2026年3月2日月曜日

漢字「備」の原義は、現代風に言えば「軍備」

漢字「備」の原義は、現代風に言えば「軍備」


サブタイトル:漢字「備」の原義は、「軍備」だけにあらず

 近年安全保障が叫ばれ、とりわけ今年に入ってからは、憲法改正、武器輸出が叫ばれ、情勢の急変を感じます。
 軍備といえば、真っ先に中国の「孫子の兵法」が思い浮かばれますが、孫子は決して「備え」を軍備だけに矮小化はしていなかったようです。

     

導入

このページから分かること
  • 漢字「備」の持つ二つの意味
  • 「備」は軍備だけではない
  • 中国の軍師・孫子の警告



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まえがき

 最近、防災ということがよく言われます。防災の本来の意味は、「災害を防ぐこと」の意味です。しかし、最近では、意味が変化して、「災害を防ぐ」ではなく、「災害に備える」という意味に用いられることが多いようです。

 「備えあれば憂いなし」と昔から言われています。昔から備えることの大切さを説く戒めの言葉でもあります。昨今では、大事故になって原因を追究された時の逃げの言葉として、「想定外のことです」というのが流行っていますが、備えをしても、備えの想定を超えた事態の発生を言っていますが、実際には、事故のない範囲を想定したに過ぎない場合がありますから、十分な吟味が必要でしょう。

漢字「備」の今


漢字「備」の「漢字の暗号」の解釈

引用:「汉字密码」(P573、唐汉著,学林出版社)
 「」は「備」の簡体字です。 「備」は象形文字です。甲骨文字と金文の構造から、形状と用途から備が一種の矢立てと想像は難しくありません。「備」は矢を挿入するためのエビラです。中央に下向きに差し込んだの頭のある矢があります。「備」は、昔は日常生活で普通に使用されていたツールです。

 「小篆」の「準備」は変形されており、1つは「人」が偏に加えられており、もう1つは金文の「備」が変化して○となったことです。
 楷書の繁体字に借用された「備」はこれに基づいており、簡体字は「備」と备と変化しています。 「備」の本義は、箙に入れること



漢字「備」の漢字源の解釈

 会意兼形声。旁は矢を射る用意として入れた矢をそろえて入れた箙をあらわすとして、唐漢氏と同様の解釈。人偏が入っているのは、主役の事故を見越して用意のために揃えておく人の意。


漢字「備」の字統の解釈

 象形文字。箙の形としている。外を皮で覆って背負えるようにし、中は矢立の象形文字としている。これを負うことを備えるとした。

「備え」とは軍備だけにあらず

  近年安全保障が叫ばれ、とりわけ今年に入ってからは、憲法改正、武器輸出が叫ばれ、情勢の急変を感じます。
 残念ながら筆者は軍事には、全くの門外漢ですので、あまり発言権はありませんが、しかし戦後日本の国是にもなってきた『文民統制』の観点からいえば、その立場から今こそ、発言は必要と考えます。
 このブログページのタイトルは、「漢字「備」の原義は、現代風に言えば「軍備」です。これで真っ先に思いつくのは、中国の「孫子の兵法」です。
 『孫子の兵法』は、紀元前5世紀頃の中国で孫武によって記された最古の兵法書で、全13篇から構成されています。そこで、孫子の兵法を一応掲げてみました。
『孫子の兵法』では、戦わずして勝つことが最優先と覗われ、実際の戦闘だけではなく、外交、情報収集、経済、兵站、地形、農業ありとあらゆることへの配慮が求められています。
 過去の教訓からも短兵急なあおりは現に慎まなければならないでしょう。

孫子全十三篇で構成されています。 一覧は下記の通りです。 各篇では、戦争の準備から戦術、スパイの活用までが体系的に説かれています。
始計篇(しけい):開戦前の慎重な計画と勝算の検討
作戦篇(さくせん):戦争にかかる莫大なコストと早期終結の重要性
謀攻篇(ぼうこう):「戦わずして勝つ」ことが最善であるとする戦略
形篇(けい):不敗の態勢(守り)を固め、勝機を待つ構え
勢篇(せい):組織の勢いを作り出し、流れに乗って勝つ方法
虚実篇(きょじつ):敵の弱点(虚)を突き、強み(実)を避ける駆け引き
軍争篇(ぐんそう):有利なポジションを敵より先に確保するための機先を制する術
九変篇(きゅうへん):状況の変化に柔軟に対応し、利害の両面を考えること
行軍篇(こうぐん):地形の把握や敵の動きを観察する具体的な手法
地形篇(ちけい):6つの地形的特徴と、将軍が陥りやすい過失
九地篇(きうち):戦地の状況に応じた9つの心理状態と部隊運用
火攻篇(かこう):火を用いた攻撃の種類と、感情で開戦してはならない戒め


まとめ

 備えには大きくいって、「災害を未然に防ぐための手立て」と「災害が起こってからの対応の手立て」の二つの意味があると思います。天変地異は今までは、防ぐことが出来ないと思われてきましたが、近年の研究によればこの自然災害も、人類が生存活動を通して、引き起こした「人災」であるという結論に至っているようです。人類が引き起こしたものである限り、その責任は人類がどれだけ長い時間がかかっても責任を負わなければならないと考えます。

 そして、天変地異の自然災害に対する備えは、具体的には防災の手立てということになりますが、それでも、孫子の兵法の考え方に立てば、「その事象が起こらなようにする」のが、人間としての務めでしょう。地球が壊れてしまっていないうちにできることは、やり抜かねばなりません。


 
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2026年2月25日水曜日

漢字「疑」の成り立が現代に放つ教訓「疑いの気持こそ生き延びる力」


漢字「疑」の成り立から今に生きる教訓は「疑いの気持こそ生き延びる力」


サブタイトル:漢字「疑」に込めた古代人のメッセージを読み解きます

 「疑いの気持こそ生き延びる力」は、フェイクにデマ、中傷、脅しにタカリの情報が飛び交うこの世を生き抜くための心構え「流されないで、自分をしっかり見つめよ」
 
「疑」 「迷う能力を失った」とは、迷うことすら許されず、自分の意志で動くことが出来なくなった世界にあって、求められるのは逆説的であるが、「すべて疑ってかかれ!」という自己確立の姿勢だ。

音声プレイヤーの「▶」でお楽しみください。



漢字「疑」の楷書で、常用漢字です。
 甲骨文も、金文も一様に人が立ち止まり凝然として行く手を決めかねている様が生き生きと描かれている。まさに百聞は一見に如かずである
  甲骨文字では、本来「迷うこと」を表していた文字が、やがて金文、小篆と変化する中で
小篆に変化した『疑』の形を眺めると、そこには矢や子の姿が重なって見える。 偶然かもしれない。しかし文字は時代の無意識を映す鏡だとすれば、
  • これは、迷う能力を失った文明情報は矢のように飛び交う
  • 子どものように無防備に受け取る
  • 足並みを揃えて進む社会
の今まで見えてこなかった側面も持つようになったことを示している。

しかし本来「疑」は、進む前に立ち止まる姿だった。
かくして本来「迷うこと」だった文字が、やがて「まっすぐ進む形」に変わる。
これは迷う能力を失った文明という寓意にも読める。
「迷う能力を失った」とは、迷うことすら許されず、自分の意志で動くことが出来なくなったという意味である。

 この世は非常にややこしい!周りに流されることなく、しっかり自分の頭で見極めることこそ生き延びるための最大の力!

このことは。このブログでも追い続けてきた、「業の桎梏」そのものであると思っている。
 「業」については以下のページが詳しいのでご一読願いたい。
【漢字考古学】人間の「業(ゴウ)を優しく手なずける3つの処方箋」
疑・楷書




疑・甲骨文字
疑・金文
疑・小篆
  
疑・甲骨文字
人が後ろを向いて凝然と立ち杖を立てて進退を決めかねている様子
第2款・・道路を表す「符号」を追加して、意味をより明確にしている
疑・金文
甲骨文を継承し、左辺には牛の記号が付け加えられ、右辺下部に「足」を追加して、歩いていくことを意味しています
疑・小篆
金文では牛を探したものが、小篆では子供を探すさまが付け加えられている。人々の視点が農業から人間社会に変化したと考えられる
  




    


「疑」の漢字データ
 

漢字の読み
  • 音読み   ギ
  • 訓読み   うたが(う)

意味
     
  • うたがう (動詞)  本当かどうかあやしく思う
    迷う、ためらう  
    怖がる、不安になる
  •  
  • うたがわしい(形容詞)  本当かどうかあやしい  
  •  
  • うたがい(名詞)

同じ部首を持つ漢字     凝、擬、嶷
漢字「疑」を持つ熟語    懐疑、危疑、疑義、疑獄、疑心、疑惑




引用:「汉字密码」(Page、唐汉著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
 「疑」の本意は、惑わされることを指し、確定する方法がないことを言う。甲骨文の「疑」という言葉は、杖をもって出た人が左右うろうろと、道に迷い、どこに行けばいいのかわからないことを示しています。甲骨の別の書き方では、道路を表す「符号」を追加して、意味をより明確にしています。

 金文は甲骨を継承していますが、下部に「足」を追加して、歩いていくことを意味しています。加えられた「牛」は失われた牛を探すことを意味します。これにより、「疑い」という言葉の構成がより鮮明になり、金文の時期に農耕が重要な地位を占めていたことを反映してます。
 小篆は変化を遂げていく過程で、人が振り返った人の頭の形を「匕」とし、人の形の「大」は「矢」に変化し右の牛の形も変化して「子」になっています。次第に今日の楷書の「疑い」になります。

 「疑」とは

漢字「擬」の漢字源の解釈
 子供に心が引かれ、親が足を止め、どうしようかと思案する様

 「疑」と同様の意味を持つものに、「嫌」(うたがう)がある。こちらはこうではないかと気を回しておもう、悪い方へと連想する。今日われわれは疑うというと、こちらの意味に使うことが多いように思う。


漢字「疑」の字統の解釈
 象形文字 初文は「ヒ+矢」(ギ)人が後ろを向いて凝然と立ち杖を立てて進退を決めかねている様子で、心の疑惑している様を示す。後にまた足の形を加えて今の字形となったが、初形はかなり失われている。

説文の解説は既に字形の初形を失っている篆書の字形によっていうもので、そこから字形を解くことはできない。
 白川博士のいうところによると、山東の氏族に侯の図象と思われる亜字形中に、同じような字形は複合しているものが多数見つかっている。いずれも亜字形を伴う図象であるのは、このことから推察されるとその氏族の職掌が疑事を定めるなどの聖職であるからであろう。つまり文字や文書の真偽を確認査察する立場についていたのではないかということだ。これはある意味で重要な指摘で、漢にしろ、どの宮廷にしろ文字や文書の管理にはかなり神経を使っていたのではないかと推察される。最近の世界的な文書の改竄やデマ情報の拡散の風潮から考えても、興味深い。


漢字「疑」の変遷

漢字「疑」甲骨文字
漢字「疑」甲骨文字
 字統より参照した。最も古い疑いの文字で、人が道でどちらに行くべきか迷っている情景そのままで、素朴で古代人もこんなに考えていたのかと面白い。


漢字「疑」金文
金文
 文書や文字の真偽を専門に管理監督する部署があったと見え、同じような字形をかなり吟味したのではなかろうかと思わせるものが混ざりあっている。右を向いたり、左を向いたり、ひげを付けたり、かなり見ていて面白い。但し、これはあくまで筆者の推察であるが…。


漢字「疑」小篆

小篆
漢字もこの段階になると、試行錯誤も落ち着いてきて、いる。偏や旁もあまりあれやこれやと試したものはなくなってきているが、逆に甲骨も荷や金文にあった風合いが亡くなっている。




まとめ
 単なる思い付きであるが、漢字の生成時期はいくつかのステージに分かれると思っている。即ち、文字の創成期、文字の広範囲に使われる時代、卜文などで、権力に取り込まれる時代そして、完成期。思い付きが、確証になることを望む。漢字「疑」は、迷うと考えた方が原義に近い。いわゆる人を「うたがう」という意味では、「嫌」に近いようである。

 最後にもう一度繰り返す!! 
 この世は非常にややこしい!周りに流されることなく、しっかり自分の頭で見極めることこそ生き延びるための最大の力!





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2026年2月2日月曜日

被災体験から読み解く実践的防災!! 命を守る究極の回避策!


被災体験から読み解く実践的防災!! 命を守る究極の回避策!

                                                                                              
阪神淡路大震災を生き抜いた防災士が提言する防災
阪神淡路大震災を生き抜いた
防災士が提言する
最初の一撃だけは何としても回避せよ!!

「特設サイト公開のお知らせ」

 現代社会で、人間に降りかかる災害を細かく分析した「漢字ブログの番外編」として、
本気で防災を実践するためのハンドブック『災』の実践的再定義を作りました。
 スマホで動くので、家族でチェックしてみてください」と投稿します。


『災害』の被害を実践的に捉え直してみた

 「なぜ『災』という字は『火』と『川(くの字型)』から成るのか? それは古来、人間が抗えない自然の脅威を象徴していた。
 神戸で被災した著者が、30年経った今だからこそ伝えたい『命を守る覚悟』
 そして、このページの使命は、漢字に込められた古代の人々のメッセージを読み解き、古代から現代まで集積された豊富な知恵をヒントに、災害のリスクを回避し、軽減するために何をすべきかを明かにすることである。
 まずは身辺のチェックをして、危ないと感じるときはその場で方策をとる。あと回しにしない。準備が必要な時は必ずチェックリストに書き出しておく。



災害から生み出される逃れられない障害
 災害から生み出される被害には、実際の身体的傷害の他に様々な逃れられない障害、物理的な破壊、生活インフラの停止、心理的・経済的な負担、そして社会構造の歪みなど、多岐にわたるものが存在します。
 主なものとして、以下のような側面が挙げられます:

  1.物理的・機能上の逃れられない障害
  • 移動の制限と孤立:道路の崩落や浸水、土砂崩れにより、物理的に避難や移動が困難な状況に追い込まれます。
  • 生活インフラの喪失: 停電、断水、下水道の停止、通信途絶などにより、健康で文化的な最低限の生活が強制的に制限されます。

  2.経済的・社会的な逃れられない障害
  • 生活再建の壁: 住居の喪失に加え、修繕や再建に伴う膨大な費用、職を失うことによる収入源の絶たれ、二重ローンの問題などが、将来の選択肢を奪う足かせとなります。
  • 供給網の断絶: 地震や洪水によるサプライチェーンの混乱は、地域社会の経済活動を長期にわたって停滞させます。

  3.精神的・心理的な逃れられない障害
  • トラウマと喪失感: 大切な人や家、慣れ親しんだ環境を失ったことによる強い悲嘆(グリーフ)や、心的外傷後ストレス障害(PTSD)が、その後の前向きな行動を妨げる精神的な枷となります。
  • サバイバーズギルト: 「自分だけが助かった」という罪悪感が、被災者の心を長期間にわたり縛り続けることがあります。 環境変化によるストレス: 避難所生活や仮設住宅、見知らぬ土地への転居といった生活環境の激変は、日常的な不安や孤立感を生み出し、社会的なつながりから個人を切り離す制約となります。



 災害がもたらすこうした「目に見えない鎖」を解くためには、物質的な支援だけでなく、災害ケースマネジメントを通じた個別の生活再建支援や、DPAT(災害派遣精神医療チーム)などによる継続的な心のケアが不可欠です。


「災害」最近、毎日のよう地震や津波が襲う、火山も加え地球は壊れ始めている。わずか数千年間であるが我々は地球の環境を改編した責任を負っている。 果たすべき責任は唯一つ、地球の修復に手を貸すことである。「逃げ得は許されない」
音声プレイヤーの「▶」でお楽しみください。


導入




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まえがき

 地震のニュースが続くと、どうしても不安が胸に残るものです。日本に住んでいる以上、**「備え」と「心構え」**は自分を守るための大事な武器になります。 まずは“これだけ押さえておけば大きく違う”というポイントをまとめてみます。


1. 将来、自分はどのように生を全うするかの覚悟

「日本沈没」の紹介とレビュー

 ここでは、各論に入る前に、これから出くわすであろう様々な災害や、変動全体を俯瞰するという観点で、小松左京の「日本沈没」をざーと見直したいと思います。
この作品は2005年に初版が出されたということです。私は第1部、第2部の上下共に読み感動したのを覚えています。

参考書紹介:まずはこの緯冊からお読みください。
日本沈没 上 (小学館文庫 こ 11-1) 文庫 – 2005/12/6 小松 左京 (著)



この第2部では、日本列島沈没を逃れて、海外で、亡命(?)生活を送る人々のことが書かれています。いま日本に多くの外国人が移り住んでいますが、立場を変えてみると、これらの人々と「日本沈没」に描かれた日本人の姿とがダブって見えます。明日のわが身とも考えられないことと思い返しています。昔の小説のことでもあり、このようなラジカルなことは現実には考えにくいですが、昨今の地震の情報や、日本の経済状況、世界各地の紛争などを見れば日本人の身の上にも起こりうることと考えざるを得ないと思います。
 私はいたずらに人々の不安を煽り、施錠不安に導こうなどとは決して考えていません。むしろ日々平和であって欲しいと願っていますが、人々が心の底で、しっかりした覚悟を以て、ことに臨めば、逆に徒に風評やデマに流されないのではないかと考え、敢えて、厳しいことを提示しているわけです。

「日本沈没」の紹介とレビュー


第1部(上) ― 日本列島異変の兆候と発見
  • 深海潜水艇「わだつみ6500」のパイロット・小野寺俊夫と地質学者・田所雄介が伊豆・小笠原海溝付近を調査し、海底地殻の異常を発見する。
  • 田所は、日本列島の下にあるプレートが不安定化しており、列島そのものが沈降する可能性を直感する。しかし政府や学界は田所の説を相手にせず、彼は孤立する。
  • 一方で、全国で地震・噴火・地殻変動が頻発し、異常が徐々に表面化していく。
  • 小野寺と田所は、より確実な証拠を得るため再調査に向かう。
  • → 第1部上巻は「異変の発見」と「警告の始まり」が中心。

第1部(下) ― 科学的確証と国家レベルの危機認識
  • 田所の理論が次第に裏付けられ、政府は事態の重大さを認めざるを得なくなる。
  • 内閣は極秘裏に「D-1計画」を発動し、日本沈没の可能性を前提にした国家存亡レベルの対策を検討し始める。
  • しかし、国民には真実が伏せられたまま、災害は加速度的に拡大。
  • 小野寺は、災害の中で出会った女性・阿部玲子との関係を深めつつ、国家的危機の渦中に巻き込まれてく。
  • 田所は沈没のタイムラインを算出しようと奔走するが、事態は予測を上回る速度で進行する。
  • → 第1部下巻は「国家が危機を認識し、沈没が現実味を帯びる段階」。

第2部(上) ― 日本沈没の確定と国家崩壊の始まり
  • ついに政府は「日本列島の沈没が不可避」であると確定し、国民への公表を決断する。
  • 公表後、日本中でパニック・暴動・経済崩壊が連鎖し、社会秩序は急速に崩れていく。
  • 各国との移民交渉は難航し、日本人の受け入れ枠は限られ、国際政治の冷徹さが露わになる。
  • 小野寺は玲子と共に混乱の中を生き抜こうとするが、国家の崩壊は止められない。
  • 田所は沈没の最終的な進行速度を割り出すため、命を削るように研究を続ける。
  • → 第2部上巻は「国家崩壊の現実」と「日本人の行き場のなさ」が中心。

第2部(下) ― 日本の最期と日本人の未来
  • 日本列島は東から順に崩壊し、都市が次々と海に沈んでいく。
  • 国民は世界各地へ散り、国家としての日本は消滅する。
  • 小野寺と玲子、田所ら主要人物は、それぞれの立場で「沈みゆく祖国」と向き合う。
  • 国外に脱出した日本人たちは、新天地での生活に適応しようとするが、アイデンティティの喪失や差別など新たな問題に直面する。
  • 物語は、国家を失った後の「日本人とは何か」というテーマへと収束していく。
  • 終盤では、沈没の最終局面と、日本人の未来への希望が対照的に描かれ、壮大な幕を閉じる
→ 第2部下巻は「日本の最期」と「日本人の再生」がテーマ。

「日本沈没」に照らして自らの覚悟を決めておこう


2. 災害に直面して 日常から意識しておく「心構え」

“自分の身は自分で守る”という気持ちを固める

 阪神淡路大震災の時神戸の自宅で、経験したことを踏まえて以下のことを提案します。
 防災というと、すぐにヘルメットだの、防災リュックだのに頭がいきますが、何よりもまず、今この瞬間に何か起きたらどうすべきかを絶えず頭に置いて行動するべきだと思う。

防災用品:ヘルメット
防災用品紹介: 確かにその通りだが、しかし災害には備えは必要だ。
私は小さく折り畳んで収納できるヘルメットを常時携行している。

DIC IZANO CAP2 スタンダード
IZANO CAP2 STANDARD

防災用品紹介:
防災用品
私は外出時には必ず、ウエストポーチにスマホ、財布、キー、ホイッスルを携行しています。

そろえるものはセットではなしに、自分で一品ずつ買いましょう。セットですと余計なものを買わされます!


TOSEICO ウエストポーチ メンズ 拡張可能 多機能 ショルダーバッグ ボディバッグ 斜めがけ 大容量 ヒップバッグ レディース バイク 撥水加工 軽量 メッセンジャーバッグ 肩掛け



  • 最初の直撃だけは何としても回避せよ!
      ここで意味することは、災害は突如としてやってくる。
     就寝中でも、容赦はしない。どんな時にも最初の直撃だけは避けるよう頭に置いて行動すべしということである。就寝中にものが落下してきて、下敷きになるとか、歩行中に大きな揺れに襲われることでも、ありうべきこととして心構えをしておくべきである。武士でもあるまいしと思われる方があるかもしれないが、ほんのちょっとした気配りで障害を避けることが出来る。
     例えば寝るときでも、窓から離れて寝るとか、厚手のカーテンを閉めるとか、心配りが出来ることはあるはずだ。
  • 自分の置かれた状況を冷静に判断せよ
  • 自分と身内の身の安全が確保されたら、近所、知り合いの援助に手を出すべし
  • 誰の助けもなくとも、1週間は生活できる備えをすべし

家の中の危険を減らす
  • 家具の固定(特にタンス・本棚・冷蔵庫)
  • 寝室には倒れやすいものを置かない
  • ガラス飛散防止フィルムを貼る こうした“事前のひと手間”が、実際には命を守ることにつながります。 

3. 避難の判断を迷わない

 「大丈夫だろう」は危険。 津波警報・避難指示が出たら、迷わず高い場所へ移動する姿勢を持っておくことが重要です。



3. いざという時の「行動の基本」

揺れている最中
  • まずは頭を守る(机の下・クッション・バッグなど)
  • 無理に移動しない
  • 火を使っていても、揺れが収まるまでは消火に向かわない
揺れが収まったら
  • 出口を確保(ドアを開ける)
  • ガスの元栓を閉める
  • 家族の安否確認
  • ラジオやスマホで正しい情報を得る

4. 備蓄は「完璧じゃなくていい」


備蓄は「完璧じゃなくていい」 よく「3日分」と言われますが、最初から完璧を目指すと疲れます。 まずは次の3つだけでも十分スタートになります。
  • 水(1人1日3Lを目安に、まずは1日分から)
  • カップ麺やレトルトなど“普段食べるもの”
  • モバイルバッテリー 
できるところから少しずつ”が長続きします。

  

5. 家族や身近な人と話しておくこと

家族や身近な人と話しておくこと
  •  集合場所
  •  連絡手段(災害用伝言ダイヤルなど)
  •  ペットの避難方法 
こうした話し合いは、実際の混乱を大きく減らします。

まとめ

   防災は「恐怖」のためではなく、一日でも長く、大切な人と笑って過ごすための「愛情」です。 できるところから少しずつ、今日から始めてみてください。ただ焦るのではなく、人間一人一人が自分の頭で考え、行動を起こすことが求められている。

 

  


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2025年12月8日月曜日

古代人は年の移り変わり(干支)に何を求めたか

2026年の干支は「午」。「馬」ではなく、実は「へその緒」だった!


==== サブタイトル====

 干支という天体の動きを表すのに、古代人が身近にある人間の出生を当てはめたのかもしれないという説は、かなり説得力のあるものだと思います。
 そもそも、人間と馬の関わりは、歴史的に非常に深いものです。馬は古代から現代まで、人類の移動手段や農耕、戦争、交流などさまざまな面で重要な役割を果たしてきました。

 非常に人間の出生の過程と脳歴という重要な二つの概念が、ここで結びついたという点で、歴史的に大切なことであったのかも知れません。
 最初の馬の家畜化は、紀元前4000年ごろの中央アジアで始まったと考えられています。この時期、野生の馬は狩猟の対象であり、人々は馬の肉や皮を利用していました。しかし、やがて人々は馬を乗り物や荷物の運搬手段として使うようになり、農耕や交易の発展に貢献しました。
 一方干支の歴史は、3000年以上前の中国・殷王朝で「十干十二支」として日付の記録や占いに使われ始めたのが起源とされ、干支として馬が登場するようになったのは、家畜化が始まった時から千年ほどの後のことです。
 馬が野山を駆け巡る姿を、子供の成長を重ね合わせていたのかも知れません。 なぜ古代人はへその緒を文字にするほど重要視したのか?その答えは『死亡率』にありました。古代人が子供の無事をひたすら思う、切実な願いが見えてくる。

     

導入

 2026年は「丙午(ひのえ・うま)」です。これは十干の「丙(火の陽)」と十二支の「午(うま)」が組み合わさったもので、躍動感や行動力、前向きなエネルギーに満ちた一年になるとされ、新しい挑戦を始めるのに良い年とされています。
 この十二支は人間の出生の過程を表したものであるという説も古くからある。従ってこの場合漢字は「午」であって、「馬」ではない。
ちなみに漢字源によれば、「午」と「馬」にはなんの関係もないが、旧く人々に干支を知らしめるため、動物を割りあてたのが、その起源とされる。

このページから分かること
  • 漢字「午」の成り立ち
  • 日本の平均年齢
  • 古代は異常に低かったこと
  • 江戸時代までは人生40年が普通 



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まえがき

漢字「午」の成立ちと由来

参考書紹介:「落合淳思の『漢字の成立ち図解』」
 出来初めのころの古代の漢字は本当に漫画チックです。読み始めたら面白過ぎて止まらない。
 落合先生は漢字学の権威です。

引用:「汉字密码」(Page、唐汉著,学林出版社)

干支の「午」:甲骨、金文、小篆、楷書
漢字・陽の4款
漢字の主たる説明(唐漢氏の解釈)
 「午」の構造的な形はへその緒である。その物象は嬰児に起こる一定の時間の課程を経て、脱落してきたへその緒である。嬰児の身上から脱落したへその緒は大体7日から15日であるようだ。) このとき嬰児が最初の夭折 (若くして亡くなること)を無事過ごすと、慶事に値することになる。
 つまり、古代においては、この時期こそが人間が生れ落ちて、確かな生命の営みを辿るまで、人間に課せられた最初の試練だったといえよう。


漢字「午」の漢字源の解釈

 時刻では 現在の正午およびその前後の二時間、方角では南、動物では馬に当てる。
 馬に当てたのは農民がおぼえやすいように十二支に動物を配した秦漢の農暦の影響で、本来は、馬とは何の関係もない。


古代人の年代別の死亡率

 古代の年代別死亡率は、現代とは大きく異なり、乳幼児期の死亡率が非常に高く、成人まで生き延びた場合でも、その後の平均余命は現代よりかなり短かったことが特徴です。
主な特徴は以下の通りです。
1. 非常に高い乳幼児死亡率
 古代において、生まれた子どもの半数近く、あるいはそれ以上が成人になる前に亡くなっていました。例えば、18世紀のウィーンでは5歳までに約半数が死亡しており、古代日本でも同様の傾向が見られます。
 これは、栄養不足、非衛生的な環境、医療の欠如、疫病などが主な原因でした。


 左の表にみる通り、古代における乳幼児の成長率は極めて低く、縄文時代には7割以上が若年のうちに死亡していた。
 特にへその緒のとれる夭折期までの死亡は多くこの時期を過ぎて生き延びることは、まさに祝いものであった。このような事情があり、多くの地域で幼児を非常に大切に扱っていた。
 日本でも「へその緒」を大事に保存する風習が未だにみられるのも、このような事情があってのことと思われる。


2. 成人後の余命
乳幼児期という最も危険な時期を生き延びた場合、ある程度の年齢まで生きることは可能でした。しかし、それでも現代のように高齢になるまで生きる人は多くありませんでした。

明治以降の急激な平均寿命の推移
明治時代(1868〜1912年頃): 40歳前後。
昭和前半: 50歳台に。
1950年頃: 男女とも50歳超え。
1950年代: 60歳台(男性63.60歳、女性67.75歳など)。
1980年代: 70歳台に到達(男性73.35歳、女性78.76年など)。
2022年: 男性81.05歳、女性87.09歳。

へその緒の文化

へその緒の文化

へその緒に関する文化は、国や地域によって大きく異なります。特に日本では、母子の絆の象徴として大切に保管される独特の文化が根付いています。
日本の文化
 日本では、江戸時代初期からへその緒を保存する風習が広まったとされています。

  • 保管の理由: 「記念に残しておきたい」という思いや、「母と子がずっと一緒につながっていられる証」として大切にされます。神秘的な力が信じられ、お守り代わりに保管されることもありました。
  • 保管方法: 乾燥させた後、湿気を避けるために「へその緒入れ」と呼ばれる専用の桐箱に保管するのが一般的です。多くの産院では、おとめマークなどをあしらった臍箱を用意し、退院時に渡してくれます。
  • 処分のタイミング: 保管期間や処分の明確な決まりはありませんが、母親や本人が亡くなった際に、棺に入れて火葬するという言い伝えがあります。これは、冥土で閻魔様に子どもを産んだ証拠を示すため、あるいは来世でも親子の縁が続くようにという願いが込められています。

世界の文化
 へその緒を大切に保管する風習は、実は日本と一部のアジア地域だけに見られるもので、他の多くの地域では出産後に処分されるのが一般的です。
 へその緒を切る人: 海外では、夫や母親自身がへその緒を切る国が多いですが、日本では安全上の理由から、原則として医師や助産師などの医療者が行います。

その他の慣習:
 韓国の一部地域では、へその緒を新生児の太もも付近まで伸ばして切り、乾燥させて保管する伝統的な風習がありました。
 ジンバブエなど、へその緒を腰に巻き付けるといった独自の慣習を持つ国も存在します。
 現代では、へその緒や胎盤(胞衣)は、法律に基づき適切に処理されますが、その一部を希望に応じて受け取り、自宅で保管するかは各家庭の判断に委ねられています。

へその緒の文化(世界)
 一般的な処分: 日本や一部のアジア地域を除き、多くの国ではへその緒は医療廃棄物として処分されることが一般的です。

 特定の慣習: ジンバブエなど、へその緒を腰に巻き付けるといった独自の慣習を持つ地域も存在します。

その他の興味深い出産・産後文化
産後の過ごし方:
 中国では、産後1ヶ月間は「坐月子(ズオユエズ)」と呼ばれる期間があり、外出やシャワーを浴びることが禁止され、授乳以外はほとんど起き上がらずに過ごすという文化があります。
 アメリカの産後の入院期間は、日本が自然分娩で5日から1週間程度なのに対し、通常48時間以内と非常に短いです。

出産祝い:
 中華系のお祝いとしては、赤ちゃんの生後1か月に親戚や友人を招いて祝う「満月(マンユエ)」が一般的で、この際に「満月弁当」が配られます。
 欧米では、日本のおむつケーキのような贈り物が人気です。

出産の場所:
 ボリビアなどでは、妊婦に寄り添う「伝統的なお産」が求められる傾向があります。
 フランスや北米、ヨーロッパ諸国では、無痛分娩の利用率が非常に高い(フランスで80%以上)という特徴もあります。
 国や地域によって、新しい命の迎え方や産後の過ごし方に対する考え方は大きく異なることがわかります。

まとめ

  1. 旧石器時代前期(260万〜20万年前): 12万5千人程度
  2. 旧石器時代中期(20万〜4万年前): 100〜120万人程度
  3. 旧石器時代後期(4万〜1万3千年前): 220〜300万人程度(人類の生きた最古の時代)
  4. 縄文時代(4万〜1万3千年前):日本列島では数千人程度しかいなかったのではと推定されています

これらの時代は生まれても、生き残る方が稀という時代ではなかったといわれています。ネアンデルタール人が絶滅したのも、理由は色々考えられるが、彼らは小さな集団で生活していたために、食料を十分に確保できなかったことも理由の一つと考えられている。
 人類も極めて初期は子供を産んでも産み落とすようなことであっただろうが、ある程度衣食足りるようになってからは、子供もきちんと育てることが自分たちが生き延びるために必要と認識したのであろう。


「漢字考古学の道」のホームページに戻ります。

2025年10月29日水曜日

災が示す現代の桎梏:自ら掘った「人類の墓穴」からの脱出の道筋

『災』が示す現代の桎梏:自ら掘った「人類の墓穴」からの脱出の道筋


なぜ現代人は苦しむのか?

 なぜ現代人は苦しむのか? 環境破壊、社会問題がもたらす「大災」からの解放論。ヤフー・LINEを活用した具体的な社会参加の方法も紹介

 
AI による概要
   近年、地球規模で災害は増加傾向にあり、特に気候変動が主な原因の一つと考えられている。増加している災害としては、集中豪雨、巨大な台風、干ばつなどの異常気象が多く、これらは地球温暖化の影響を受けていると指摘されている。これらの災害は、甚大な経済的・人的被害を引き起こしており、持続可能な開発への大きな課題となっている。



音声解説をお楽しみください

導入

このページから分かること
過去の災害と現代社会の災害はどのように変化しているかを究明した
現代社会で、人間に降りかかる災害を細かく分析した
本稿は25.10.26の「『災』が示す現代社会の病巣:自ら作った鎖からの解放論」を全面的に書き直したものである 



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まえがき

本ブログの中で「漢字「災」に見る自然災害と壮絶な闘い! 今始めよう自然を破壊する手を止めて、自然修復のために個人でもできることから始めよう」と「漢字「禍」は、人為災害であるのに対し、「災」は、自然災害のこと。」の2回にわたって、「禍」、「災」について、それぞれの問題につき論究してきた。しかしその結果を鑑みるに特に近代においては、その両者の境界が曖昧になっているように思える。その理由は、人間の活動が大きくなりすぎ、自然界の領域まで影響を及ぼす事態になっていることに尽きる気がしている。したがってここでは、あえて両者を分けることなく現在人間が直面している問題を取り上げ一括して論じることとした。


1. 漢字「災」の考古学:古代の教訓と自然への畏敬

1-1 甲骨文・金文に見る「火と水」が示す災害の原形

漢字「災」の4款
古代社会の中の洪水の災難を連想してみれば、この字の形はのこぎりの歯の形のような上下に奔騰する形だ。疑いもなく水害を指している。古代の人々は,水を最も恐れたのであろうか。少なくとも、地震を指し示している字は見当たらない。水害によって何もかも押し流されるのと比べると、地震の方が、後に何か残る可能性がある点で、凌ぎやすかったのかもしれない。




各種「災害」の漢字
漢字 各種の「災」
漢字「災」にもいろいろある。左のヒエログリフにも見る通り、その災害の原因により字も分けられているようだ。



  • まず流れがせき止められたことによる水害
  • 自然災害よりも戦争、暴動による災害「烖」
  • 大火による災害「災」
  • 神の廟が消失する「灾」



1-2 中国古代の3大土木事業

  • 万里の長城
  • 南北大運河
  • 都江堰 (とこうえん)

  • 万里の長城大運河の流れる揚州の風景
    中国3大土木事業「都江堰」」
    万里の長城

    大運河の揚州の風景秦の時代の大灌漑事業




    2. 人間が創りだした「禍」の構造解析:「桎梏」の正体の実相がいまここで明らかになる

    地球上の「災」は産業革命の100年を境として大きく変貌し、質的変化を遂げた

     イギリスで産業革命が起こり、エネルギーの大量消費時代がはじまる。この時点まEpochMakeでは、人間の自然に対する影響力はあまりにも小さく、人間がどのように行動しようが大自然に影響を及ぼすことはほとんどなかった。
     中国の古代の3大工事といわれる下記の大工事にしても、当時としては革命的な大工事であったが、それでもこの工事でもって、地殻変動が起こるとか、気象条件に変化が起こるというものでは決してなかった。

     ところが産業革命以降、それも特に20世紀に入って以降、工場の排気ガス、排水、自動車の排気ガスなどは炭酸額を大量にまき散らし、地球温暖化を招くなど今までは考えもしなかった様々な変動を地球環境にもたらしている。そして今や「禍」と「災」の境界は消滅してしまったのではないかという錯覚さえ覚える。

    2-1 環境破壊、社会システム、情報過多—連鎖する人為的な災い

    産業革命以降に発生した地球規模の災害
    産業革命以降に発生した地球規模の災害には、人類の活動が原因で発生した災害と、自然現象による甚大な災害がある。特に人為的災害は、産業活動の発展とともに規模が拡大する傾向にある。

     以下に、主な地球規模の災害をいくつか挙げます。

    2-2 気候変動とそれに伴う災害

    • 産業革命以降、化石燃料の大量消費によって、二酸化炭素(CO₂)などの温室効果ガスが大気中に大量に放出され、地球温暖化が進行した。これにより、異常気象や自然災害が激化している。
    • 熱波: 2023年のヨーロッパの熱波など、多くの場所で異常な高温が観測されており、多数の死者を出している。
    • 干ばつと洪水: 気温上昇は干ばつや水不足を招く一方、豪雨や洪水の頻度と強度も増加させている。洪水は1990年以降最も頻繁に発生している災害である。
    • サイクロン(ハリケーン、台風): 海面温度の上昇により、サイクロンの勢力が増し、より大きな被害をもたらすようになっている。
    • ボーラ・サイクロン(1970年): 死者数50万人に達したとされる、史上最悪のサイクロンの一つである。


    2-3 人為的要因による産業・環境災害

     人類の技術開発や産業活動の過程で、大規模な環境破壊や技術的事故が発生している。
    • タンカーの重油流出事故は、タンカーの座礁や船体破断が原因で発生します。
       代表的な事故として、1997年に日本海で起きた**「ナホトカ号」の重油流出事故
       2025年1月に北海道で起きた「さんわ丸」の座礁事故**などがあります。
       これらの事故では、重油が広範囲に流出し、沿岸地域の漁業や生態系に大きな被害を及ぼすことがあります。
    • ボパール化学工場事故(1984年): インドの農薬工場で有毒ガスが漏洩し、50万人以上が被災した世界最悪の産業災害である。
    • ディープウォーター・ホライズン原油流出事故(2010年): メキシコ湾で起きた原油流出事故で、広範な海洋汚染を引き起こした。


    2-4 原子力発電所事故による災害

     大規模な原子力発電所事故の主な事例として、1986年のチェルノブイリ事故と2011年の福島第一原発事故が知られている。これらの事故は、国際原子力事象評価尺度(INES)で最も深刻な「レベル7」と評価されている。
     これ以外に「レベル5」と評価されている1979年3月28日、アメリカ合衆国東北部ペンシルベニア州のスリーマイル島原子力発電所で発生した重大な原子力事故がある。
    主な大規模事故
      チェルノブイリ
      チェルノブイリ原発
      チェルノブイリ原子力発電所事故(1986年、旧ソ連)
      概要: 運転員が原子炉の安全システムを停止した状態で実験を行った結果、核暴走が発生。爆発により建屋が破壊され、大量の放射性物質が広範囲に飛散した。
      影響: 東ヨーロッパや北欧まで放射能汚染が広がり、事故処理にあたった作業員や周辺住民が被ばくした。






      福島第一原子力発電所事故(2011年、日本)

      爆発した福島原発3号機
      概要: 東日本大震災の巨大地震と津波により、全電源を喪失。原子炉の冷却機能が失われたことで、1~3号機で炉心溶融(メルトダウン)が発生し、水素爆発も起きた。
      影響: 大量の放射性物質が放出され、環境中への拡散や長期的な汚染をもたらした。周辺住民は避難を余儀なくされた。








       スリーマイル島原子力発電所事故(1979年、アメリカ)

      アメリカ・スリーマイル島
      アメリカスリーマイル島原発
      概要: ポンプの故障や、弁が開いたままになっているという運転員の誤認が重なり、炉心上部が露出し、炉心溶融が発生した。
      影響: 放射性希ガスや少量の放射性ヨウ素が環境中に放出されたが、チェルノブイリや福島第一原発の事故と比べて放出量は少なく、健康被害は確認されなかった。



      事故の影響と対策

      大規模な原子力事故は、以下のような深刻な影響をもたらしす。
      放射能汚染: 大量の放射性物質が放出され、大気、土壌、水系、生態系を汚染する。
      人体への影響: 放射線被ばくは、がんや白血病といった健康被害を引き起こすリスクを高めます。特に子どもは影響を受けやすいとされている。
      社会的な影響; 避難指示による生活環境の変化、風評被害、長期にわたる廃炉作業など、地域社会に大きな負担をかける。

      事故の教訓を受けて、原子力発電所の安全性向上のため、以下のような対策が進められている。
      • 多重防護: 事故が起こりにくいよう設計段階から安全性を高めるとともに、万一の事故時にも放射性物質の漏洩を防ぐ複数の設備を設ける。
      • 耐震・津波対策: 地震や津波に備えて、防潮堤の設置や電源設備の浸水防止策を強化。
      • テロ対策: 航空機衝突のようなテロリズムに備え、遠隔で原子炉を制御する「特定重大事故等対処施設」を整備。
      • 緊急時対応: 事故時の備えとして、安定ヨウ素剤の配布や避難計画の策定が行われる。


      2-5 自然災害

       人為的な影響だけでなく、産業革命以降も自然現象によって大規模な災害が発生している。
      • 東北地方太平洋沖地震と津波(2011年): 東日本を襲った地震と津波は、福島第一原発事故も引き起こし、甚大な被害をもたらした。
      • スマトラ島沖地震とインド洋津波(2004年): 広範囲の国々に壊滅的な被害を与え、20万人以上の犠牲者を出した。
      • 中国の長江洪水(1931年): 死者数400万人に上ると推定されており、史上最悪の自然災害の一つである。

      2-6 環境破壊の主な要因


      • 核実験による大気汚染
      •  
      • 化石燃料の大量消費:石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料を産業活動のエネルギー源として大量に消費したことで、大気中に大量の二酸化炭素や大気汚染物質が排出された。
      • 工業化の進展:工場からの排気ガスや廃水に含まれる重金属・有害化学物質が、水質汚濁や大気汚染を引き起こした。日本では、水俣病や四日市ぜんそくといった公害病が発生した。
      • 大量生産・大量消費社会:経済成長に伴い、大量生産・大量消費のライフスタイルが定着し、ごみの増大や資源の枯渇といった問題も引き起こされた。
      • 森林破壊:資源の採掘や、都市開発、農業の拡大のために、森林が大規模に伐採され、生物多様性の喪失や土地劣化を招いた。
          シベリアのツンドラ地域の開発により、大量のメタンガスの放出
          アマゾンの密林の開発、地下資源の乱開発
          インドネシアの熱帯雨林の開発と木材の乱開発
          中国・モンゴール草原の耕作化による砂漠化の進行
          アフリカの密林の開発による生態系の破壊
      • 地球規模の環境問題:上記のような要因が複合的に作用し、地球温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨など、国境を越えた地球規模の環境問題に繋がった。


      2-7 農業・漁業・林業における環境破壊

       
      • 農業災害:農業災害とは、台風や豪雨、冷害などの自然災害、病害虫、鳥獣害、土壌汚染など、さまざまな要因によって農業生産に被害がもたらされることをいう。日本では、近年、地球温暖化の影響もあり、大規模な自然災害が頻発しており、農業分野でも被害が拡大する傾向にある。人為的なものとして、以下のようなものが考えられる。
         農用地の土壌汚染や農業用用排水の水質汚濁などがある。
         農業人口の減少など様々な要因により、農地が放置され、農作物の減少に歯止めがかからない
         肥料の過剰投与などで土地が疲弊している。
         農薬の散布などで、残留の王役が問題となっており、国民の健康被害が大きな問題となっている。
         
      • 漁業・海洋問題:漁業・海洋災害は、自然災害(津波、台風、地震など)と労働災害(漁船事故、海中転落、作業中の事故など)に大きく分けられる。これらは漁業の存続を脅かし、漁業従事者の生命・身体に危険を及ぼし、漁業資源や施設にも大きな被害をもたらす。ここでは主に人為的な災害に重点を置いて取り上げる
         漁業資源の乱獲により、生態系が大きく乱れる
         重油、タンカーからのオイル流出により、海洋汚染が甚だしくなり。海洋資源の一層の枯渇を招いている。
         地上の廃棄物や、ファインセラミックスが海洋に流出し、海洋汚染が著しい。
         地球温暖化などの影響により、海洋温度の上昇を招いて、海流に変化が生じ、生態系に乱れが生じている。

      • 林業:山林問題:世界各地で森林開発の名のもとに森林が大規模に伐採され、環境に大きな変化をもたらしている
          日本では、山林労働者の減少が続き、山林の維持が難しくなっている。
          ラワンなどの外国産の木材が流入して日本の森林資源を圧迫している
          台風・山崩れなど森林の維持管理が難しくなっている。
          樵などハンターが減少し、クマ、猪、鹿などが増え過ぎ、生態系のバランスが崩れ、山野の境界地などでの獣害が増えている。
          山林の後退などで、炭酸ガスの吸収能力が減少を招いている。


      2-8 災害が引き起こす健康破壊

        現代の災害は、複合的な要因によって人々の健康を深刻に破壊します。直接的な負傷だけでなく、避難生活による衛生環境の悪化や持病の悪化、長期にわたる精神的ストレス、そして気候変動による新たなリスクなどが顕在化している。
        身体的健康の破壊
      • 避難生活による健康問題
      • 感染症の蔓延: 避難所での集団生活は、インフルエンザや感染性胃腸炎といった感染症が広がりやすい環境です。衛生環境の悪化に加え、水不足による手洗いの不徹底などが原因となる。

        持病の悪化: 災害によるストレスや混乱で、慢性疾患(高血圧、糖尿病など)の管理ができなくなり、病状が悪化するリスクが高まる。
        生活不活発病: 避難所での運動不足は、高齢者を中心に生活機能の低下を引き起こす。
        災害関連死: 避難生活でのストレスや劣悪な環境が原因となり、心筋梗塞や脳卒中、エコノミークラス症候群などを発症して亡くなるケースが増加している。

         
      • 災害後の長期的健康被害
      • アスベスト被害: 阪神・淡路大震災や東日本大震災では、家屋の倒壊で飛散したアスベストが原因で、災害から数十年後に中皮腫や肺がんを発症する被害が起きている。
        環境汚染: 災害によって化学物質や放射性物質が放出される可能性があり、広範な健康リスクをもたらすことがある。

        精神的健康の破壊
      • 災害による心的外傷
      • 心的外傷後ストレス障害(PTSD): 災害のトラウマ体験は、不眠、不安、恐怖感、無気力感などの長期的な精神的苦痛を引き起こす。
        うつ病・不安障害: 災害による生活の激変や身近な人を亡くした悲しみから、うつ状態や不安障害に陥る人が多くなる。
        認知症の悪化: 環境の変化は、認知症のある高齢者にせん妄状態を引き起こすことがある。

      • 長期的な精神的ストレス
      • 喪失と悲嘆: 家族や友人を亡くした悲しみだけでなく、家や仕事を失ったことによる絶望感や喪失感が続くことがある。<うl>

        アルコール・薬物依存: 長期的なストレスに対処するため、アルコールや薬物に依存するケースが増加する傾向が見られる。



      2-9 現代特有のリスク

        • 気候変動による複合的リスク
          新たな感染症: 気候変動に伴う気温上昇で、蚊やダニが媒介するデング熱やマラリアといった感染症の分布が拡大している。
          熱中症の増加: 猛暑日が増えることで、災害時の復旧作業や避難生活における熱中症のリスクが高まります。


        • 医療提供体制の脆弱化
          医療崩壊: 大規模災害時には、医療機関の被災や交通途絶により医療サービスが停止し、多くの患者が医療を受けられなくなる危険があります。
          被災者と支援者のケア: 被災者だけでなく、不眠不休で働く支援者もメンタルヘルス不調に陥る可能性があり、ケア体制の確保が課題となっている。


        2-10 戦後冷戦下に行われた核実験

         第二次世界大戦後、核実験はアメリカ合衆国、ソビエト連邦(現ロシア)、イギリス、フランス、中国などの核保有国によって、冷戦期の核軍拡競争の一環として集中的に行われた。これらの実験は、大気中、水中、地下などさまざまな場所で行われ、放射能による健康被害や環境汚染などの深刻な影響をもたらした。
        Americaビキニ環礁核実験
        アメリカビキニ環礁核実験

          主要な核実験
        • アメリカ
          クロスロード作戦(1946年):ビキニ環礁で実施された、戦後初の核実験シリーズです。海軍の艦艇に対する核兵器の効果を検証する目的で行われた。
          キャッスル作戦(1954年):ビキニ環礁で実施された、水爆実験シリーズです。特に「ブラボー」実験では、想定をはるかに超える威力の爆発が起こり、第五福竜丸が被ばくした。
          ネバダ核実験場:1951年に開設され、核兵器開発が本格化した。
        • ソビエト連邦
          1949年8月29日:カザフスタンのセミパラチンスク核実験場で初の核実験に成功し、アメリカに次ぐ2番目の核保有国となった。
          水爆開発:アメリカの核開発に対抗し、水爆開発を加速させた。
        • イギリス、フランス、中国
          イギリス:1952年以降に核実験を開始し、オーストラリアなどを利用して実施した。
          フランス:1960年に核実験を開始し、アルジェリアなどで実施した。
          中国:1964年に新疆ウイグル自治区のロプノールで初の核実験に成功し、アジア初の核保有国となった。

        • 核実験の影響と規制の動き
           
        • 放射能汚染と健康被害:大気圏核実験によって大量の放射性降下物(死の灰)が世界中に拡散し、被ばくした人々(ダウンウィンダー)にがんなどの健康被害を引き起こした。
        • 部分的核実験禁止条約(1963年):キューバ危機後、アメリカ、ソ連、イギリスの間で締結された。大気圏内、宇宙空間、水中での核実験が禁止されたが、地下核実験は引き続き行われた。
        •  
        • 包括的核実験禁止条約(CTBT)(1996年):あらゆる場所での核爆発を伴う核実験を禁止する条約である。多くの国が署名したが、発効には至っていない。


        • 現代の核実験
        • インドとパキスタン: 1998年に核実験を実施した。

        • 北朝鮮: 2006年以降、核実験を繰り返し実施しており、直近では2017年に行っている。


        • 地下核実験:現在は地下核実験が主流であり、国際的な監視体制が敷かれている。

           核実験は冷戦の象徴的な出来事であり、その遺産は今日まで、健康や環境への影響、そして核兵器廃絶に向けた国際的な課題として残り続けている。
          これらの災害の多くは複合的な要因で発生しており、人類の活動が引き起こす気候変動が、自然災害のリスクと規模をさらに増大させている。


3. 桎梏からの解放を闘い取るための戦略I:記憶の継承と「応援」という精神的な闘い

3-1 記憶の継承と社会的責任:被災地への「応援」を可視化する

なぜ記憶の継承が必要か

 人間だれしも非常に辛い目にあった時、二度とあんな目に会いたくないと思うものだ。感情的には良く分かる。しかし現代人が苦しむ「桎梏」には、過去の教訓を忘れる**『風化』**も含まれるというということを忘れてはならない。
 直接的にそういった災害に関わらなくても、「なぜ災害は発生したのか」という疑問と解明を繰り返す姿勢が必要となる。昔からの諺に「災害は忘れたころにやってくる」というのがあるが、実に当を得た諺である。  記憶の継承は、過ちを繰り返す鎖を断ち切る行為であると定義する。そのために教訓を風化させてはならない。

社会的責任として応援の可視化が要求されるか

 なぜ応援の応援の可視化が要求されるのか? 東日本大震災の時に「絆」という言葉が流行語となった。この言葉は国内の多数の人々が東北の方々と連帯をし意識するという意味で大きな役割を果たしたと思う。
 同時にこの言葉は、人々に「この災害は自分たちの問題でもある」と意識させるにも大きな役割を果たしたと思う。
   このように人びとに直接訴えかけて見える化するのは非常に大事なことである。それと同時に、このような言葉への共感だけではなく、実際にあった表には出なかった様々な支援を見えるかすることもまた大事なことである。
 そして、今SNSが発達した今日それが、可能となった時代ともいえる。その意味で「ヤフー/LINEの「3.11」の果たす役割は大きいといえる。
 これは単なる寄付ではなく、「検索数を可視化することで、被災地への応援メッセージとなるという意義を持っている。

行動の提案

 最近ではとりわけ世の中の流れが早く、慌ただしい。世界中で何かに取りつかれたように動きまわっている姿が垣間見える。この一番の原因は、
  • 交易が爆発的に盛んになって、国境のバリアが低くなったことである。
  • さらにインターネットの発展により、実際の物流を介することなく交流や交易が可能となるインフラが整備されたことである。
  • 人間が動くことなく瞬時にどこでも会話ができるようになったことである。但し金さえあればの話であるが。つまりカネのある人間は実に自由に、金のない人間は実に不自由に生きることが許される。最近では金のない人間には生きる事すら許されないこともある。
HamsterWheel
Hamsterの回し車
 ハツカネズミの回し車(最近では「ハリネズミの回し車」と言うそうであるが‥)いつから人間は自分で自分の行動をコントロールできなくなったのだろう。これも業の行き着いた先の話である。

 そこで行動の提案であるが「年に一度、立ち止まって検索する」という意識を更新する行動を促し、これを「鎖を断ち切るための儀式」として位置づけてみようではないか。
 甲骨文字の時代から今日の間の生産性の比較は驚くべき差になっていると思う。これは非常に乱暴な比較ではあるが、それでも人間はこれほどいろんなものを創り出しておきながら、何で人間そのものを幸せにできないのだろうかと思う。
 一人ぐらい考えても仕方がないという向きもあろうが、ハリネズミの回し車から解放されるためにはれるためには、「年に一度、立ち止まって検索する」という意識を更新する行動をしても罰は当たらいと思うが・・。

   

4 桎梏からの解放を闘い取るための戦略II:

今日からできる具体的な行動リスト・・・未来を切り拓くためのマニフェスト (解放戦略の実践面)
 さてこのテーマも最終章となった。最後にマルクスの名言「「哲学者たちは世界を様々に解釈してきただけだが、大切なのはそれを変えることである」(フォイエルバッハ・テーゼ)を深めて終わりとしたい。
 この言葉は、理論だけでなく、現実社会を変えていく実践的な行動を重視するマルクスの姿勢を端的に示しています。昨今テレビで、垂れ流される評論家やコメンテーターの多くはこの部類の人々であることを頭において、我々が何をなすべきか少し実践的に検討してみたい。

4-1 環境とエネルギー

 私たちの電気や熱の多くが、二酸化炭素を排出する化石燃料を基にしているという事実を提示 。具体的な行動として「家庭での節電」を最優先事項としてリストアップ 。

4-2 消費と移動

     なんだ、大言壮語の割には・・と思われる方も多いと思われるが、いかなる理想論も結局は地味な小さな行動を如何に実践するかに懸かってくるものだ。逆にぐらいてきぐらい適菜行動を訴えるところで、抽象的な大言には十分注意されたい。これも哲学用語で「倫理は具体的である」

  • 再生可能エネルギーを選ぶ: 電力会社を意識的に選ぶ 。
  • 持続可能な移動: 徒歩、自転車、公共交通機関を利用する 。
  • ゴミの削減: リデュース、リユース、リサイクルを徹底する 。 
  • 環境に配慮した製品: 倫理的に生産された商品を選ぶ 。
これらの行動が、すべて「人間が作りだした経済の鎖」を少しずつ緩めることにつながり、大きな結果を得ることが出来る。

まとめ

   地球上の生態系の頂点に立った人類の活動はますます暴走を重ね、地球資源を欲しい儘にし、人類のよって立つべき基盤である生態系そのものにまで手を付けつつある。そして、今や地球そのものまで破壊するかもしれない状況まで自らを追い込んでいる。
 まさに「業」の暴走であるが、この暴走に歯止めをかけ、業の桎梏から自らを開放する手立てはどこにあるのか。もはやそれほどの猶予は残されていない。しかし、人間一人一人が自分の頭で考え、行動を起こすことしかない。

 人間は今まで数万年に亘って、人間とは何か、人減を拘束するものからの解放を訴えて闘ってきた。そして人間はAIをいうものまで生み出した。今残されるのは。人間は「自らの存亡をかけて。このAIを味方につけ、桎梏から自らを解き放つ」ことである。自己矛盾に思える呼びかけかも知れないが、人間を真の人間するためにはこの方法しかないと考える。

ヤフー・LINEを活用した具体的な社会参加の方法も紹介


  


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2025年10月21日火曜日

漢字「禍」は、人為災害であるのに対し、「災」は、自然災害のこと。



漢字「禍」は、人為災害であるのに対し、「災」は、自然災害のこと。


「禍」と「災」を古代人はどう捉えていた? 

 「禍」は神の意志に違反することによる人為的なものによって引き起こされ、祖先の神の保護の失敗の結果だと看ていたようです。「災」は、水、火、風などによる自然災害のことで、洪水・飢饉の自然災害を「災」と表します。
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導入

このページから分かること
ブログページ「漢字「禍」は、人為災害であるのに対し、「災」は、自然災害のこと。」で漢字「禍」の原字は「残骨」であることがわかった。
 このページは2021年にアップしたものを全面的にアップグレードしたものです。漢字「骨」の成り立ちと漢字がどのように形作られてきたかを徹底的に明らかにしました。
 これぞまさに「漢字『骨』の解体新書」である。



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 漢字「禍」の由来と成り立ち:今年の漢字の第2位は禍でした。コロナ禍が反映された結果でしょう
 今年一年はコロナ禍で明け、コロナ禍で終わろうとしています。コロナはたかが風邪だと思われたものが、結果的には世界中にパンデミックを引き起こしつつ、単なる疫病に終わらず、経済にも大きな傷跡を残し、人々の価値観さえも変えてしまったといわれています。

 漢字「禍」は今年の漢字の第2位となりました。これも、コロナ禍が反映された結果でしょう
 今年の漢字の第1位は「密」で、これもやはりコロナ禍に関連した漢字で、コロナに対する戒めとして、「3密」などの言葉が世の中を駆け巡りました。

 そこでここではコロナ禍の「禍」という漢字の由来と成り立ちに付いて一緒に考えて見ましょう。「禍」という漢字は、わざわいを読み・意味しますが、わざわいという漢字には「災」があり、漢字の成り立ちからいっても両者は全く異なる。
漢字の「災」については、本ブログの中の「漢字「災」に見る自然災害と壮絶な闘い!」に触れていますので、併せてご確認ください。
この両者の違いについても追って調べてみることにします。



漢字「禍」の漢字の由来

引用:「汉字密码」(P825、唐汉著,学林出版社)
漢字「禍」の4款:甲骨・金文・小篆・楷書

唐漢氏の解釈



 「禍」はもともと象形文字でした。甲骨文の「禍」という言葉は、「凶兆」の卜骨を表示しており、祖先が古代には、助けることなく神々が災害をもたらすことを示しています。「禍」という言葉の第2款は、明示的に犬を使用して卜辞の骨を咥え去ることを示し、災害と患の到来を合わせて表現しています。

 金文の「禍」という言葉は、第1款の左側の横に「示」が追加されています。これは、禍を追い払い、禍を回避する祭祀を意味します。卜骨の下に、加えられた口は禍が神の口から来ることを強調されます。

  小篆の「禍」という言葉は金文を継承しており、楷書はそれに沿っており、「禍」と書かれています。

 古代人の目には、自然災害と人為的災害が区別されます。「禍」は、神の意志に違反することによる人為的なものによって引き起こされ、祖先の神の保護の失敗の結果だと看ていたようです。「災」は、水、火、風などによる自然災害のことです。洪水・飢饉の自然災害を災と表します。



字統の解釈


形声:声符は咼。咼は残骨に対して呪詛して祈る形の字で、「禍」はその声義を承ける字である。

 難しい言い回しだが、要は残された骨を呪い祈る意味だというのである。のろいにより引き起こされた禍とでも解釈するべきなのかもしれない。





漢字「禍」の漢字源の解釈


会意兼形声。「示」(祭壇)+音符咼(意味は穴を示す)で神のたたりを受けて思いがけない穴(落とし穴)に嵌ること


 

漢字「禍」の変遷の歴史

「咼」の甲骨文字、骨の初文
冎の甲骨文字
漢字「禍」の成立ちの主たる説明
漢字「骨」の初文の甲骨文字「冎」を以下に示す。ここでは2款示すが、骨がばらばらの状態のものと頭蓋骨と体が繋がった両形があるようだ。古代人が人が死んで暫く放置した後、その場所に行ってみたときの見た儘を表したものであろう。骨はバラバラで散らばっており、繋ぎ合わせないと、元の形は頭に浮かび上がってこなかったのではなかろうか。

 右の字形は字統の中で提示されている漢字「冎」の甲骨文字である。 

 
「禍」の甲骨形
「冎」の甲骨形
「禍」の甲骨文字、
「禍」の甲骨形




禍の甲骨文字

漢字「禍」の甲骨文字である。これまで冎と咼の成り立ちについて調べてきた。
 字統では「冎」は上体の残骨、口は祝禱の器の口と説明している。しかし、どうみても甲骨文と「咼」が結びつかない。骨ツボに入った骨片にしか見えない。この違和感をどう説明できるのか。「冎」は骨から肉を取り去った形である。
れから月を取り去ったから残るは残骨というには合点がいかない。

そこで「冎」が付く文字を調べてみた。
大雑把に言って以下の15種類の漢字をリストアップすることが出来た。
冎:
咼: 呙(咼の簡体系部件)
禍 :残骨を使って呪いをかけるために祈ることを言う
過 :特定の場所を通過するときの呪儀をいう
渦 :くぼんだもの、めぐるもの
鍋 :調理に使う容器
窩 :眼球の収まる頭蓋骨のくぼみを指す。
蝸(例:蝸牛):カタツムリ
媧 :   例 女媧 中国伝説の女神
堝 :   例 坩堝(るつぼ) 耐熱性の容耐熱性の容器
緺 :   読み方: カイ、カ、ラ、ケ。
      意味: 紫(むらさき)や青色の組紐(くみひも)のこと。
猧(ちん) 読み方: ちん、ワ。
      意味: 中国産の小型の犬の一種。
撾     読み方: 音読みはタ、訓読みはうつ。
       意味: 鼓(つづみ)などを打つ、たたくこと。
剮     読み  音読み:カ、ケ  訓読み:さ(く)、わ(ける)
      意味: 肉をそぎ取る:骨から肉を切り取る、そぎ取る、という意味があります。
騧      読み: カ、ケイ
      意味:  鹿の子模様の馬
鹿の子模様


           鹿の子(かのこ)模様の馬のこと。栗毛のまだらな毛並みを指す。
           駿馬(しゅんめ)を意味する場合もある。


以上の漢字のほとんどは現在は死語に近く、日常生活に使われることはなくなっている。そしてこれらの漢字を細かく見ると、多くは鍋などのくぼみにあてがわれたものか、細い線上のものを表現するのに用いられており、残骨にかかわるような使い方のものは、どちらかというと少数派に近い。

まとめ

 唐漢氏も字統も漢字源も少しずつニュアンスが異なりますが、いずれも「禍」というのは「災」と異なり、人間が引き起こしたことにより、自然のバランスを崩したことにより引き起こされた災害と解釈され、古代人はそれを、神の呪いや神の怒りという表現で考えたようです。

 古代人の解釈が現代にそのまま通用するものではないのですが、コロナ禍とはまさにこの古代の言葉の定義にぴったりとはまるといえましょう。留まるところの知らない人々の交流、環境の破壊、森林破壊、温室化による温暖化現象これらの複合によりコロナ禍は引き起こされたものであるというえるでしょう。有吉佐和子の「複合汚染」をさらに大きな規模で考える必要がありそうです。



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