2012年7月2日月曜日

「苗」:漢字の起源と由来


 先日台風4号が来て、和歌山の田が水浸しになっていたのがニュースになっていた。レポーターが百姓さんに大丈夫ですかと聞いていたが、百姓さんは「未だ植えたばかりなんで大丈夫です」と答えていた。これが高知だったらもう第一期分は刈り取りの時期なので大きな被害があったに違いと思いながらみていた。

苗という字の語源と由来


「苗」という字は会意文字である。金文と小篆の字形は、等しく小さな草が萌え出て来て、田と組み合わせになっている。草かんむりと田が合わさって、田の中から成長してくる幼い苗が正に生え始めていることを表している。植物の成長の過程で漸く成長する時を「苗」という。開花時は「秀」といい、結果の時は「実」という。


論語で曰く「苗而不秀者,有矣夫!秀而不者,有矣夫! (苗而して花付けないものもおり、花咲いて実をつけないものもいる。)」これは孔子が彼の弟子顔回英が年若くして逝ったことを惜しんでいったことである。後に「苗而不秀」は成語になって、才能のある人が早く死ぬことを言う時に専ら用いられるようになった。


苗のいろいろな使い方

 拡張されて、「苗」の字は広く植物の株や動物がまだ初めの状態にあること指す。例えば、苗場、豆苗、苗、花苗、苗等である。また更に拡張され、事物が初めてその兆候を表すことを示すことを言う。(露頭)、火苗(火頭)等である。また特に疫苗を指し卡介苗(ワクチン)などという。この類の疫苗は人体に注入し、人体の免疫力を増加するためのものである。


「漢字の起源と由来ホームページ」に戻ります。