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2023年8月25日金曜日

漢字「秘」の成立ちに込められた秘密:漢字「秘」の神髄は「必」にあった?


漢字「秘」の出生の秘密に迫る。ノギ偏に「必」に隠された意味は??





漢字「秘」の今

漢字「秘」をばらしてみたら?「秘」の解体新書


漢字「秘」の楷書で、常用漢字です。
 必は戈矛の柄部の形。「必」の字の本義は兵器の「柄」です。史書によれば、「必」は工芸を表し、作りは十分に複雑な作りで、 後に麻の糸の糸巻きが用いられた。こうして作られたものは柔軟で強度が非常に高く、兵器の柄の持ち手に用いられした。
 言葉の意味を明確にするためにのちに「木」が加えられ、「秘」と書いて、兵器の柄の部分を指すようになった。
秘・楷書



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 漢字「必」は戈矛の柄の象形である。この柄を部族の守りの象徴として、神に祀り、大切に守り育ててきた。その儀式が部族の存続と共に定着し、やがて「祕」という言葉を産んだ。この儀式はおそらく部族の守りとして、他の部族には見せることのない神聖な部族の象徴になったであろう。その中で従来の「必」と「祕」との間に分化が起こり、必は「これを掲げたからには、必ず」という決意を折らわす副詞的に用いられるようになったのではないだろうか。 
必・武器の柄を示すものであたが、武運を願う秘密の儀式を示すようにもなった
祕・武運を願う秘密の儀式を示す漢字「祕」が生まれて以降は、「必」は専ら副詞に用いられるようになった

秘・「示」偏が「禾」編になったのは古人のうっかりミス。つまり禾編である理由が見つからない


 


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「秘」の漢字データ

漢字の読み
  • 音読み   ヒ
  • 訓読み   ひ

意味
  • 人に知られないようにする、隠す
  •  
  • 奥深くて、人間では知る事ができない
  •  
  • ひそかに
  •  

同じ部首を持つ漢字     泌、祕、秘、泌
漢字「秘」を持つ熟語    秘、秘密、秘宝、秘め事



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説文

 祕、[兵媚切 ]、神也。从示必聲。






漢字「秘」の字統の解釈:必は戈矛の形。おそらく必を用いる呪儀が秘密とされたのであろう。但しノギ偏は古代人のミス

 必は戈矛の秘部の形。おそらく必を用いる呪儀があり、 その呪儀が殊に神秘にして、秘密とされたのであろう。

 〔説文〕 に「神なり」とし、神秘の意。[弊伝]に「必 の言たる、閉なり」とは、閉門の義があるとするものである。宮は媒神を祀るところで、 子を求める神、いわゆる郊禖。その幽暗なる宮で秘儀が行なわれたのであろう。それより祕奥・祕蘊 ひけつ 祕義・祕薬・祕訣・祕法など、容易に人に対して開示しないものの意となる。



漢字「秘」の漢字源P1151の解釈:棒に添え木を当てて絞めつける様を描いたもの

 解字会意兼形声。必は、匕(棒)を両側からしめるさまを描いた象形文字で、両側からそえ木を当ててしめつけるゆだめ(秘)のこと。秘は「示(かみ)+音符必」で、入り口をしめつけて内容がわからないようにした神秘なこと。秘が本字、秘はそのへんが禾に変じた字。泌(しめつけて汁をしぼり出す)・密(入り口をしめてかくす)などと同系。




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漢字「秘」の変遷の史観

文字学上の解釈

 
  
必・武器の柄を示すものであたが、武運を願う秘密の儀式を示すようにもなった
祕・武運を願う秘密の儀式を示す漢字「祕」が生まれて以降は、「必」は専ら副詞に用いられるようになった
秘・「示」偏が「禾」編になったのは古人のうっかりミス。つまり禾編である理由が見つからない
密・密は廟中において必に火を加えている形。それが密儀の方法であり、その密儀を秘という。
  
  





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まとめ

 以上漢字「必」を基にしたいくつかの漢字を見たが、必の字義である戈矛の柄の部の意味を失うことなく、神の前で神格化し、大切に「必」に込められた精神を守り続けてきた。

 そしてさらにその字義の概念をひき継ぎ、新しい概念「密」「泌」等などを発展させている。
 この文化の発展は、漢字を基礎としているからこそなしえた技であると思う。この発展の過程を漢字を通して跡付けることは、漢字考古学の研究の冥利に尽きると考えている。

 

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2023年8月22日火曜日

漢字「必」の起源は刀の柄にあり? 元々は何を意味していた?太古の人々が何に誓ったのか?


漢字「必」は元々は何を意味していた?太古の人々が何に誓ったのか?

漢字・必は今では必ず・必然という意味に使う。しかし漢字が意味していたものは驚くなかれ・・

  我々の祖先は最初から抽象的に物事を考えたわけではない。その謎を解くカギは、象形文字にある。

 甲骨文字では武器の柄の部分を表す。木に添え木をして補強し、縄や紐で周りをぐるぐる巻きにしたもので、木の棒単体より強度が増し、戈や斧などの柄に用いられた。

 この様にして両側から締め付けられた木は動く余地ががなくなることから、ずれる余地がなく、そうならざるを得ないという意味が引き出されたという。

 武器を手にしたら、必ず・・ という意味が含まれているのだろうか? 深読みのし過ぎ??




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漢字「必」の今

漢字「必」の楷書で、常用漢字です。
 兵器の柲部の形戈や矛・鉞等の頭部を柄に装着する部分を主とする形である。

 「秘」は「必」を初字として作られ。「必」は専ら副詞として用いられる
必・楷書


漢字「必」の解体新書


必・甲骨文字
戈と矛・斧、鉞などの兵器の柄の部分のデッサンです
必・金文
両側に点が加えられ、糸縄の巻き取りと漆の塗装を示します
必・小篆
両辺の点が長く引っ張られ、隷書化の後楷書の「必」の字になりました。


「必」の漢字データ

漢字の読み
  • 音読み   ヒツ
  • 訓読み   かなら(ず)

意味
     
  • かならず、絶対に      ・・必然、必死
  •  
  • きっと行う、絶対やり遂げる ・・必読
  •  
  • 欠くことができない     ・・、必須事項

同じ部首を持つ漢字     必、柲、泌、秘
漢字「必」を持つ熟語    必要、秘密、必需、必然



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漢字「必」成立ちと由来

引用:「汉字密码」(Page、唐汉著,学林出版社)

唐漢氏の解釈

 甲骨文字の「必」の字は戈と矛・斧、鉞などの兵器の柄の部分のデッサンです。金文は両側に点が加えられ、糸縄の巻き取りと漆の塗装を示します。この時期の武器の精巧な職人技を説明しています。小篆の「必」の字は、両辺の点が長く引っ張られ、隷書化の後楷書の「必」の字になりました。「必」の字の本義は兵器の「柄」です。

 史書によれば、「必」は工芸を表し、作りは十分に複雑な作りで、中は非常にいい、外は5から七辺の細長い竹の皮の包みで、後に麻の糸の糸巻きに用いられた。こうして作られたものは柔軟で強度が非常に高く、兵器の柄の持ち手に用いられた。

 

漢字「必」の字統の解釈

 象形文字。 兵器の柲部の形。戈や矛・鉞等の頭部を柄に装着する部分を主とする形である。
    必の初義には後に、柲という漢字が作られ、「必」はもっぱら副詞に用いられるようになった。



漢字「必」の漢字源の解釈

  象形文字 棒切れを伸ばすため両側から締め付けて当て木をして締め付けた様を描いたもの。 両側から締め付けると動く余地がなくなることからずれる余地がなく、そうならざるを得ない意を含む。柲(弓だめのあて木)の原字。弓だめとは:弓矯め/×檠 弓の弾力を強くするために、弓幹(ゆがら)を曲げてそらせること。また、曲がっている弓の材を、真っすぐに改めること。



漢字「必」の変遷の史観

文字学上の解釈

 漢字「必」の3款を示す。この字が戈や剣の柄の部分を意味していたとは、驚きである。金文の字が創作されてからもいう塚の変遷を経ながらも、文字としての利便性を整えながらも、美しさを供えて仕上げられている様は、ある種の感動すら覚える。



まとめ

  『沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。』は平家物語の冒頭の部分の下りです。今のプーチンを見ているとこの一句が思い浮かばれます。ロシア国民の心の中には、かつてのロシア帝国のノスタルジーが残っているのでしょうか。それにしても罪なノスタルジーです。今の日本にも、このようなノスタルジーが亡霊のように湧き出して、気味が悪い世の中になりつつあるようです。
  


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