2021年1月4日月曜日

漢字 正の成り立ちの意味するもの:正月や正義の漢字「正」に隠された恐るべき意味は、恐るべき不正義だった


漢字「正」の起源と由来は恐るべき不正義だったことあなたはご存知でしたか?



漢字「正」:正月の「正」のとんでもない成り立ち。
 「正」とは、「一:もともと口と書き、邑や国を表した」とその下に「止」:侵攻する」の会意文字で、国や邑を侵攻することを表しており、もともと征服という意味だったのです。この字から征服の「征」のという字ができたのです。

 この正という字は、さらに拡張され政治の「政」という「
圧を加えてその義務負担を強制することを意味する漢字も作り出します。

 そして重圧を加えてその義務負担を強制する行為そのものは、「正当、正義」であるとされてきました。

 つまり「正義」なんというものは、征服者の屁理屈から生まれたものだということが3000年前から、明らかになっていました。

 この屁理屈からいえば、国を侵略して征服するのも正、その征服した国から重税を取り立てるのも「正」だということになります。

 だからといって現代の概念「正義」を全否定してしまうものではありませんが・・。


引用:「汉字密码」(P342、唐汉著,学林出版社)

 "正zheng"、これは会意文字です。甲骨文字の正は、上部の正方形は周囲の壁がある村や城市の壁を表し、下部は「止」という言葉で、街に足を踏み入れようと足を上げるという意味を示しています。

 金文の「正」という言葉は、上のボックスが四角か塗りつぶされた四角であるか、あるいは水平の横一線であり徐々に形象の味を失っている。

  小篆と楷書はこの流れで「正」と書かれています。

  「正」の本来の意味は、到達目標であり、直線前進であります。拡張されたり、抽象化されたりの点から、「偏り」、「斜め」、「湾曲」とは対照的に、「中正」、「正直」の意味になっています。また指事物の正面あるいは主要面で、「反」「副」に相対するものである。「相対性」とは、「真ん中で、真ん中で」など、進行中または特定の時点で発生しているものも指します。


漢字「正」の字統の解釈
 「正」とは「一」と「止」に従う。ここで「一」は□で城郭に囲まれている邑。「止」はそれに向かって進撃する意味で、その邑を征服することをいい、「征」の初文。「正」はもと征服を意味し、その征服地から貢納を徴することを「征」といい、重圧を加えてその義務負担を強制することを「政」といった。そしてそのような行為を正当とし、正義とするにいたる。

漢字「正」の漢字源の解釈

 会意文字。「一」+「止」(足)で足が目標の線めがけてまっすぐに進むことを示す。 「征」の原字。

因みに、正月とは中国の暦法で、一年の基準になるものをいう。改正とは、王朝が変わったとき、正月をいつとするのかの基準を改めて、新たに暦を決めることをいう。


終わりに
 「正」とは征服の「征」の原字。そして「征」とは、その征服地から貢納を徴することをいう。
 重圧を加えてその義務負担を強制することを意味する「政」も正から生まれた。

 そしてそのような行為も「正当、正義」とした。つまり正義などというものは、征服者の屁理屈から生まれたものだということが3000年前の文字から言えること。

 まあ、声を大にして言いたいことは、為政者が振り回す「正義」には気をつけろということです!


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2021年1月2日土曜日

新年の「新」の起源と成り立ち:新は囚人の拘束具を斧で解き放つ意味で、囚人から奴隷へと新しい命運の始まりをいう

新年の「新」の起源と成り立ち:新は囚人の拘束具を斧で解き放つ意味で、囚人から奴隷へと新しい命運の始まりをいう
 「新年おめでとう」、「謹賀新年」などと普段から何気なく使う新年の「新」。実はその起源と成り立ちは我々が思いもよらなかった歴史が秘められていて、そこには血と涙の弛まぬ人々の思いがこめられていた。

 漢字「新」の左側は囚人のための拷問器具である「辛」、右側は柄の折れ曲がった斧である「斤」です。 二つの図形の会意文字は、囚人を護送した後、斧を使用して拷問器具を首から外すことを意味しています。囚人の拘束具を斧で解き放つ意味で、囚人から奴隷へと新しい命運の始まりをいう。


引用:「汉字密码」(P622、唐汉著,学林出版社)
「新」は囚人の首から斧で枷を外す意味
唐漢氏の解釈
 「新」、これは会意文字です。甲骨文の「新」という言葉は左右が結びついた構造を持っています。左側は囚人のための拷問器具である「辛」、右側は柄の折れ曲がった柄の斧である「斤」です。 二つの図形の会意文字は、囚人を護送した後、斧を使用して拷問器具を首から外すことを意味しています。

 金文の「新」は甲骨文字を継承しましたが、斧の形は「斤」に変化しました。小篆の文字「新」が左側の「辛」の下に「木」が追加されています。これにより、小篆の左側の構成が簡略化され、「亲」になり、そのため、「新」と表記されます。 捕虜から奴隷へ、それは新しい命運の始まりです。

 「新」の本来の意味は「新生」、つまりさしあたり死から逃れ(古代社会では大きな祝福です)、「奴隷の新しい運命」の始まりです。このことから、拡張され一般的な意味の「新」すなわち「新しい人、新しい火、新しい芽、花嫁」などの一般的な意味での「新しい」に拡張されます。
 捕虜の首から拷問器具を外し、薪に使用します。したがって、「新」はたきぎの意味を持つことから「薪」とも書きます。「新」に「草冠」を付け加えたものです。 《南史•陶渊明传》のなかの「助汝薪水之劳。」の中の 「薪水」の本来の意味は、薪と水です。薪と水は生活必需品です。したがって、後世は「薪水」を「俸禄」と呼び、現在は「給料」と呼ばれています。



字統の解釈
 会意文字:辛と木と斤に従う。辛は針。新木を採るとき、木を選ぶのに矢を放ち、針を打つなどして選木の儀礼があって、神に供すべきものを定めた。新とは新死者のための神位を作るの意味。


漢字源の解釈
 会意兼形声 辛は鋭い刃物を描いた象形文字。亲は「木+音符「辛」の会意兼形声文字で、木を切ること。「新」は「斤(斧)+音符「亲」で、切り立ての木、生々しい意。


結び
「新年おめでとう」、「謹賀新年」などと普段から何気なく使う新年の「新」。実はその起源と成り立ちは我々が思いもよらなかった歴史が秘められていて、そこには血と涙の弛まぬ人々の思いがこめられていた。



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