2012年5月27日日曜日

「叶」は葉のこと 「葉」(叶)の起源と由来は


現在中国語では「葉」を「叶」と書く 
  以前からいくら簡略化と言え、このように似ても似つかない漢字を当てはめたのだろうと不思議に思っていた。調べてみてようやく納得がいった次第だ。

繁体字の「葉」に簡体字「叶」が当てられた理由
 「叶」という字の繁体字は「葉」という字である。つまり以前は「葉」という漢字を使っていたということである。しかし、出来るだけ書く数を減らすという漢字の簡単化の作業を進める中で、「叶」と定めたものである。
 ではどのようにしてこの似ても似つかない漢字が当てられたのかというと、古代の音のグループの中で、「葉」という漢字と同じ音を持つグループに「協」という字が属していた。この「協」という字の異体字(古体字)に「叶」という漢字があったことから、「葉」の簡体字は「叶」と定められたようである。

「葉」の変遷
「叶」は「葉」の簡体字と同時に古代においては「協」
の異体字で全く同じ意味
甲骨文字の「葉(叶)」の字は象形文字である。上部の三つの点は枝の上の葉の形をしている。金文の葉の字の上部は横が短く変形し、小篆の「葉」の字はこの変化により、「世」と「木」の会意文字になっている。「世」は即ち草木の葉の生え替わり繁衍していくことであり。繋がり断たれることがないことである。
楷書(繁体字)では「草かんむり」が加わり、葉の本来備えている性質を表明している。現在の簡単化された「叶」の字は同音の近い「協」の字の借用である。(「叶」は元々「協」の字の異体字・古体である。)中国語で葉を意味する時は「叶」とかいて、Yeとよむ。


「叶」は「協」の異体字、では協という字の起源は
「協」は力が三つあり、それを合わせることの意味
しっくりいっているという意味にも用いられる
  「协」は「協」の簡体字である。甲骨文字の「協」の字は三個の「力」が並列に並んだ合体会意文字で、共同協力を表す。一緒に種を播くの意味である。金文の「協」の字は甲骨文字を引き継いでいるが下に口が加わって、多くの人の声を合わせ力を合わせることを強調している。小篆では下部の口が簡略化され、逆に十の字が加えられ人数が多いことを表示している。
 説文にも「協の本義は協力、協作、協商等の様に共同して力を出し合うことと知るべし。」とあるようだ。
協は古文の中では睦まじく打ちとけ合う、調和がとれているの意味も表わす。中国語で「叶」と書いて、Yeと読むときは「葉」、Xieと読むときは、協力するの意味に使うようである。勿論协」と書いても何ら問題はない。

何かと不協和音の多いこの世、皆力を合わせてしっくりと行きたいものだ。


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2012年5月25日金曜日

孔子は野合の子というコンプレックスに苛まれていた?: 「野」の起源と由来

昔学生運動の渦中にあった時、セクト同士が自らの主義・主張を置き去りにして、当面の利害で結びつくような行動をとった時、「野合するな」と怒鳴ったものだ。その時は、何も考えずに使っていたが、今思うと随分下品なことを言っていたものだ。英語で言うと「Fuck you!」と変わりがないのだから。



「野」の原義は樹林の中で行われるセックス  
「野」は樹林の中で正式な儀式もなく行われる
性交為をさし、古代には下劣なものとみなされた
   「野」:甲骨文字の野の字は林の中に一個の「士」がある。会意文字である。士は成年男子の生殖器で林は野外の樹林を指す。この事から野の字の本義は野合である。即ち男子が荒れた林の中でセックスを敢行することである。 

殷商の時代は性行為は神聖なものであった
 殷商の時期、男女の間の性行為は一種の集団活動で、かならず祭祀をして、飲食など交歓が進行される。夜の帳が下りると氏族の成年男子は氏族の間の相互に固定的な伴侶を伴い関係する氏族の住居地に行き、その女性と同じ祭祀神祇や祖先に祈る。それから既に祭祀を通して祖先の神霊の酒肉お供え品を食べ、その中で伴侶と一緒に歌舞音曲を楽しみ最後に男女の性交で、次の交歓が可能になるのである。

 
「野」で行うセックス(野合)は下劣と思われていた。
 野は一人の男子が荒野の林の中で行う私的なセックスで、当時の先民の歯牙にもかけないものなのだ。だから野には卑劣とか下劣という意味がある。
 史書には孔子は父母の野合の末生れていていると書かれている。ここでの野合は荒れた樹林の中の性交のことであり、婚約のない関係のいい加減な行為あると思われた。 

生活様式の変化はセックスの形態にも変化を与える
古文の野の字は将に「士」の字は「土」に変化している。字を使って意味を明晰にし、また一個の「予」を加えている。「予」の字の上部は▽で下部は上矢印で、性行為を表す。小篆の野は即ち「里と予」を用いた会意で、セックスの場所が荒れた林から田んぼと土に変わっている。大体農耕文明が進行した後、村の周りの高粱畑が荒れた林に取って代わり、ついに自分の家の作物畑の中でセックスせざるを得なくなったことと関係をしている。

「野」という文字の使われ方
「野」は郊外を指す時はこの本義からの延長である。「牧」の字の本義が牛や羊の放牧あったのが拡張されたと同じである。《尔雅》は「村の外は郊という、郊外は牧という。牧の外は野という。しかしこれは等しく城邑の中心に源を発し、放牧と野合は地理的な位置関係を言っている。《乐府诗集》のなかで有名な歌は、天蒼、蒼、野茫々、風草を吹き牛や羊が見える。ここの「野」は広野を指す。 


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