2020年4月12日日曜日

コロナは漢字で「暈」と書く。コロナウイルスは現代社会には??


コロナは元々皆既日食の時に観測される美しい天体現象だ。この場合中国語では日晕という
https://ja.wikipedia.org/より
中国語でコロナをなんと言うか。辞書で調べてみた
  1. 電晕:これは電気の現象でとがった電極の先から発せられる環状スパーク
  2. 日晕:皆既日食などで太陽の周りに現れる光の環
この他意味合いは違うが、日晕というのがある。これは曇りのときなどに現れるいわゆる暈(かさ)である。

 今流行のコロナウイルスはこの天然現象のコロナとは全く異なるものであるが、コロナウイルスが、この天然現象のころのとよく似ていることからこの名前を冠せられたという。美しき天然現象のコロナにとってはいい迷惑なのかもしれない。


引用:「汉字密码」(P271、唐汉著,学林出版社)
コロナは日本語では「暈(かさ)」と表現される
唐漢氏の解釈
 「晕」の本来の意味は、「太陽の晕と月の晕」を意味します。
 これは、太陽と月の光が巻層を通過するときに氷の結晶が屈折または反射することによって形成される一種の光の画像です。空では、多くの場合、太陽と月の周りに色のついた光輪として現れ、いくつかは太陽と月を通過する白色光の帯として現れます。

字統の解釈
形声文字。声符は「軍」「軍」めぐるものの意味があるとする。「暈」は日月の周りに生ずる暈をいう。


漢字源の解釈
会意+形声文字。[軍]は車を並べて丸く取り巻いた営舎のこと。丸く取り囲むの意を含む。「晕」は「日+軍(音符)」で、日を丸く取り囲む光の輪のこと。



結び
世界中で猛威を振るうコロナウイルスは、この自然現象のコロナとは全く関係のないこと。しかし、コロナウイルスは人間が利を求めて、世界のありとあらゆるものを略奪した結果噴出してきたものと考えれば、この自然現象は人間に自然が人間を超えることが出来ないことを人間に知らしむ一つの警告かもしれない。


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漢字:免疫の『免』の意味するもの、コロナウイルスに対する人類の生き残りは?


コロナウイルスは人類の免疫を無きものにするかも知れない。人類の生態系を脅かすものになっている。
4月11日には、世界で170万人を超す感染者と、10万人を超す死者が確認された新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)。しかし、このウイルスの真の発生源はどこか、世界中の細菌学者や感染症学者が、『 新型コロナウイルスの「0号患者」を探せ!』と血眼になって探しているが未だ明らかになっていない。一方世界の5大陸に広がっているこのウイルスは、すでにアマゾンの奥地にも及んでいるようだ。
 栄養の偏りや貧血の問題を抱えている子供も多く、免疫系が脆弱でウイルスや細菌に弱いとされる先住民族たち。医療も行き届かないなか、共同生活のせいで病気があっという間に流行するため、はしかやマラリアと同様、呼吸器感染症の流行は部族の絶滅につながると恐れられている。いまやコロナウイルスは、人類自体の生態系に重大な影響を及ぼしつつあるといえる。 
 「疫」から免れる機能である、免疫に世界の注目が集まっている。

『免』という漢字
 ここでは、この「免疫」のキーワードの中の『免』という漢字に焦点を当ててみよう。
  [免]という漢字は、免疫という言葉以外に免職、罷免という言葉に使われている。いずれも、「免」という言葉は、脱離の意味に使われている。


引用:「汉字密码」(P709、唐汉著,学林出版社)
『免』という漢字の起源と成り立ち
 「免」、これは会意文字です。甲骨文字の「免」という言葉は、下の部分が直立した横から見た人間の姿で、その上は羊の角の装飾が施されている帽子を表しています。
 金文の下部の「免」という字は今でも「人間」の形をしていますが、帽子の飾りは「八」の字に略されています。
  小篆の「免」の字には上部に人間の形が追加され、下部の「人間」の形状はアール化しています。
 楷書ではこの関係から「免」と書くようになった。


『免』という漢字の原義は「被り物」
 「免」という言葉の本来の意味は、もともとは帽子やその類の装飾でした。部屋に入るときや客に会うとき、休憩するときにはすべて脱ぐ必要があるため、「取り除く、離脱」という意味に拡張されます。

 「左荘・哀公16年」の「乃免冑而进」とあるのは、ヘルメットを脱いで部屋に入るという意味です。


古代の皇帝の冠

 後の世代は「冕」という言葉を作成しました(上は冃です)。これは、専ら帽子をかぶるの意味を具体的に表しています。 「説文」には、「冕」を説明し、貴族と官僚の上の役人だけが王冠を着用できることを意味する。

 中国の時代劇に出てくる、あのすだれの付いた冠です。「ベンカン」と呼ぶらしいです。




結び
免という字は元々被り物や帽子を指す言葉だったのが、使われているうちに「被る」ではなしに[脱ぐ」という意味になって定着してしまったというのは面白いですね。



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