「乃」と「子」からなる。「乃」は金文では二人称に用いられ、いわゆる「汝」として用いられる。また中国語では「奶」(おっぱい)の旁に用いられる。以上のことから類推して「孕」は汝の子として作られた可能性もある。
漢字「孕」の本義は懐妊である。
妊婦の腹の中に子を包んでいる様が形象化されている。
金文の中の下部の横線は懐妊中は 性交を禁忌すべきことを表したもの。 |
従って「孕」という字は「身」の意味を持っている。即ち身重、懐妊の意味である。
甲骨文字中で細かく描かれているものは、金文中の中では「子」の形は簡略化され一点になっている。また、下辺に加えられた横線は妊娠期間中は性交を禁じたものである。
小篆の「孕」の字は体と「子」から構成されたものである。
字形が整えられて、母親の腹の中にいる子供を強調したものである。
「孕」の本義は懐妊である。妊婦のことである。即ち懐妊した女性を指す。《説文》の解釈は、子を包むこと。《庄子・天運》曰く、妊婦は10月で子を産む。いろいろな事を発生することから、生育と似たように捉えて、いわゆる孕育の一語でたくさんの新事物が萌生・発育することを比喩している。例えば、雨は雲の中で孕育するとか新しい文化が旧体系の中で孕育される等など。
胎児は母親の腹の中にあって、自ら包含する意味から、いわゆる孕の字は包孕のように特に包含することに用いられる。
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