2024年5月20日月曜日

漢字 経の成立ちと由来:東経135°の「経」はどこから来たの? それは古代の織機に使われたたて糸のこと


漢字『経』の由来と育ち:中国の夏の時代にすでに使われていた織機。

日本の基準の子午線は東経135°と定められている。この「経」はどこから来たのか?それは実に今から3500年前に中国で使われた織機の縦糸に由来する。
 小学校で習うことだがとっくに忘れている。改めて思い出してほしい。

導入

このページから分かること:
「漢字『経』の意味、使い方、語源、関連熟語について詳しい解説。」
  漢字の意味と成り立ち: 「経」という漢字の基本的な意味、
  象形文字としての成り立ち、古代中国での使用例など。
  使い方と例文: 現代日本語での使用例、典型的な文脈での使い方、例文。
  関連熟語: 「経済」「経緯」「経験」「経度」など、関連する熟語とその意味を解説。
  文化的・歴史的背景: 漢字の歴史的な背景や文化的な意味について

前書き

目次




**********************

漢字「経」の今昔

「経」という漢字の基本的な意味

漢字「経」の楷書で、常用漢字
 右に「経」の原字を示した。金文ではあるが、ある意味原始的な文字であるといえるだろう。これは象形文字であり、最も原始的な織機を表している。下部の横棒を足で突っ張り持ち、上部にたて糸をつけ、そのたていとを縫うようにして横糸で編み上げていく。

経・楷書


  
経・金文
経・小篆






 

使い方と例文: 現代日本語での使用例、典型的な文脈での使い方、例文。

漢字の読み
  • 音読み  ケイ、キョウ
  • 訓読み  へ(る)

意味
  • たて糸
  • 南北の方向
    日本は東経135度にあると言われる。これは地球一周は360°であり、24時間で一回転するから、1時間当たり15°回転することになる。イギリスのグリニッチを基準とすると日本は135°線上に明石が位置する。
  • 筋道(物事がそうなった理由)、または道路
  • 法律、規範、おきて
  • 時間の流れ:〇〇時間を経て・・のように使われる。
  • 境界(さかい)、境を定める
  • 治める、統治する:経世済民の精神で政治を行う、経理
  • かかる、ぶら下がる、かける
  • めぐり(周期)(例:月経)
  • 文書、特に儒教や仏教の教えを記したもの(例:経書、経文)仏教の経典を学び、悟りを目指す

同じ部首を持つ漢字     経、径、軽、茎
漢字「経」を持つ熟語    
  • 経: 経典のこと、宗教の教えを収めた書物
  • 経緯:たて糸と横糸、いきさつ、天下・国家をおさめととのえる
  • 経過:通り過ぎること、物事のなりゆき、これまで経てきた途中の状態
  • 経験:実際に自分でやってみる、実際にしたり見たりして得た知識や技術
  • 経営:事業をはかり営むこと、土地を測って、たて線と外枠の線とを引く。土台を据えて建設すること



**********************

漢字「経」の漢字の由来

象形文字としての成り立ち、古代中国での使用例など。

引用:「汉字密码」(Page、唐汉著,学林出版社)
漢字「経」の金文・小篆・楷書
漢字「経」の甲骨文字は存在しない
 しかしこの時代には高度な織物技術が開発されていただろう

漢字の暗号の解釈

「経」は「經」の簡体字。 甲骨の "経"は象形文字。これは古代のベルト織機の絵文字である。 このタイプの織機は通常、二つの平行なロッドによって縦糸を支持し、一方は織機のベルトに固定され、もう一方は縦糸を締め付けるために織機の足によって支持され、中央は縦糸と横糸を分離する。


古代織機
引用:「漢字の暗号」唐漢著
  「圣」という単語が一般的に使用されるグループ構成要素になったので、人々は「糸」偏を追加し、小篆、金文の第2款を引き継ぎ楷書では「経」と書いた。
 「経」の本来の意味は古代の単純な織機であり、「説文では「経、織り方」と解釈される。

漢字「経」の字統の解釈

形声 旧字は経にに作り、巠声。巠は織機にたて糸を張り、その一端を工形の横木に巻きつけた形で、經の初文。
 先王の典籍を経とし、これを補翼するものとして作られた漢代の識(予言)を主とする書を、緯書という。建物の造営に、まず測量して南北を正すことを経という。



漢字「経」の漢字源の解釈

 会意兼形声。「巠」は上の枠から下ノ台へたて糸をまっすぐに張り通した様を描いた象形文字。
 経は「糸+音符・巠」で糸へんを添えて、たて糸を明示した字。



漢字「経」の歴史的変遷

漢字「経」の原字
漢字「巠」・経の原字

文字学上の解釈

「巠」の由来と意味
「巠」は「巠」の原字である。 「圣」という単語が一般的に使用されるグループ構成要素になったので、人々は「糸」偏を追加し、小篆、金文の第2款を引き継ぎ楷書では「経」と書いた。






漢字「緯」 小篆

「緯」の由来と意味
 緯は経の対句の様に用いられるので、補強する意味でここに説明を加える。
 形声文字 声符は韋。韋は城邑の上下を左右に巡ることで、その左行右行を織物に移して、横糸を緯という。たて糸は経(經)。 経をたどって緯を加えるので、ことの過程・経過を 経緯という。儒家の経典とするものは経、これに附託して行なわれた漢代の予言や占トの書を緯書とい う。予言を識というので、その学を讖緯という。



まとめ

 漢字「巠」は太古の昔、使われていた織機の象形文字であり、「経」の原字である。そしてそのたて糸を明示する為に糸へんを付加され。「経」は織機から切り離され、もっぱらたて糸そのものを表すようになった。
 このたて糸が「経」の基本的な意味であり、現在では色々の使い方をされるが、すべて、この「たて糸」から派生、拡張されたものである。
 またたて糸と対句的に表現される横糸を「緯」という。
 今我々が北緯、東経などで使っている「経」と「緯」は案指しくここから出たものである。

  

「漢字考古学の道」のホームページに戻ります。   

2024年5月18日土曜日

漢字『逆』の成立ち、意味、使い方、語源、漢字の生れから成長が分かる、そして今の漢字の姿に納得がいく


漢字『逆』の成立ち、意味、使い方、語源、関連熟語のページ


いまわれわれ人間が宇宙暦のどの地点に立っているのだろうか。立ち止まるべきなのか、はてまた進むべきか?

導入

このページから分かること:
「漢字『逆』の意味、使い方、語源、関連熟語について詳しい解説。」
  漢字の意味と成り立ち: 「逆」という漢字の基本的な意味、
  象形文字としての成り立ち、古代中国での使用例など。
  使い方と例文: 現代日本語での使用例、典型的な文脈での使い方、例文。
  関連熟語: 「逆転」「逆境」「逆効果」など、関連する熟語とその意味を解説。
  文化的・歴史的背景: 漢字の歴史的な背景や文化的な意味について

前書き

目次




**********************

漢字「逆」の今

「逆」という漢字の基本的な意味

漢字「逆」の楷書で、常用漢字
 逆は向うより人の来るのを逆える(さからえるではなく、むかえる)意である。現代では、時代劇の影響もあるのか、逆には否定的にニュアンスが伴うように感じられるが、もともとそのような意味は持っていない。
 同じように用いられるのが、倒置などに見られる「倒」で、「倒」は矢の至るところに至り達する原義で、向うより人の至る意である。
逆・楷書 逆の原字・「屰」


  
逆・甲骨文字
逆・金文
逆・小篆


 

使い方と例文: 現代日本語での使用例、典型的な文脈での使い方、例文。

漢字の読み
  • 音読み  ギャク、ゲキ 
  • 訓読み  さか、さか(らう)

意味
  • さからう:反逆する
  •  
  • むかえる
  • 順の反意語:逆順、流れや基準とは反対の向を示す、逆進する
  •  
  • のぼせる、逆上する

同じ部首を持つ漢字     逆、屰、遡
漢字「逆」を持つ熟語    逆
 逆流:本来の流れの方向とは逆に流れること
 反逆:命令に反抗し、逆襲をする、日本の歴史上でも数多くの「〇〇の乱」と呼ばれる反逆が起こっている。
 逆進
 逆接:前部と後部の意味、内容に矛盾のある接続
 逆転:いままでとは逆の方向に回転する、事態が進むこと
 逆境:何事も思うにままならない、不幸な境遇
 逆効果:期待した効果が得られないこと


**********************

漢字「逆」の漢字の由来

象形文字としての成り立ち、古代中国での使用例など。

引用:「汉字密码」(Page、唐汉著,学林出版社)
甲骨にしろ金文にしろいくつかの款が存在

漢字の暗号の解釈

「逆」、会意文字。 甲骨の甲骨文字の上部は、倒置した大の字で、頭を下に向け足を上に向けた人の形をしている。 倒置した人型の下にある「止」という字は、正面を向いた行動を意味しますしている。 別の款「逆」は、「才」という単語が追加され、歩く道を示す。 小篆文字の形は基本的に甲骨、金文文字と同じですが、倒れた人の腰に横線が入っており、楷書から隷書になってからは「逆」と書かれるようになった。 「逆」は両足で逆行する、つまり後ろ向きに後退することで、本来の意味は逆行することで、このために物事が反対向けに向かうことに拡張され、常規に従わないことの逆方向に拡張される、「逆向、逆 序、逆风、逆耳」など。

漢字「逆」の字統の解釈

 声符は屰。屰は向うより人の来る形で、人の正面形である大の倒形。「逆」は逆は向うより人の来るのを逆える意である。
 それで逆の意と逆える意とが生まれる。〔説文]に「迎ふるなり」 とあり、迎にもまた逆ぎゃくの意がある。 道の順逆の意に用いるのは転義。正邪でいえばよこしま、時間の関係でいえばあらかじめ、また不遇を 逆境という。




漢字「逆」の漢字源の解釈

 「辵(シンニョウ)+屰」さかさまに進むこと。逆労:迎えねぎらうこと



漢字「逆」の歴史的変遷

「屰」の変遷

文字学上の解釈

逆の原字である「屰」。字の持つ意味も変化はないようだ。
 人が倒置された様を示している


逆の原字である「屰」に進という意味を明確にし「逆」という字が生まれた。


逆と同じような意味を持つ「倒」は「人偏+至(矢が着地した地点を示す)+立刀」より成り立つ







まとめ

漢字の発展を「屰」から、「逆」そして「倒」に至るまで見てきた。この間約1000年の年月が経過している。直近の1千年と古代の1千年の年月の経過を振り返るとその流れがいかに早くなっていることに驚かされる。これからさらに1千年の未来を考えると人類は一体どうなっているのだろうか。その頃は人類は存在しているのだろうか。我々が現在宇宙人と称しているような人(?)となって、宇宙空間をさまよい続けているのかもしれない。あるいは完全に死滅しているのか、あるいは猿の惑星で標本となっているのかも知れない。あなたならどれを選ぶ?

  

「漢字考古学の道」のホームページに戻ります。