2019年1月19日土曜日

今話題のファーウエイは、「華為」の中国語読みです。


漢字「為」の起源と由来
今話題のファーウエイは、「華為」の中国語読みです。つまりこの会社は、大昔にあったとすれば、「中華の象調教」会社という名前で呼ばれていたかも知れません。

 太古の昔は、甲骨文字の生まれた地方、いわゆる中原は現代より暖かく、亜熱帯性の気候であり、水牛や「象」が闊歩していたと想像される。

 そして古代の人々は、その象を見て、「象」の鼻が自在に器用に動くことから人間の手のように色々なことをしたり、物を作ったりする機能を象を借りて文字を作った。


引用:「汉字密码」(P89、唐汉著,学林出版社)

「為」の字の成り立ち」
 一頭の大きな象の完全な図形、左上に手が描かれている。グラフィック全体を通して、象と手の会意によって、象の鼻が人間の手のように自在に器用に動くことを表現している。事実、古代の先祖は象の鼻の器用な機能から「する」または「作る」という一般的な意味を表現するようになった。

  金文中の「為」という単語は、長い象を除いて短い小さな段に短縮されている。
  小篆から隷書まで、隷書から楷書iまで、そして繁体字を経由して簡体字に至るまで、象のイメージと意味はまったく見ることができません。中国語の「為」は、多義的な単語であり、一般的な単語です。


今では、「為」をどのように使うのか
 今では、できる、するという一般的な意味に使われたり、更に拡張されて「だから・なので」、「・・するために」、「・・されて」という意味を持ち込むことになります。また文の最後にあって、感嘆詞や「いずくんぞ〇〇や」などのように反語的語気を示します。


漢字源の解釈
 会意文字:「為」の甲骨文字は、「手」+「象」で、象に手を加えて手懐けて、調教するさま。この事から、人手を加えてうまく仕上げるの意味。

字統の解釈
 「手」と「象」とに従う。手を以て象を使役するかたち。

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2019年1月18日金曜日

灰色の政治家は誰だ? 漢字「灰」の起源を問う


漢字「灰」の起源と由来
 灰色の政治家は誰だ?真っ黒かも知れない。しかし未だ断定できない状態にある政治家を「灰色の政治家」といいます。

 一昨年、昨年と二年越しで、日本の政治は大きく混乱しました。表向きはその混乱は収まったかのように見えます。しかし、国民の間には、その疑惑の燃えカスが未だ熾火のように、残っています。
 政治を混乱させた灰色高官は誰?


引用:「汉字密码」(P329、唐汉著,学林出版社)
「灰」の字の成り立ち」
 「灰」これは会意文です。 金文の「灰」の字は、下部は「火」で上部は「叉」です。 2つの形の会意で、手と火から取り出される灰燼を意味します。 進化の過程で、小篆は叉の中の小さな点が省略されました。 それゆえ、「説文」はこれを「灰色、火が消えて余リカス」と解釈している。「叉は手なり、火は消えているが、また起こすこと可能。」すなわち、火が消えた後に拾うことができる残り火。 楷書が変更され、「手」が省略され、「灰」となった。


漢字「灰」は如何に使われるか
 死んだ灰は発熱、発光することもないので、しばしば自信のなさや意気消沈したことの隠喩として使用されます。

 《庄子•知北游》に、「形若搞骸 , 心若死灰」(形は枯れ木のごとく、こころは死んだ灰のごとし)。成語の中で「心灰意懒、灰心丧气」(がっかりして何もする気になれない)などがあります。


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