信の言葉の成り立ち
信は会意文字である。金文は人と言う字と口から出来ている。小篆は強調を明確にした字になっている。口の上に舌を加え、人と言の会意文字になっている。楷書はこの関係から「信」となった。
白川博士はこれは「口」ではなく、「サイ」という神のお告げを入れる箱だと解釈する。
信の本義
信の本義は二つある。一つは使者のことで、《字汇捕》は古くは使者のことを「信」という。二つに曰く「消息」のことである。論語の中での「信」
信の字が道徳の領域に入るに当たり、「論語・公冶長」の如く「その言を聞く而してその行いを信ず。」「信而有征(確実である上に証拠もある)、信史(信用できる史実)、守信(約束を守る)、威信(威信・信望)の言葉では皆真に為すの意味を持つ。また拡張されて、信仰、信奉の意味も持つ。「信教、信仏」等である。《广雅》は信は敬ことと解釈する。述べてなさざれば、信而して古くなる。儒家の道徳の範疇内では、信は誠実の意味はない。さらに「西洋人が「モーゼの十戒」の道徳標準にみるような「真実を話せ」の様な意味も含んでいない。為に実用主義的道徳の範疇の、「忠、孝」は「真実の」と敢て言うことはできない。
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