2021年2月10日水曜日

漢字「滅」の由来と成り立ち 原字「烕」は戉と火からなり鉞(まさかり)で火を消すこと。後にサンズイ偏がついて水で火を消すことを表している


漢字「滅ぶ」には二つの字体がある。「烕」が原字であるが、戉でもって火を消すという一種の呪術的な意味合いがある。
「鬼滅の刃」というアニメがある。 今一世を風靡しているが。さてこの「滅」という字は、原字は「烕」と書き、サンズイがない。この「烕」という字は、古代中国の聖器の武器「戉」と「火」の会意文字であり、火を戉で消すという呪術的な意味を持っている。、

 同じような意味合いで、「鬼殺の刃」としても、意味は通じるが、ここはやはり古風な響きのある「鬼滅の刃」というのがしっくりくる。なかなかいいネーミングだ。


滅の字の付く熟語・・使い方の異なるいくつかのグループに分かれます。考えて見ましょう
滅亡、消滅、死滅、絶滅、壊滅、自滅、点滅、幻滅、必滅、滅私、滅却、滅法 滅相、撲滅、殲滅、毀滅、鬼烕、滅裂



引用:「汉字密码」(P582、唐汉著,学林出版社)
字統の解釈
 滅 形声 声符は烕(べつ)、烕は戉を火に加えて、火を沈めるの意であるが、呪的な意味を持つ方法であろう。《説文》に「盡るなり」とあって、絶滅する意。

烕を《説文》に「滅ぶるなり」と訓し、その義を五行説を持って解しているが、戉は聖器、これを持って火を鎮圧する呪儀があったのであろう。


漢字源の解釈
 烕  会意兼形声。烕とは「戉+火」の会意文字で、刃物で火だねを切って火を消すことを示す。

滅 「水+音符・烕」で水をかけて火を消し、又は見えなくすること。


まとめ
  漢字「滅」の由来と成り立ち 原字「烕」は戉と火からなり鉞(まさかり)で火を消すこと。後にサンズイ偏がついて水で火を消すことを表している


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