2018年2月17日土曜日

オリンピックで感動を与えた羽生結弦選手の苗字の頭に戴く「羽」の成り立ちは?

漢字「羽」の起源と由来
引用:「汉字密码」(P79、唐汉著,学林出版社)


 「羽」は象形文字である。鳥類の翼の上の羽の羽毛が平たく並んでいる様子だ。右の図の羽の字を横に持ってきて、平らにおいてみると、絶好の象形になる。このことから「羽」即ち翼をいい、又羽毛を指す。鳥が木にとまる時両方の翼はわきに収め、身体を覆う。この種の状態もまた「羽」と呼ぶ。だから羽と組み合わせた文字は殆ど皆鳥の羽、翼と関係がある。「習、翔、翻、翼」などである。
 現代漢語中「羽」は鳥類の量詞になる。「一羽鸽子」(一羽の鳩)のごとくである。また矢の代名詞的なもの、古代には矢が飛ばせるときまっすぐでかつ揺れないように、矢の尾には皆羽が巻き付けられていた。
 成語で「负羽从军」は、弓矢を背負って軍に加わり戦争に行くことを指し、羽毛を着て戦いに赴くことではない。

 昔から羽を飾りに用いることが多いのは、単に美飾のためだけではなく、呪的な意味のあるものとされたからである、白川博士は「字統」の中で述べている。


「漢字の起源と成り立ち 『甲骨文字の秘密』」のホームページに戻ります。

2018年2月12日月曜日

漢字「気」の成立ち:甲骨文字では初めは「三」と書いていた.

漢字「気」の起源と由来

引用:「汉字密码」(P266、唐汉著,学林出版社)


 甲骨文字中の「三」の字は形状は、一、二、三の三である。但し実際は気(qi)の字である。
 ここでは上下の二本の横線が天と地を表している。真中の短い横線は空気または気を表す。三千数百年前の殷商の先民は既に「気」という概念を認識していた。

 古人は[気]は宇宙を構成する万物の基本要素であると認識している。また人の精神的基本素因を構成する。それゆえ、"勇气、朝气、官气、娇骄二气の如く拡張して人の精神的状態となる。


 ところが、この「三」では余りに紛らわしいので、春秋戦国時代になって、気の字形は先ず上の横を曲げて書くようになった。また下の横線を湾曲させ手描いた。そして小篆の時になって、3つの横線を均しく曲げ、楷書はこの関係から气とかく。


「漢字の起源と成り立ち 『甲骨文字の秘密』」のホームページに戻ります。