ヨーロッパにおける城の変遷も面白いものがある。古代の城は、どちらかと言うと山城に近く、城というより砦といったほうがよかったとも言われている。しかも、その当時の城は戦闘能力が重視されていたために、窓が少なく、居住区が狭かったとのこと。
 それが時代が下るにつれ次第に居住性が強調されるようになり、最後は○○宮殿と呼ばれるような豪華絢爛たるものが出現した。
 それにしても、今まで見た城の中で最も美しいと感じたのは、ヨーロッパではやはりあのドイツの「ノイシュヴァインシュタイン城」であり、日本の姫路城である。
 左の写真は、成都から九寨溝に向かう途中、四川省松潘というところにある成都から約200㎞北にある所に立ち寄った匈奴の城「松州」の城壁である。この城は、漢の時代の建築と思われる。



引用 「汉字密码」(P728,唐汉,学林出版社)

漢字:「郭」の起源と由来 城邑に立つ高い建物とその影の合わせた字形
  郭は繁体字で「郭」と書く。原本は会意文字である。と甲骨文の金文の郭の字は造字の方法は「中、北、夜」の字と相似通っている。どれも元の事物とその影の合体したものである。図に示すごとく、この郭は即ち午後4,5時で、城邑の中の高くて大きい建物とその影の連体図形である。
小篆の郭の字は美観と毛筆で書くときの都合から、まさに連結部分が裁断され、完全に象形の味わいが失われた。また意味を区別するために右辺に「邑」が付け加えられ、楷書は郭と書くようになった。
 郭の本義は表示時間の名詞である。本来高くて大きい建築物の影から来ている。後日表示時間の意味は逐次消失し、城外の郭を表示するようになった。

 筆者にはこの唐漢氏の説明はしっくり来ないところがある。これを鏡像とは捉えないでなぜ影とするのか。確かに、これを影としなければ、時間の概念が出てこないのは事実だが・・・。

「漢字の世界の起源と源流を探る」のホームページに戻ります。
出来

2015年4月24日金曜日

漢字:「城」の起源と由来 高くて大きい城郭と「戌」からなり、両形の会意で防御用に作られた城堡の建築物を示している







引用 「汉字密码」(P728,唐汉,学林出版社)

漢字:「城」の起源と由来 高くて大きい城郭と大きな斧「戌」からなり、両形の会意で防御用に作られた城堡の建築物を意味している

  「城」の字は会意文字である。金文で城の字の左辺は「郭」の字の古文体であり、高くて大きい建築物を表し、城都の中を見渡し、また城を護る角楼のように見える。右辺は古文で「戌」の字であり、柄の長い大きな斧の象形文字である。そして両形の会意で防御用に作られた城堡の建築物を示している。 金文中の別の城の字は右半分の下辺に土を加えて、守護用の広大な土壁を強調している。

 小篆では変化の途中で角楼とその影響の合体図形がなくなり、又右半分の下辺の「土」が左辺に移動し、一個の土と成からなる会意兼形声文字となった。

城は守護の意味を持つ造字で城堡の意味である。説文では「城は以て民を護る」としている。城壁から意味が拡張され、城壁を護る場所を示している。即ち城市である。「史記・孫子呉起列伝」では、魏の文候は呉起を以て将となし、秦を攻撃し、五城を奪取した。古文中、城、郭と同時に言うときは、城は内城を指し、郭は即ち外城を指す。城郭と連用するときは広く城市を指す。

 それにしてもこの城という字は実に堂々とした風格のある字だと思う。


まとめ
 漢字:「城」とは高くて大きい城郭と大きな斧「戌」からなり、両形の会意で防御用に作られた城堡の建築物のことである

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