漢字「酉」の起源と由来
「汉字密码」(P877、唐汉著,学林出版社)
読み方:(音) ユウ (訓) とり |
酉は象形文字である。甲骨文字の酉の字と半坡遺跡から出土した底のとがった陶器のビンの形はよく似ている。
この字は男の象徴を表す「且」の字をと同源である。これによって酉の字の本義は男の嬰児である。母を知るが、父を知らない母系社会で男子の血縁はせいぜい下に向かって下る辿る他ない。
申と酉の字を互いに受け継ぎ、一つは女性の共祖一つは男性の後代に対応している。(「申」を参照) 酉の字は早くから十二支の名前に借りてその本義を失っている。酉の字が構造的に酒瓶の字に似ていて、男性の祖先(先王)に酒を祭り福を祈願することから、言葉が転移し、十二支の酉と醸造の酉が混淆したものだ。
金文の酉は既に完全に酒瓶の形状をしている。このことはこの時代には製陶技術が大きな発展をしたためである。酉瓶は既に酒を醸造するための瓶となり、酒盛りの専用器具となった。原本の酒の字は水の形を省いた後、酉となった。金文から小篆は変質し、楷書は酉と書く。 酉の本義は逆さまの「且」である。底のとがった陶器の瓶である。即ち器の皿として酉は「尊」の初めの文字である。酒を盛る器を示し、指事詞に用いられる。(「尊」は甲骨文字では、酒瓶即ち『酉』を両手でささげ持つ形をしている。)
「酉」は十二支の表示に仮借されて、十二支の10番目をあらわす。元々上古先民は男根信仰があり、酒を男根にささげていた。嬰児が大きく成長して、子々孫々絶えることなく栄えることを希求した。時間をあらわすと午後5時から7時を表す。酉は部首字で漢字の中では「酉」は組み合わせて、字を作る。酒と大いに関係がある。酝、酿、酔、醒などなど。
この説明は、少しこじ付け臭いが、男根信仰は日本でも見られ、強ち否定は出来ない。
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