引用 「汉字密码」(唐汉,学林出版社)
「寝」の本義は病臥することとしている
「寝」の本義は睡眠である。また寝室を表している。甲骨文字では、「令多尹作王寝」とある。これは多数の執事や大工に命じて王の居住の寝室を作らせたということである。
「寝」は居室に寝るために清掃することを示している。
甲骨文字の「寝」の字は会意文字である。外側は部屋を表す形で、内部は箒の象形である。両形の会意で居室を寝るために清掃することを示している。金文の「寝」の字は甲骨文字の基礎の上に一個の手を加え、清掃することを明確にしている。小篆は金文の形に人を加え、楷書では「寝」と書く。また造字の方法で人を変化させ、寝台の意味を持たせ、これを簡単化した旁で、「寝」とした。
「寝」は説文では「臥」なり。
「寝」は説文では「臥」なりとある。「体を横たえて寝る、休息の意味である。論語の衛霊公では「我味わいて、終日食わず、終夜寝ず」とあるのは俗に言う、「夜食が不安なら寝るのも安定しない」の意味である。 「寝」は名詞を作り、寝る場所を指す。「入寝、寝室」など。又特に帝王の陵墓を「陵寝」などという。
漢字「寝」の字統の解釈
病気で臥せることを「寝」という。「説文」に 病みて臥するなり」と注釈を引いている。
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2012年9月1日土曜日
寝: 漢字の起源と由来
寝室は中国語では「卧房」という。さて、ここで「寝」と同じような意味を表す漢字に「卧、寝、寐、眠、睡」がある。意味は似ているが具体的な使用方法には、少し違いがある。「卧」は腹ばいになって寝ることを指す、但し必ずしも眠っているわけではない、その姿形に重点がある言葉である。「寝」は睡眠を指す。眠っている部屋に重点がある。「寐」は一般的に寝ることを指す。睡眠に重点がある言葉だ。「眠」は目を合わせて閉じているのが本義で、そこから拡張され、「睡」を表す。「睡」は座って首を垂れうたた寝をしている意味である。
2012年8月31日金曜日
住まいの漢字 「寓」:漢字の起源と由来
男なら一度はあこがれる住まいではないか。この言葉からは、世の中の喧騒から離れ、花や草木、自然の風を愛し、何事にもつつましく、しかもよく弁え、それでいて世の中のことには通じているそんな優雅な少し「枯れた」文人を想像する。
「ラジオもない、テレビもない、何にもない」 それでいいではないか
引用 「汉字密码」(P721, 唐汉,学林出版社)
"寓 yi"は手を使を用いてあるいは棍棒で蛇を追いかける意味。"寓 yi" は、これは会意兼形声文字である。金文の "寓 " 文字、外部示す家屋の "屋根"の形、内里の古い文字の「禹」文字は、手を使を用いてあるいは棍棒で蛇を追いかける意味。小篆の "寓 "の字 は文字は繁化の規則通り、 "窝" (「巣」という意味)に移り変わった。楷書はこれを受けたが、基本は変化していない。
"寓" は日頃使われていない、もっぱら御客の為に準備した一時的な住い
家の内に蛇がいる、無人居住のため、居住し入り込む内には、蛇を追い出して清掃しなければならない。だから、"寓 " は日頃使われていない、もっぱら御客様あるいは通行人の為に準備した一時的な住いと理解できる、即ち"客寓"。客がこのような家に住み、寄居することを示す。
《孟子・離委下》:"住む人のない私の室で。その中の "寓人 "の一詞は、人を寄居させるの意味。"寄居する " の義によって、また拡張して"寄託" となる。欧阳修の《酔翁亭日記》のように:"山水の楽、得心のいく心そして寓の酒。哲理的な文学的体裁が包含した生活
「寓言」 の言葉は、本来あるところに寄托するの意味だ。以降一種の哲理的な文学的体裁が包含した生活をいう。「漢字の起源と成り立ち 『甲骨文字の秘密』」のホームページに戻ります。