漢字「賢」の成り立ちから何が見える:賢者とはズバリどのような人を指すのか。漢字の中に刻み込まれていた
「賢」は「臣」(恭順な奴隷の眼に辛を加えて奴隷の身分を明確にしたものを「臣」という。)の多才なものを取り立てた奴僕を「賢」とした。後に、その社会的地位は上昇し、尊称で呼ばれる存在となったと同時に、奴僕の地位からは解放された。後世『竹林の七賢人』といわれるように、その文芸や諸芸の才能が注目されることとなった。
「賢」の漢字データ
引用:「汉字密码」(Page、唐汉著,学林出版社)
「賢」は「臣」(恭順な奴隷の眼に辛を加えて奴隷の身分を明確にしたものを「臣」という。)の多才なものを取り立てた奴僕を「賢」とした。後に、その社会的地位は上昇し、尊称で呼ばれる存在となったと同時に、奴僕の地位からは解放された。後世『竹林の七賢人』といわれるように、その文芸や諸芸の才能が注目されることとなった。
漢字「賢」の楷書で、常用漢字です。 賢の本義は恭順で能力のある仕事のできる人、即ち後世の例えの「徳才兼備」な者をいっている。 この「賢者」で、すぐに筆者の頭に浮かんだのは、春秋時代の越の宰相。范蠡です。 この人は呉越戦争の中で、越の再興の最大の立役者であり、国を再考させて後は、さっさと身を引き、他国で事業を起こし、財を成した人です。 この「賢」と同じような意味の漢字に「敏」があります。「敏」の方は、《論語》の中で、敏捷干事、寡言実行、即ちあまり多くを語らず敏速に事を行うことに重点を置いた才能をいい、これは孔子が心に思う君子のことだ。 | |
賢・楷書 |
賢・甲骨文字 恭順な眼(前の臣の字を参照せよ)と作業する手からなり、良い奴僕の意味です |
賢・金文 甲骨文を引き継いでいる |
賢・小篆 金文の漢字の下に財の符号(貝)を加えている。秦漢の時期には仕事が出来る、才能がある、その上に銭がある(金持ち)ことが賢の要件になっている。 |
「賢」の漢字データ
漢字の読み
意味
同じ部首を持つ漢字 堅、緊、腎
漢字「賢」を持つ熟語 賢者、賢人
- 音読み ケン
- 訓読み かしこ-い
意味
- かしこい。利口。才知にすぐれた。
- まさる。すぐれている
- すぐれた人 相手に対して敬意を表すために言葉の頭に冠して用いる
同じ部首を持つ漢字 堅、緊、腎
漢字「賢」を持つ熟語 賢者、賢人
引用:「汉字密码」(Page、唐汉著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
賢は会意文字だ。甲骨文と金文の構造形は、恭順な眼(前の臣の字を参照せよ)と作業する手からなり、良い奴僕の意味です。小篆の「賢」の字はその下に財の符号(貝)を加えている。秦漢の時期には「賢の標準は昇格して恭順ばかりではなく、仕事が出来る、才能がある、その上に銭がある(金持ち)という意味になっている。
賢は会意文字だ。甲骨文と金文の構造形は、恭順な眼(前の臣の字を参照せよ)と作業する手からなり、良い奴僕の意味です。小篆の「賢」の字はその下に財の符号(貝)を加えている。秦漢の時期には「賢の標準は昇格して恭順ばかりではなく、仕事が出来る、才能がある、その上に銭がある(金持ち)という意味になっている。
漢字「賢」の字統の解釈
漢字「賢」は臤+貝からなる。「臤」は「賢」の初文。「賢」はもともと界の良質のものをいう字であったろう。 臤は臣すなわち目の眼を、又(手)を加えて傷つけるもので、神に捧げられた徒隷をいう。臣や妾はもと神に使えるものであった。多才であることは神に仕える重要な条件であった。
漢字「賢」は臤+貝からなる。「臤」は「賢」の初文。「賢」はもともと界の良質のものをいう字であったろう。 臤は臣すなわち目の眼を、又(手)を加えて傷つけるもので、神に捧げられた徒隷をいう。臣や妾はもと神に使えるものであった。多才であることは神に仕える重要な条件であった。
まとめ
会意文字であるが、甲骨文字にせよ、金文にせよ、生き生きとした人々の姿が活写されて、実に思い白い。
会意文字であるが、甲骨文字にせよ、金文にせよ、生き生きとした人々の姿が活写されて、実に思い白い。
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