漢字の成り立ちと由来:漢字「延」 延延と続くまん延防止措置の期間は何時まで延びるのか
緊急事態宣言の発令中、具体的な措置が何もなされないまま、解除され、案の定コロナは急拡大、政府は病気の蔓延は政治の問題ではないとどこ吹く風の雰囲気。次にはまん延防止措置の発令をする。これもまた自助が基本にあるだけに、「お願い」の声掛け、そしてやることは見回り隊など監視の強化。
このままでは、政府は国民を監視することに満を持して待っていたとしか思われない。国民はあきらめと怒りしか残らない。
このまん延防止措置期間は何時まで延びるのか。期限は一応切られてはいるが、実質的にまん延を防止できる時期は、何時まで延びるのか見通しは立たない。オリンピックの再延長はできない。ワクチン以外にほかに有効な手立ては打てないのか。
漢字「延」の楷書で、常用漢字です。左側は、「廴」で、白川博士によると「廷・建」にあるように儀礼の場所をいう。甲骨文字では、ギョウニンベンのように読め、行進、行くことを意味したものと思われます。右側は「止」の字のようだったようで、歩くという意味を持っています。 両者の会意で、長く歩くことの意味であったようです。 | |
即・楷書 |
甲骨文字「廴」 墓所に通じる道を表したもの | 「止」・甲骨文字
原義は「足」を表し 歩くことの意味に拡張された | 「延」・小篆 以上2文字の会意で、長く歩く、長い距離を行進するの意 |
「延」の漢字データ
漢字の読み
意味
使い方
熟語 延期、延伸、延滞、延着、延長、延命、遅延、蔓延
- 音読み エン
- 訓読み の(びる) の(ばす)
意味
- のびる。のばす。引きのばす。ながくなる。おくれる。
- ひろがる。
- ひく。ひき入れる。まねく。
- のべ: 延べ人数
使い方
- 声符
- 構成要素 筵、䘰、涎、鋋、誕
熟語 延期、延伸、延滞、延着、延長、延命、遅延、蔓延
引用:「汉字密码」(P400、唐汉著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
「延」は会意文字です。左側は道路の意味で「ギョウニンベン」で、右辺は前進を意味する記号です。両者の会意で歩いて前進することです。
金文は甲骨を引き継ぎ、構造は同じです。小篆は変化の過程で分化し「処」と延の2字に分化しました。その中の延の中の「止まる」が増加し、正の字になりました。歩いていく行程が長いことを示しています
漢字「延」の漢字源の解釈
会意文字:「止(あし)+廴(ひく)+ノ印(のばす)」で、長く引き伸ばして進むこと。「筵」(長く延ばすむしろ)などと同系
会意文字:「止(あし)+廴(ひく)+ノ印(のばす)」で、長く引き伸ばして進むこと。「筵」(長く延ばすむしろ)などと同系
まとめ
甲骨文字まで遡ってみると、現在使われている字形からは想像も出来ないことが浮かび上がってきます。文字に秘められた、コンセプトが時代とともに移り変わり、発展していくことに興味は尽きません。
甲骨文字まで遡ってみると、現在使われている字形からは想像も出来ないことが浮かび上がってきます。文字に秘められた、コンセプトが時代とともに移り変わり、発展していくことに興味は尽きません。
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