2015年5月1日金曜日

漢字「旧」の起源と由来

前回「復」という漢字の起源と由来を調べた。これ東日本大震災から4年が経過し、「復興、復旧」がまだままならない前に、この震災に対する日本人の思いや衝撃や教訓が忘れ去られ、この未曾有の大事件についてもすでに風化しつつあるのではという危惧の念が人々の口に上ったことに触発されたからである。
 そして、復旧という漢字に当たってみることとし、まずは复の字について調べた。唐漢氏は神屋を祖先や霊が行き来することを表し白川博士は量器を打ち返すことの動作を表すというそれぞれの解釈の間には、かなりの開きがあるものの、還るということでは共通している。
 そこで今回は旧という漢字について調べ、2つの漢字があわさって如何なる意味を表すかについて考察した。

引用 「汉字密码」(唐汉,学林出版社)

旧は繁体字の「舊」(フルトリという)の簡体字である。舊は原本は一種の鳥の名称である。即ち、鶴鷹またカモメカラスともいう。甲骨文字では と書く。古代の先民たちはこの種の鳥を残忍で殺戮を好みいつもほかの鳥の巣に入り込み占領し、彼らの雛を食べると思っていた。
 甲骨、金文、篆書の中の舊の字はまさに一匹の毛と角の鳥が爪を伸ばし鳥の巣に侵入する形をしている。これは正に一匹の鳶(ミミズク)が巣を占領して、他の鳥の巣を壊している形状だ。旧の本義は鳶が鳥の巣に侵入し占領している様である。(これはいささか飛躍しているようにも思うが・・。)
 以降多く陳旧(すでに壊され無用になった巣の意味)を表示するのに用いられ、新と相対し、基本義は次第に消失した。 「詩・大雅・文王」のごとく、「周旧邦といえ、その命新しさを繋ぐ」この中の旧は即ち過去を表している。
 現代漢語の中の故旧(旧友)、旧書(古本)、懐旧(昔をしのぶ)など、その中の旧は、みな過去を表し、随分以前の意味である。
  現在日本では、「復旧」は元の状態に戻すことであり、「復興」は一度衰えたものが再び盛んになることまたは盛んにすることとしている。(大辞林)
 復興とは前の状態に戻すことではなく、衰えを盛んにすることで、前の状態に復することではない。復旧と復興ではその持つ意味合いはかなり異なってくる。即ち「復」の持つ意味が、違っていることになる。前の状態に復することと前の状態に復するのではなく、新しい状態にすることの全く相反する意味になっている。では、「復」の意味はいったい何なのだ?
「漢字の世界の起源と源流を探る」のホームページに戻ります。