紛らわしい漢字「棚」と「柵」は古代人にも紛らわしかったのか? 全く別物だった
前書
漢字には紛らわしいものも多く、「柵」と「棚」などその一例でしょう。この紛らわしさはいったいどこから来るのでしょうか。甲骨文字に戻ってその原因を探ってみましょう。
「棚」という漢字の成立ち
引用:「汉字密码」(Page、唐汉著,学林出版社)
目次
前書
漢字には紛らわしいものも多く、「柵」と「棚」などその一例でしょう。この紛らわしさはいったいどこから来るのでしょうか。甲骨文字に戻ってその原因を探ってみましょう。
「柵」という字の成立ち
漢字「柵」の楷書で、常用漢字です。 左側は「木」で、右側は「冊」で語義は、書き物を綴じて、纏めたものです | |
柵・楷書 |
柵・甲骨文字 |
柵・金文 まさに柵そのもの |
柵・小篆 木偏をつけて「柵」だということを明示的に示している |
AIの解答例 漢字「棚」の楷書で、常用漢字です。 左側は「木」で、右側は「朋」で語義は、簡単な建築物で、現在の棚とは少し概念が違っているようです。 朋は意味は、同朋の朋と同じ意味で、連ねて併せること。 小屋、篆書=(木製の家)+(朋、併せてつながる)、言葉の意味は次のとおりです。基礎もなく、壁もなく、棟も梁もありません。木板(竹の板)を用いて、四方の壁と屋根をつけただけの簡単な建築物 字統の解釈 [字形] 形声 声符は(朋)(ほう)。に相連するものの意がある。〔説文〕に「棧(さん)なり」とあり、また閣ともいう。〔倉頡〕に「樓閣なり」とあるのはいわゆる複道、屋根のある廊下のことである。 | ||
棚・金文 | 棚・楷書 |
引用:「汉字密码」(Page、唐汉著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
柵は象形文字である。甲骨文字、金文字の柵の字は等しく柵の意味で、垣根のデッサン絵である。周時代は「柵」は木簡柵に借用された。
木や竹を用いて編んで垣根とする。古代では物を押しとどめるために多用された。
商周の時代の青銅器多くの柵の図形がある絵が書かれていた。
図の如く豚を飼う為で、二つの目が看守の人がいることを示している。二つ目は柵の中には牛と樹木がある。3つ目は柵の下に4把の木鋤があり、柵で囲んだ土地の上の工作物を表している。
柵は象形文字である。甲骨文字、金文字の柵の字は等しく柵の意味で、垣根のデッサン絵である。周時代は「柵」は木簡柵に借用された。
木や竹を用いて編んで垣根とする。古代では物を押しとどめるために多用された。
商周の時代の青銅器多くの柵の図形がある絵が書かれていた。
図の如く豚を飼う為で、二つの目が看守の人がいることを示している。二つ目は柵の中には牛と樹木がある。3つ目は柵の下に4把の木鋤があり、柵で囲んだ土地の上の工作物を表している。
まとめ
柵は文にも書いたように、基本的に動物を囲い込んで養育するためのものであり基本的に屋外に作られ、家の構造物とはみなされていなかったようである。
文字の作りも、木や竹を並べ、綱や縄であんだり、戸を付けたりしている様子が反映されている。
ところがタナはあくまでも屋内の構造物であり、廊下であったり、で物を整理するための棚と考えられていたようである。したがって文字の作りもさくとは大きく異なっている。
柵は文にも書いたように、基本的に動物を囲い込んで養育するためのものであり基本的に屋外に作られ、家の構造物とはみなされていなかったようである。
文字の作りも、木や竹を並べ、綱や縄であんだり、戸を付けたりしている様子が反映されている。
ところがタナはあくまでも屋内の構造物であり、廊下であったり、で物を整理するための棚と考えられていたようである。したがって文字の作りもさくとは大きく異なっている。
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