2018年9月28日金曜日

漢字「也」の起源と成り立ち:太古の生殖崇拝の現れ


漢字「也」の起源と由来

引用:「汉字密码」(P493 、唐汉著,学林出版社)

「也」の字の成り立ち」

「也」説文では、「也は女陰なり、象形文字」と解釈している。秦刻石の”也”の字である。これがいうには、女性の生殖器の象形であるとし、小篆で




と書く。昔からいろいろの解釈があり、反対者もはなはだ多かった。


甲骨文字では育の字は左のように描く。嬰児の出生の一般的状況下で頭が先に出てくる。このため倒置すると、女陰を示す甲骨文字の也という字から嬰児が出てくる模様を完全に表現したものと考えられる。

也の本義は既に消失しているが、今日では多く使われ、漢語の虚詞を作る。
 又漢語の多くの構成要件にもなっている。「地」が生殖の土とで、地は土と也からなる。池は水中で万物が繁殖するところで、水と也からなる。
 也の仮借は虚詞も作り、主要には判断の語気の言葉に用いられる。也の字は又副詞にも用いられる。

 これに対し白川静博士は、説文にあげるのは秦漢の時の字形で、也の初形ではないとしており、也の匜という水器の形だと主張する。


古人は如何に考えたか
 古人にとっては、子孫の反映のため、今以上にセックスは重要なことであった。そのため生殖崇拝が広く信仰され、世界のいたるところで、男根、女真を奉ることが行われていた。今でこそ、ある意味卑猥なこととして見られているが、古人にとってはそれは切実なことだったと考えられる。
 そのことからしても、漢字の中にこういったシンボルが使われていたと考えるのは、ごく自然のことだと判断される。


漢字源の解説
 漢字源では、「也」は平らに伸びたサソリを描いたものという。ここでサソリが出てこようとは思わなかった。
 

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