心臓をそのまま形をにした象形文字
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漢字「心」の起源:心臓そのままの象形文字
漢字「心」の今
漢字「心」の解体新書
漢字「心」の楷書で、常用漢字です。 漢字の「心」は、心臓の形を象った象形文字です。心臓は、体全体に血液を送る重要な器官です。そのため、心臓は古代中国では生命の中心と考えられていました。また、心臓は感情や思考の中心とも考えられていました。そのため、「心」という字は、心臓だけでなく、感情、思考、意志、意識、思いやり、愛情など、人間の精神的な側面を象徴する字となりました。 「心」という字は、中国の甲骨文字(紀元前1200年頃)にすでに見ることができます。甲骨文字の「心」は、心臓の形を簡略化した形になっています。 | ||
心・楷書 |
「心」の漢字データ
- 音読み シン
- 訓読み こころ
意味
- ひく。ひきよせる。
- むなしい。から。中空。
- つなぐ。ウシをつなぐ。つながれる。
同じ部首を持つ漢字 忠、応、志、芯、
漢字「心」を持つ熟語 心、中心、心中、偏心、
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漢字「心」成立ちと由来
引用:「汉字密码」(P440、唐汉著,学林出版社)唐漢氏の解釈
「心」これは象形文字である。甲骨文字は心臓の形によく似ている。金文は簡略化していくらか変化している。それでも核心を突いた心の像だ。小篆は心臓の外形像からは変化している。それでも心臓の切開画像のようである。楷書はこれから「心」と書く。
古人が殷の時代から、「心房、心室」をこのように、解剖学的に実に正確に把握し、字の形にしているということは驚きでもある。
「心」の本義は心臓の器官である。心跳、冠心病、狼心狗肺などの中の「心」である。また拡張して心思、心意など。古人は心臓が体に中心にあることを認めていたので、いわゆる中心、中央の意味も出てくる。李白の詩《送翅十少府》にある「流水折江心」の江心とは揚子江の中央という意味である。
漢字「心」の字統(P467)の解釈
象形 心臓の形に乗る。〔説文〕「人の心 なり、土の藏、身の中に在り。
象形。博士設に以て 「火の藏と隠す」とあり、藏(藏)は臓(臓)。許慎の当時には、すべてを五行説によって配当することが行なわれ、今文尚書説では肝は木、心は火、脾 土、肺、腎は水、古文尚書説では脾は木、肺 は火、心は土、肝は金、腎は水とされた。
金文に 心にす」「乃の心を明にせよ」 「心忌せよ」などの用法がある。
心は生命力の根源と考えられていたが、文にはまだ心字がみえ徳や愈など情性に関する字も二十数文をみるこ とができる。文字の展開を通じて、その意識や観念 の発達を、あとづけることが可能である。
漢字「心」の漢字源P422の解釈
象形。心臓を描いたもの。それをシンというのは、しみわたる) (しみわたる)・浸(しみわたる)などと同系で、血液を細い血管のすみずみまで、しみわたらせる心臓の働きに着目したもの。
漢字「心」の変遷の史観
古人は心をどう考えたか
唐漢氏は古人は心を一種の感覚器官と考えていたので、《孟子》の中で言うように「心の官即ち思う」であると考えている。いわゆる心は思想、感情、意念を表すのにも用いられ、心機、心態、独具匠心、心领神会など。「心跟」は一般的に心底、内心を現す。
また「心」は部首字であるので、左辺にあるときは、「リッシン・偏」となり、そうでないときは、"想、愁、慕、念"等のように、下でしっかりと支える形となる。全て心で思うことに関係している。
しかし、甲骨文字に見るように、古人が「心臓」を一種の感覚器官としかとらえていなかったとは到底信じがたく、古代人はすでに心臓を具体的に血液循環のかなめとしての器官とらえており、体の中に占める心臓の役割もしっかり把握していた。そして時代が下って、諸子百家の時代になって初めて、形而上学的な把握がされ、ものごとの心、中心であるという認識がされるようになったのではないだろうか。人間の認識の発達の過程を跡付けできる漢字であると考えている。
まとめ
漢字「心」の甲骨文字は、まるで心臓を解剖したかのような記述である。細かく見れば、2心房2心室とでもとらえられるような記述である。太古の昔にこのような認識に至っていたとは驚きである。「漢字考古学の道」のホームページに戻ります。
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