2018年11月24日土曜日

日産のゴーンさんは漢字で「戈恩」と書く:その漢字の意味は?


ゴーンさんの名前の意味するところ

 日産のゴーンさんは漢字で「戈恩」と書く:その意味はこじつけだが「恩をブッタ切る」

 最近、新聞・テレビなどで最もクロースアップされている人物というと、日産の元会長の「カルロス ゴーン」氏であろう。今でもフランスの自動車会社ルノーの取締役会長兼CEOにして、三菱自動車工業の会長も兼務し、日本とフランスの自動車工業会に大きな力を持っているという人物である。彼はまさに「天国から地獄」へ急転直下の憂き目にあっており、日本の司法当局の対応が注目視されているが、日本、フランスおよび世界の自動車工業界に大きな影響を与えるだけに事はそんなに単純な問題ではないだろう。

 日本では、カタカナがあるので実にうまく、簡単に名前の読みを音に比較的忠実に表記できるが、カタカナのような表音記号を持たない漢字の世界では西洋人の名前を表記するのは、簡単なことではない。

 今日は、漢字の起源などという難しい問題はやめて、単純に西洋人の漢字表記について考えてみよう。

 西洋人の漢字表記は、中国の新華社が命名した漢字表記に追随するらしい。いくつかのルールが有る。音が似ている漢字を持ってくることが多いようで、
 トランプ・・特朗普 特にあまねく朗らかに (確かにアメリカンカーボーイのようにどこでも陽気だ)
 オバマ・・・奥巴馬 奥へ入った所で巴のごとく堂々巡りする馬(確かに混迷するアメリカが出口を失った馬のよう)
 ケネディー・・・肯尼迪 「肯」は喜んでする 「尼」梵語で母の意、「迪」は道、何かの始まる道
         確かに彼は1960年代何かが始まるような雰囲気を持って現れた

 という具合です。こうしてみると、表音文字を当てたにも係わらず、それなりに含蓄のある命名になっている。

ゴーンさんの名前漢字表記
ゴーンさんの場合、「戈恩」と書くらしい。 ここでも表音文字として使っているので、意味は特にない。
 しかし、あえてこの漢字表記の意味を取り上げてみると、次のようになる。

 「戈」は象形文字である。甲骨文字の「戈」の字はまさに「戈」のデッサンだ。
 戈の竿の上にある先の尖った横棒は「戈の頭」で、上端の短い一画は「秘帽」で、下端は「鋳」になって降り、地上に突き刺せるようになっている。金文の「戈」の字は、甲骨文に比べると美観は真に迫り、特に戈の後面の補画は穂を示している。小篆の戈の字は線条明晰であるが、象形の味わいはいくらか失われている。楷書はこの関係から「戈」と書く。
 このとおり、名前の意味を忠実に解釈すると、「恩」をまさかりでぶった切るという物騒な意味になってしまう。

 彼は日産で、容赦なく首切りを断行した。彼が偉いのではない。彼の首切りを断行を許した日本の風土の問題だ。外国ではこうは行かない。戦争に負けた日本はまるで気の抜けた空気のように、ゴーンに支配され、まるで腰の抜けた奴隷のようにヘナヘナと。よく似ているではないか。
 

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