2012年12月22日土曜日

来年の干支の蛇の起源と由来

 来年はへび年である。我々は人の年齢を聞くのに、直接「お幾つですか?」と尋ねるのは少し僭越な感じである。相手が長寿を誇っている場合まだしも、そうでない場合はやはり気が引ける。その場合、婉曲に何年ですかと聞くとあまり角が立たずに聞ける。この干支というものは大変便利であるし、ある意味合理的である。これに十干を組み合わせると60年になり、すくなくとも何十年前までは、人間の一生は60年ぐらいのものであったので、日常生活にはこれで十分事足りる。  しかし、来年はなぜへび年のなのか未だに良く分からない。  ここで漢字の「」の起源と由来について考えてみる。干支ではなく生物の「」についてである。  
引用 「汉字密码」(P100,唐汉,学林出版社)

「蛇」の古体字は「ウ冠にヒ」と書く。現代中国語では、この字と蛇では全く違う字になってる。両種の概念も同じではない。上古時代は、「ウ冠にヒ」は蛇の字であった。まさに甲骨文字が示すように、「」は象形文字である。
 まざまざと展開しているのは、長い大きい三角の頭を持った毒蛇である。金文と小篆の「」の字は文字の変化の過程の中で蛇の象形を失っている。ために「」の字はずっと前から代詞として用いられ、後の人は虫という字を旁に加え、と書き、もっぱら毒蛇の只一つの概念を表した。
 ここまで見てくると、漢字の蛇という字と干支のを表す「巳」とが、古代においても似ても似つかぬ字であることが分かる。 
 とするとやはり唐漢氏の言うように、子丑寅という十二支と動物は全く別物という考え方も出てくる。今の段階では、唐漢氏の言うように干支という時間軸の指標には人間の出産までの過程を表したものであるという考え方に同調するものである。


「漢字の起源と成り立ち 『甲骨文字の秘密』」のホームページに戻ります。



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