2020年8月6日木曜日

漢字「冤」の成立ち:冤罪は太古の昔から続けられてきた権力犯罪?


冤罪は太古の昔から続けられてきた権力犯罪?
 漢字「冤」は、忌まわしい権力犯罪に使われます。簡単に言うと「濡れ衣を着せて、罪に陥れること」です。
 あってはならないことですが、これからもなくなることはないでしょう


引用:「汉字密码」(P92、唐汉著,学林出版社)
「免」とは異なり、点が一つ付いて囲まれているのが尻尾のある兎と分かる
漢字の成立ち
 「冤」、これは会意文字です。 小篆の「冤」、周辺は「ワかんむり」、ここでは覆いを意味し、以下は「兔ウサギ」です。 まるで優しくて弱いうさぎが、物に覆われ、身動きできないようです。 楷書は小篆を継承し「冤」と書きます。「冤」は覆いに覆われた「弱いうさぎ」の絵を通じて、屈縮したという本来の意味を体現している。
 左の絵図から見るに、ワ冠で上だけ覆っているようなものではなく、完全に回りを囲んで逃げられないようにしている様がよく分かる。





字統による解釈
 境界を現すケイという記号と兎より構成される。説文には「屈するなり。兎に従い、ケイに従う」とある。唐漢氏の説明よりもう少し踏み込んだ説明がされており、より真実に近いように思われる。



漢字源の解釈
 蔽い記号+兎で「字統」ほぼ同様



結び
 冤という漢字が、かなり古くからあったことが、分かった。冤罪という概念が甲骨文字の時代にあったかどうか走りえなかったが、古い漢字の歴史から考えると、冤罪の歴史も相当に古くからあったのではないかと推量される。



「漢字の起源と成り立ち 『甲骨文字の秘密』」のホームページに戻ります。

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