2021年2月20日土曜日

漢字の成り立ちと由来:漢字「離」は何から離れることを示しているの?


漢字の成り立ちと由来:漢字「離」は何から離れることを示しているの? 鳥の巣立ちのこと?
 3月は人々が離れ行く季節です。卒業で学校を離れ、人事異動で職場を離れます。

 甲骨文字や金文などの古代文字が何とも面白い。漢字の元となるこういった文字は、直感的に、見たまま、感じたまま捉え表現している。人間の認識というものは、本来こういうものではなかったろうか。なぜ漢字以外文字が発展しなかったのか考えて見る価値はありそうだ。



引用:「汉字密码」(P121、唐漢著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
 「離」は会意文字です。甲骨文の離の字はまさに長い柄のついた捕獲用の網にまさに一匹の鳥を入れた状態を示している。金文の離の文字は捕獲用の長い網の下に一つの手を加え、上部には、「森」のシンボルが使用して鳥が隠れている草むらを示しています。
 小篆は甲骨と金文に基づき組み合わせを整合して、鳥が草の中の巣から離れることを明確に示しています。楷書はこの関係から「離」と書きます。簡体化の時に半分を取り除き「离」と書きます。

 離の字は一匹の鳥が網にかかり、永遠に自分の巣に別れを告げる様を示しており、この為「離」の本義は災難が降りかかり、災難にあうという意味を示している。


字統の解釈
 「離」とは、鳥もちにかかった隹(鳥)の意味で、之を離去することを「離」という



漢字源の解釈
 会意文字。 「隹」と「离(大蛇)」で、もと蛇と鳥が組みつ離れつ争うことを示す。
 甲骨文字を見る限り、この解釈は少し違うように思えるのだが…。

 

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