2021年6月14日月曜日

漢字 薬の成り立ちからどんな情景が目に浮かぶ:薬は草カンムリ+「楽」から構成される。病魔退散をただひたすら祈る姿が浮かんでくる


漢字 薬の成り立ちから何が分かる:薬は艸(草カンムリ)+「楽」から構成される。病気には、シャーマンが鈴を打ち鳴らし、篝火をたいて人々は病魔退散を願いただひたすら祈る姿が目に浮かぶ
 日本では医療といえば、西洋医学を指し、漢方は専ら薬物を用いた治療と鍼灸やあんまなど比較的長い間、日陰の存在を強いられてきました。しかし、近年西洋医学の、分析的、個別的手法にその限界が唱えられるようになってきたことで、漢方医学が見直されつつあるといっていいでしょう。

 といえ、使用医学が、直ちに漢方医がに取って代わられるわけでもなく、それぞれの長所を補完しながら発展し続けることになるでしょう。

 文明の発達した今日でさえ、コロナウイルスのパンデミックに際し、人々が神に祈り、護摩を焚いて、アマビエに病気退散の願をかける姿から、古代の、シャーマンが鈴を打ち鳴らし、篝火をたいて人々は病魔退散を願いただひたすら祈る姿が目に浮かぶ。

 以上の話を踏まえ、ここでは、漢字の薬という字の成り立ちから、古代にこの字がどのように発生したかを振り返り、実際の生活で薬とのかかわりを見ることにしよう。


漢字「薬」の楷書で、常用漢字です。
草カンムリと楽からなり、古来松明の素材として、松や柏などの薬草が使われてきたことを示したものだという。これについては、諸説色々あろうが、草カンムリに桜や梅ではなく、なぜ松であったかということに注目したいと思いますが、この段階ではあくまで憶測にすぎません。
薬・楷書


薬・甲骨文字
楽に通じている。楽は祭りなどで広場で焚かれた松明を表している。あるいはシャーマンが祈りで、打ち振るって鳴らす鈴の形だという学者もいる
薬・金文
基本的に甲骨文字を承継しているが、、松明が松の木を焚いたものであることを明示することで、薬用に用いられたことを明示したものといわれる
薬・小篆
金文に「白」という記号を加えることで、柏樹の意味を明示的に示し、ハーブの意味を明確にしたものではないかという説もある。
 薬は艸(草カンムリ)+「楽」から構成されることにはだれも異論はありません。しかしこの楽が何を意味するかについてはいまだに諸説紛々をしているのではないでしょうか。

 ある人はシャーマンが医療に使った鈴の形だとか、又ある人は薬草に用いた松を使った松明の形だとか述べられています。



    


「薬」の漢字データ
 

漢字の読み
  • 音読み   ヤク
  • 訓読み   くすり

意味
    • くすり  病気や傷を治すききめのあるものの総称  例:医薬品
           医薬品以外の目的で作った物  例:火薬、農薬
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    • 医薬目的以外で、医薬の補助的な目的で使われるもの、あるいは一時的に快楽を得るために使われるもの、身体を害するもの 例:毒薬、麻薬
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    漢字「薬」を持つ熟語    医薬、胃薬、漢薬、丸薬、偽薬、試薬、生薬




引用:「汉字密码」(P443、唐汉著,学林出版社)
唐漢氏の解釈
 「药」は「薬」の簡体字です。甲骨文の「薬」という言葉は、「楽」という言葉と同じ起源と構造を持っています。つまり、その形は松の木に由来しています。下部は「木」、樹木を意味し、上部は松ぼっくりの象形文字です。松の枝を篝火や祭祀に使うときは、音楽やダンスの素材になります。

 松葉、松の樹脂、松の花を病気の治療に使い、中国の薬草の起源です。 《本草纲目》によると、松の葉は苦味があり、体を温める性質があり、無毒です。


漢字「薬」の字統の解釈
 形声 声符は楽(がく)。楽には爍の声があり、その音の転化したものであろう。説文に「病を治す艸なり」とあり、薬草をいう。古く治療の方法としてシャーマンが鈴などを振って座礼を払う呪儀的な方法を用いたので、楽という言葉が用いられた。楽はかざして振る鈴の形である。しかし薬はその意味で楽に従うのではなく形声と解すべきであろう。


まとめ
 松は昔から生薬や煎じ薬としてとして重宝されてきました。薬用酒、薬茶、入浴剤などにも用いられている。



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