2020年9月8日火曜日

雷に打たれることから身を防ぐ


雷に打たれることから身を守る
近年雷の発生が盛んになっているといわれている。これは地球温暖化の結果として、海水温が上昇して、端的に言えば積乱雲の発達につながり、結果として雷がより多く発生しているというのが定説のようだ。たまたま、今年20年9月の始め、神戸市から淡路島付近で発生したの分布は下図のようなものであった。


左の図の黄色のドットが示しているように、かなりの密度で雷の発生が見られる。

雷とは? (気象庁のホームページによる)
雷は、大気中で大量の正負の電荷分離が起こり、放電する現象です。
放電する際に発生する音が雷鳴で、光が電光です。雲と地上の間で発生する放電を対地放電(落雷)といい、雲の中や雲と雲の間などで発生する放電を雲放電といいます。

雷を発生させる電荷の分離は、雲の中で「あられ」と氷晶(小さい氷のつぶ)の衝突により起こると考えられています。
湿った空気が激しく上昇して上空の低い温度の層に達すると「あられ」や氷晶が多量に発生し、雷雲となります。

このため、雷は上空高くまで発達した積乱雲で発生し、雷雲の背丈は夏は7km以上、冬は4km以上となります。






雷に遭遇した場合は安全な空間へ避難(気象庁のホームページの抜粋)
1) 雷は、雷雲の位置次第で、海面、平野、山岳などところを選ばずに落ちます。近くに高いものがあると、これを通って落ちる傾向があります。グランドやゴルフ場、屋外プール、堤防や砂浜、海上などの開けた場所や、山頂や尾根などの高いところなどでは、人に落雷しやすくなるので、できるだけ早く安全な空間に避難して下さい。
2) 鉄筋コンクリート建築、自動車(オープンカーは不可)、バス、列車の内部は比較的安全な空間です。



雷サージからあなたのパソコンを守ろう・・ちょっとした気遣いを

それでも、雷の危険に遭遇したときは、「雷ぶらり」というサイトでは、雷しゃがみのポーズをとって、とにかくその場をしのぐこと推奨しています。


雷しゃがみのポーズの仕方は以下の通りです。
1. ひざを折ってしゃがみ、上半身をできるだけ前かがみにします。
2. 両足のかかと同士をつけます。
3. そのまま爪先立ちします。
4. 両手で耳を塞ぎます。
特に重要なのは、2と3です。



漢字「申、神、雷」の古文

電光の走る形に象り、神の初文 声符は申。申は電光が斜めに屈折して走る形で、神威のあらわれるところ 甲骨文字の雷は光が走る。甲骨にしろ、金文にしろ古文にしろ共通しているのは、電光が走ることであり、それらはすべて神に関係していることである。




結び
 太古の昔から、雷は神のなす仕業として、畏れ、敬い、アンタッチャブルの領域として、人間は入り込むことをしなかった。フランクリンが、雷の実態を暴いた後は、人間は神の領域をものともしなくなった。しかし、コロナウイルスにしても宇宙の果てにしても人間に分かった部分はほんのわずかな一部に過ぎない。あくなき探求心であらゆる法則を手に入れようとするのは人間の性かもしれない。しかし、人間が手を加えて、自然が自らをコントロールできないようになるまで迫るのは少し控えるべきではないかと思うようになってきた。



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2020年9月4日金曜日

漢字「舟」、船、艇、艦はどう違うの?


漢字「舟」、船、艇、艦の違いはどこにある?
 「舟」は木を刳りぬいた原始的だが、基本的な舟、船は沿岸を走るから大きな舟、艇はまっすぐ進む小さな舟、艦は船の上に版屋を設けて、矢を防ぐ形をした軍船をいう。近代の特殊な使い方で、タンカーは油轮という。

 漢字「舟」に関係する漢字を拾ってみました。これで全てかどうかは分かりませんが、全部で110個がカウントできました。
 そのうちごく一部ですが、舟が旁や偏で明示的に構成要素となっているものを要素に分解し、下記に一例として挙げてみました。

舟、航(こう 舟+亢で形声文字)、
盤(深いお盆のような器・・白川氏は刳り舟と盤は同形であるから盤形は舟で示されるとしている)
般(舟+殳(しゅ)からなる、白川氏は舟は盤の象形で、殳は盤中のものを汲み取る形という。合わせて運ぶの意味があるという)
舳(へさき:舟+由から構成され、由は壷の先端から油などを抽出する様をいい、抽出されたように船首が突き出ているのでへさきという)、
船(大型の舟をいう)、舵(かじ 舟+它で会意兼形声、它は横に伸びる意味を持ち、横に引っ張る船の舵をいう)、
舶(大きな船のことを言う・・日本書紀に出てくる)、
艇(会意兼形声、廷はまっすぐという意味を持つ。併せてまっすぐに直進する細い小船)、
艙(そう:船倉のことを言う)、
艘(そう:会意兼形声、舟+叟で、叟は細長いという意味を持つ、舟を数える数詞)、
艦(会意兼形声、舟+監(上から見下ろすという意味を持つ)戦いの船、
艫(とも:会意兼形声、舟+盧で、盧はつぼ型の窪みのことを言う)
油轮:タンカーのこと・・タンカーは船なのになぜか油の輪と書く 

これ以外で「舟」を構成要素の中に持っているが、明示的でない漢字
俞:これは会意字です、受、朕(ちん)



引用:「汉字密码」(P115、唐汉著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
 「舟」という 字は、 字型の観点から見ると、甲骨の木の筏の形状に似ているものから、今日見られる小さな小舟に発展しています。

 最も発達したものは平底、方頭、方尾で、上頭と尾がわずか跳ね上がり、舟の両端にはデッキと突き出た角があります。これは比較的先進的な木造船で、その形は木を削いで一木舟としたもののようです。

 金文の「舟」は甲骨に似ており、小篆はすでに変化し始めており、楷書は隷書に変遷后「舟」と書きます。


字統の解釈
盤(舟の別名とも考えられる)
 字統:船 舟の形に象る。説文に 舟なり として 昔木をくりぬいて舟となし 木を削りて櫂としなし 以って通ぜざるを渡すと起源説話をくわえている。 左のような大きな容器に物を入れ運搬し、物をやり取りしていたとも考えられる。その結果として、このような盤を舟と称していたという説もある。








結び
 舟にかかわる漢字を集めてみたが、甲骨文字など古くさかのぼると、これらの文字が直感的に理解できることが良く分かりますね。
 漢字の持つ素晴らしさが改めて理解できた。




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