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2021年8月22日日曜日

漢字「到」の成り立ちと由来:矢が到達した場所に人が到達することが原義である。しかし人間の認識が共通の認識に至るまでにどのくらいの時間が必要だったのか


漢字「到」の成り立ちと由来:矢が到達した場所に人が到達することが原義である。共通の認識に到達し合意に至るのは簡単ではないとアフガンの情勢から思い知る昨今である。


漢字「到」の楷書で、常用漢字です。
 左側は「至」で、右は「立刀」で語義は、到達するということです。
 「到」と「至」は到達することをいい、この為2文字は互いに読み合うことも可能で、説文は「到」は至なりとしています。
 「至」は事物の到達することを表し、「到」は専ら人が到達することをいいます。
到・楷書


  
到・甲骨文字
左辺は「至」という字で、右辺は跪いた人が横から見ている形です。
到・金文
将に跪いた人が直立した形です。
到・小篆
刀を持って人が到達したことの会意文字です


    


「到」の漢字データ
 

漢字の読み
  • 音読み   トウ
  • 訓読み   いた(る)

意味
     
  • いたる。行き着く。目的地に達する。・・他の意味、用法は基本的にこの意味から派生している
  •  
  • 至りつくす。極みに至る。「到底・到頭・味到」
  •  
  • 心配りが行き届く。

同じ部首を持つ漢字     到、至、倒、室、窒
漢字「到」を持つ熟語    到着、到達、殺到、周到、到来、到底




引用:「汉字密码」(Page、唐汉著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
 「到」の右半分の形の変化は十分典型的です。十分な説明となっており象形文字が、漢字の歴史學の中ではこうした変異は間違っているというものも少なからず見られることです。

 「到」と「至」は到達することをいい、この為2文字は互いに読み合うことも可能で、説文は「到」は至なりとしています。

 


漢字「到」の字統の解釈
 字の初形は至と人に従う。至は矢の到達するところ、そこに人の立つ形である。「説文」に「至なりと訓し、刀声の字とするが、金文の字形は人に従う字を作る。到達と致送ともと同系の語より分化したものと思われる。


参考ページ
漢字「至」の起源と由来


まとめ
 「一見は百聞に如かず」という諺がある。確かにこの「至・到」にしても、原字を見ればその意味するところはたちどころに分かる。では、何故象形文字やエジプトのヒエログラフのような文字を人類は使わなかったのだろう。漢字やエジプトのヒエログラフなどは、稀有の文字体系である。どうして表音文字が優勢であったのか。人間の認識の発達に重要なヒントが隠されているような気がする。



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2016年12月24日土曜日

漢字「至」の成立ちを「甲骨文字」に探る:矢が地面に到達する「そのまんま」の字形を表す


漢字「至」の起源と由来
引用:「汉字密码」(P574、唐汉著,学林出版社)


 「至」これは象形文字である。甲骨文字の「至」の字の上部は逆さに書かれた矢で、頭を下向けにした矢である。下部の横一は地面を表示している。全部の字形は射出された矢が地上に落ちて達した様である。到達した意味である。小篆の字形は形を整えたものである。但しまだこの時点では古い文字の特徴は保留されている。
「至」は《玉篇》は「至、到」なりと解釈している。「至今、至此、自始至终、朝发夕至」の言葉の中の「至」の通りである。
成語「至死不变" 、 "至死不悟」の中の2つの「至」の前者は、「死に至るも変わらず」後者は、「死に至るも尚悟らない」ことを意味している。「弓箭落地」も矢が終点に到達したことを表示している。いわゆる至の字は「終点、最、極」の意味に拡張されている。
「至理名言、 至高无上、至亲好友」の「至」は皆極、最を表し、古代の孔子に対する尊称で「至圣先师」の中の至は、道徳的に最も高尚であることの形容である。
 24節の「夏至、冬至」両者とも節気を表している。「夏至」はこの一日が北半球で昼間がもっとも長い日であるし、夜が最も短く、夏至はその正反対を表す。夏至と冬至の中の「至」の字は、均しく太陽運行が南北回帰線上にいて、夜昼の長短が極点に達する時である。
 「至」は漢語中、連句を作り、一つのことから別のことに到達する程度と範囲、結果を表示する。「至于、竟至于、以至于」など等。(程のことになる、思いがけずついする、・・なるまでする、さらに・・までする)


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