2021年1月1日金曜日

賀正の「賀」の成り立ち:財を意味する貝と加えるが併わさったおめでたい漢字


賀正の「賀」の成り立ち:財を意味する「貝」と加えるを意味する「加」が合さったおめでたい漢字

「賀」の成り立ちと由来

 毎年この時期になると「賀正」とか「謹賀新年」という言葉が飛び交いる。普段何気なく使っている漢字「賀」にはどんなに意味が込められているのだろうか。

年賀の季節到来!! 年賀の「賀」の成り立ちと由来は?

 結論から先に言うと、賀正の「賀」の成り立ちは財を意味する「貝」と加えるを意味する「加」が合さったおめでたい漢字である。
 財を高め、祝いを言う、贈り物を贈り、祝いの意を表す。このことから、正月などの慶祝に「賀」という文字を使う。

 年賀状は下火になったといえ、今なお冬の風物詩であり、日本の文化でもある。正月を祝うという文化は、形を変えてでも残っていくような気がしてならない。


引用:「汉字密码」(P790、唐汉著,学林出版社)

唐漢氏の解釈
 「賀」は会意文字+形声文字である。金文の「賀」の字は貝と加からできている。「貝」はここでは財物を表す。「加」は「力+口」の会意文字で、上に何かを載せるという意味を含む。添加の意味である。
小篆の「賀」は上下の字が結び合わさって改まり楷書はこの関係から「賀」と書く。

説文では賀を解釈して、「礼」を以って喜びを相奉ることだ。即財宝・贈り物を送り慶祝の意を表す。


「字統」の解釈
 「字統」では、「加」+「貝」の会意文字で、「加」は鍬を清めその生産力を高める儀式を意味するという。いずれにせよ、生産力を高め財を増やすという意味だと解釈する。

漢字源の解釈
 会意兼形声。加は「力+口」の会意文字で、、上に何かを載せるという意味を含む。賀は「貝+音符加」で、もと、礼物をうず高く積み上げるの意。転じてものをおくってお祝いをすること。


結び
 賀正の「賀」の成り立ちは財を意味する「貝」と加えるを意味する「加」が合さったおめでたい漢字である。

 漢字「貝」という漢字が使われているのは、太古の昔にはお金の換わりに子安貝のような「貝」が使われていたことからきているもので、偏であろうと旁であろうと「貝」が使われている漢字は、殆ど財やお金に関係があると考えて間違いはない。
右の画像は南太平洋諸島で実際に使われていた貝の貨幣である。

「漢字の起源と由来ホームページ」に戻ります。