2021年2月11日木曜日

漢字「休」の由来と成り立ち:人と木の会意文字で、意味することは休息ではなく、立ち止まっているという意味です


漢字「休」の由来と成り立ち:人と木の会意文字で、原義は休息ではなく、立ち止まっているという意味です
 漢字「休」は今では休息するという意味にとらえられる傾向が強いですが、古代文字を見ると、人が木に寄りかかって休んでいるわけでもなく、木の下で横になって休んでいるわけでもありません。
 したがって、原義は休息するとか休むというより、停止することと解釈されるべきです。

しかし、「休」を動詞的に使う時と、副詞的に使う時がそれぞれありますので注意が必要です。
動詞的な使い方(止めるの意味): 休職、休業、休戦、休演、休刊
副詞的・形容詞的な使い方(休むの意味):休暇、休日、休止、休息、休養、休眠


引用:「汉字密码」(P356、唐汉著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
 「休」は会意文字です。古文中の休の字は右は木で、左は歩いていく人の象形文字です。両形の会意で、人と樹木がどこかに立っている意味で、先民が文字を作る時人が木に寄りかかって休んでいるのではなく、又人が木の下で臥せって休んでいるわけではありません。

 造字方法から述べると人が木の側を歩いていることであると考える方が自然でしょう。本義は停止するあるいは何かの行動を止めるという意味です。

まとめ
 漢字「休」は今では休息するという意味にとらえられる傾向が強いですが、原義は休息というより、停止すると解釈されるべきです。

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2021年2月10日水曜日

漢字「滅」の由来と成り立ち 原字「烕」は戉と火からなり鉞(まさかり)で火を消すこと。後にサンズイ偏がついて水で火を消すことを表している


漢字「滅ぶ」には二つの字体がある。「烕」が原字であるが、戉でもって火を消すという一種の呪術的な意味合いがある。
「鬼滅の刃」というアニメがある。 今一世を風靡しているが。さてこの「滅」という字は、原字は「烕」と書き、サンズイがない。この「烕」という字は、古代中国の聖器の武器「戉」と「火」の会意文字であり、火を戉で消すという呪術的な意味を持っている。、

 同じような意味合いで、「鬼殺の刃」としても、意味は通じるが、ここはやはり古風な響きのある「鬼滅の刃」というのがしっくりくる。なかなかいいネーミングだ。


滅の字の付く熟語・・使い方の異なるいくつかのグループに分かれます。考えて見ましょう
滅亡、消滅、死滅、絶滅、壊滅、自滅、点滅、幻滅、必滅、滅私、滅却、滅法 滅相、撲滅、殲滅、毀滅、鬼烕、滅裂



引用:「汉字密码」(P582、唐汉著,学林出版社)
字統の解釈
 滅 形声 声符は烕(べつ)、烕は戉を火に加えて、火を沈めるの意であるが、呪的な意味を持つ方法であろう。《説文》に「盡るなり」とあって、絶滅する意。

烕を《説文》に「滅ぶるなり」と訓し、その義を五行説を持って解しているが、戉は聖器、これを持って火を鎮圧する呪儀があったのであろう。


漢字源の解釈
 烕  会意兼形声。烕とは「戉+火」の会意文字で、刃物で火だねを切って火を消すことを示す。

滅 「水+音符・烕」で水をかけて火を消し、又は見えなくすること。


まとめ
  漢字「滅」の由来と成り立ち 原字「烕」は戉と火からなり鉞(まさかり)で火を消すこと。後にサンズイ偏がついて水で火を消すことを表している


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