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2021年3月3日水曜日

漢字の成り立ちと由来:漢字「竹」に見る造字の基本


漢字の成り立ちと由来:漢字「竹」に見る造字の基本
 文字のなかで、竹に関するものは、竹カンムリで表示されている。象形文字は葉を下向きに描くことで、草や木の「葉」と区別し、竹であることを示している。


引用:「汉字密码」(P197、唐漢著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
 竹は象形文字です。 甲骨文字の「竹」という文字は、竹の枝の形に由来します。竹の形は象形文字で示すのは困難で、竹には枝があり、枝には小さな枝があり、枝には葉があります。古代の文字を造る時、同じようなものの中に差異を求めることになりますが、象形文字を倒立させて竹と林と区別しました。

 金文の "竹"は、2つの竹の棒が直立するように、接合部から切断、竹の葉が垂れ下がる状態で描かれ、小篆と楷書がこの関係を引き継いたが、形はだんだん整ってきました。

 漢字「竹」という言葉は根本的な言葉であり、全て竹に関係があり、「竹」という言葉を持つ漢字の文字「笛、萧、箭、笔、算、智、筷、管」があります。


字統の解釈
 竹の葉に象る。竹の葉の象形。説文も竹部に属するものは144文あり、竹の文化は文学や絵画に特殊な風雅を添えているとする。



「漢字の起源と成り立ち 『甲骨文字の秘密』」のホームページに戻ります。

2020年8月30日日曜日

漢字「箸」:その成り立ちから社会の変化を探る



 箸は竹かんむりです。これは漢字ができたころには箸が発明されており、しかも材質は竹が主流であったようだ。




引用:「汉字密码」(P115、唐汉著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
 「箸」は形声文字で、竹と者の音声から構成されます。 「者」の本来の意味は、箸に漆で塗ることであり、箸を囲み、つけるという意味が込められています。

「箸」は竹を使用してその材料特性を示し、「者」は箸が食べ物を箸に付けることを可能にするものであることを示します。

 この解釈には唐漢氏の事実誤認があるような気がする。なぜ漆でなければならないのか、時代考証が必要ではなかろうか。


箸にまつわる故事
 「韩非子」が記載の本に基づくと、殷と商王朝の終わりに、商の纣王は、自分のために「象の箸」を作るよう命じた、つまり象牙の箸を注文した。大臣の算子はこれを見て、これが周の纣王の腐敗と堕落の始まりであり、殷商がすぐに滅びるであろうと考えて、非常に恐ろしく感じた。事実、殷商朝は周によってすぐに滅ぼされてしまった。

 現代では、ワシントン条約の関係で象牙の箸はすっかり鳴りを潜めたが、ごく最近まで一般家庭でも象牙の箸は普通に見られた。殷商の時代との間には3500年の開きがあるが、人間はなんと贅沢になったものだと思う。この人間の傲慢さが、今の地球の危機を産んでいることになる。


字統の解釈
 形声文字。声符は「者」。




結び
この逸話から分かることは、殷商の時代には贅沢品にしろ、象牙細工が流通していたことだ。しかしその象牙細工はべらぼうに高いものであったようだ。



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