2020年10月30日金曜日

漢字「門」の起源と由来:門を形どった門そのものの象形文字


 漢字の面白さがそのままの形で分かる。誰から見ても門は門だ。門柱を2本だけ立てたものではなく、門柱に横木を渡して門の形を整えているのは、考えることはみな同じといえる。

 この文字を基にして、間、閉、関、開などの漢字が生まれた、まさに基本中の基本の漢字といえる。


引用:「汉字密码」(P736、唐汉著,学林出版社)
象形文字である。
門柱の上に横木を渡し形を整えたことは字からも読み取れる
唐漢氏の解釈
 「门」とは、建物や他の建物の出入り口を指す「門」の簡体字です。甲骨文の「門」という字は、門構え、ドア横木、両開きの門扉があります。これは明らかに完全な門です。 中国古代の建築形式で、片扉から両開きへと、発展させたものです。金文の「扉」の横木は削除されていますが、両開きの扉の元の形はそのままです。小篆と楷書はこれを一脈通じ、漢字の簡体化とき、画数が多すぎるので「门」となりました。

 門の本来の意味は、両開きの門で「芝で覆った門戸」を示しています。詩で詠われた門です。また、拡張され部屋の出入り口、つまり「部屋のドア」を示すように拡張されました。



字統の解釈
 説文の解釈を引用し、やはり「門」の象形文字とする。



漢字源の解釈
 左右2枚の扉を設けた門の姿を描いたもので、やっと出入りできる程度に狭く閉じているの意を含む



結び
漢字の面白さがそのままの形で分かる。誰から見ても門は門だ。門柱を2本だけ立てたものではなく、門柱に横木を渡して門の形を整えているのは、考えることはみな同じといえる。

この文字を基にして、間、閉、関、開などの漢字が生まれた、まさに基本中の基本の漢字。人間の思考の発展過程を辿ることができる漢字である。


「漢字の起源と成り立ち 『甲骨文字の秘密』」のホームページに戻ります。

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