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2018年12月31日月曜日

世界で最も注目された漢字は「嘘」(フェイク)  嘘は虚なることを言うこと


漢字「嘘」の起源と由来

「嘘」とは口で「虚」(絵空事)と書く。意味は「虚」を言うこと
 因みに英語の"fake"の語源は古代フランス語の"fals, faus”(意味:うそ)から来ているらしい


 「今年の漢字」は毎年12月に公益財団法人 日本漢字能力検定協会が公募し、決定されるものです。検定協会からは「『今年の漢字』応募集計結果」が発表されていますので、興味のある方はご参照ください。

 因みに、第2位は「平」で、平成の最後、平昌オリンピックや、大谷翔平君などが話題に上った。第3位は「終」だそうで、平成の終わり、築地市場の営業が「終」了。安室奈美恵さん引退で有「終」の美を飾る。オウム 13 人全て死刑執行を「終」 える。貴乃花親方引退で相撲人生を「終」える。「平成最後の○○」というフレーズが多用されたことから、候補に挙げた人が多かったようだ。いずれによ「平成」という言葉が、発想の基軸になっているようです。

 今年はトランプ大統領のフェイクに振り回された感じですが、このような足が地につかないふわふわした次代はもういいかげん終わりにしたいものですね。

引用:「汉字密码」(P313、唐汉著,学林出版社)

「嘘」の字の成り立ち」
 今年の漢字の候補として、「嘘」を上げた方もあったようだが、上位20位にも入っていない。流行語というのであれば「フェイク」がダントツ1位にと期待していたが、こちらの方も見事に裏切られた。
 折角、期待したので、この「嘘」という漢字の成り立ちを探ってみよう。

 「嘘」は「口」と「虚」の会意文字である。


「虚」の成り立ち
 嘘のは「虚なることを口で言うことが、字の成り立ちであったことは当ブログの記事「漢字「嘘」の起源と由来」でも触れた。

 今の世の中で非常に大きな問題は、この「虚」ということが蔓延していることではないだろうか。仮想通貨は今や実態経済の何十倍にも膨れ上がり、世界を駆け巡り、資本主義経済を崩壊させている現況になっています。この資本主義の悪しき運動即ち実態経済からの乖離と悪貨の果てしなき増殖運動が、資本主義自体を押し潰そうとしている。これらは、全て実態からかけ離れているにも係わらず、いかにも実態であるかのように認識して吹聴する嘘が元になっている。先に述べたトランプ大統領の「フェイク」手法、イギリスがEUを脱退するきっかけになったのも「嘘の情報」、インターネットを駆け巡る怪しい情報といずれもそれで世の中が動いてしまうのが、今非常に危険なことではないだろうか。そして、世界中の誰もがその危険な行き着く先を知っているものがいないということだろう。
まさに、「我が亡き後、洪水来たれ!」

「漢字の起源と成り立ち 『甲骨文字の秘密』」のホームページに戻ります。

2017年3月25日土曜日

漢字「嘘」の起源・由来を「甲骨文字」に探る:元々は「墓」だった


漢字「嘘」の起源と由来
 近頃、世間は「嘘」の話で結構騒がしい。大阪で幼稚園を経営する籠池氏という方が、小学校を作りたいと大阪府に申請を出した。その小学校の教育理念は、「教育勅語」を基本に据えるという、とんでもない時代錯誤のものらしいが、その話に、保守を標榜する色々の方面から後押しをし、また忖度をすることで、漸く大阪府の認可を取り付け、建設が始まった。しかし、その土地の取得の段階で、総理大臣夫人への依頼があったとか、お金のやり取りがあったとかなかったとか、虚虚実実の話が飛び交い、大騒ぎになっている。

 さてここでは、その真偽については、政府やマスコミに任せるとして、「嘘」という漢字について触れてみたい。

引用:「漢字源」(藤堂明保編,学研)
 「嘘」という漢字は形声文字だという。もともとの意味では、「①息を吸ったり吐いたりすることで、② 嘯くとか大げさに言う」という意味があると書いてある。日本で使われる「嘘」という使い方は現在の中国ではしないようだ。中国では「谎言、假话」という言葉が使われるようだ。 そこで。もう少し話を突っ込んでみよう。この「嘘」という字の旁の「虚」という漢字は、一体どういう由来があるのだろうか。

引用:「字統」(白川静編,平凡社)
 白川氏はある意味明快で、声符は虚。虚は墳墓(墓)のいみで、実体のないもの。嘘は言葉にならぬ気息を言う。日本では「うそ」の意味に用いるが、「うそ」は「虚偽」、「嘘」は気息に用いる文字である。

引用:「汉字密码」(唐汉著,学林出版社)

 「虚」は会意文字である。金文の虚の字の上辺は、既に「虎」の頭の変形をしたものとなっている。下辺は「丘」の字である。小篆ではこの関係から、虎の頭の形が明晰に多く残っている。楷書は丘を変化させ、「虚」になっている。「虚」は虎の頭と丘の会意で見たところ高く大きいことを表示しており、実際、土でできた大きな土山である。
 「説文」は「虚」は大きな丘だと解釈している。
 《诗•部风•定之方中》の中で、「升彼虚矣,以望楚矣。」とあるが、これは、「あの大きな土の山に登れば、楚の国の地まで見渡せることが出来る」の意味で、土の山の意味である。また拡張させて、ある人がかつて住んだことを特に指し、後に殷墟のように、荒れ果てた高台を、商の人がかつて住んでいた荒れ果てた高地を後に「虚」と書いた。
 大きな山のようで、実は土の塊の意味から、拡張されて空虚、嘘、度胸がないこと、徒然・・むなしい、無駄、ただ・・ばかり、虚弱など多くの意味を含んでいる。成語「乘虚而入(虚に乗じて入り込む)、虚无嫖纱(虚無)、虚位以待(しかるべきポストをあけて待つ)、做贼心虚(悪事を働けば,心はいつも不安である)、虚度年华(年月をむなしく送る)、虚怀若谷(虚心坦懐)」の中のなど等。



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